この週末は千年持続学校・すまいづくり講座に参加した。月一回、土日の一泊二日で実施している。豊田市旭地区太田町の里山の中に、この地に移住してくる若い家族が住めるような、おしゃれでかわいらしいおうちを、みんなで建てようという取り組みである。地元の間伐材を利用し、自然エネルギー100%で暮らせる住まいをめざしている。
受講料5万円をみんなで拠出し、これを集めて資材費にあてる。私はこれを現代の講(こう)だと言っている。受講生を募集したところ、当初想定していた20名を超えて、東海地域だけでなく、長野や東京などからも参加者が集まった。実に多彩な面々。20代の若者から、60代のシニア世代まで。30代、40代の子育て世代が中心で、講座の時には家族総出の参加で、こどもたちも集まってにぎやかである。おもしろいのは、受講料は一家族一口(5万円)としただけでなく、一カップル一口とした。そういう若いカップルが何組もいる。それだけでも楽しい話である。
当然、講師に対する謝金はない。大工の河合さん、石原さん、建築士の市川さんは、ボランティアどころか、持ち出しで指導にあたってくださっている。
地元の太田町の自治会の全面的な受け入れ、サポートを得ることができた。地元の鈴木さんは受講生みんなのお父さん、伊藤さんはお母さんである。家を建てる場所は地元で探していただいた。何か所か候補地があったのだが、さまざまな障害があり、ひとつだけ可能な場所が見つかった。集落の一番奥、空き家になって、豊田市が借り上げていなか暮らしの宿泊体験施設として利用している板取(いたどり)の家の敷地内である。そこには、古い小屋が廃屋となりつぶれて草で覆われていた。
昨年9月にスタートしたすまいづくり講座で、まず取り組んだのは、この小屋の片づけである。色とりどりのヘルメットをかぶったメンバーが人海戦術でとりかかると、数十年放置されたままだった小屋は、半日ほどできれいさっぱり片付いた。
私はその光景を見ながら、これぞ、現代によみがえった結(ゆい)の姿ではないかと大いに感激した。業者にたのめば何百万円もお金がかかるような作業である。地主も地元もどうしようもなかったものを、たくさんの人間の共同作業でできたのである。かつて結は、地縁血縁での共同作業だった。千年持続学校は、それを、地元とこの地に通ってくる都市住民との共同作業として、よみがえらせつつあるのだと思う。
その後、みんなで建物の設計をすすめた。敷地は6畳間が二つとれるかとれないかという狭い場所だ。建築士の市川さんの導きで、「こういう部屋がほしい」というのではなく、「ここでこういうことがしたい」ということを自由に出し合って、それが設計図になっていくプロセスを体験した。魔法のようである。
大工の石原さんによるこだわりの大工道具講座と、道具の調達。げんのう、ノコ、サシガネ、墨つぼ(絹糸つき)、ノミに道具袋。ホームセンターでは見かけられない本格的なものながら、プロのルートで安価に入手できた。みんな真新しい道具を手にして、小学1年生のように、にこにこしている。それらを入れる道具箱も各自製作した。
今回の講座では、石原さんの指導で、角材の寸法を正確に出す木づくりの作業。墨つけに初挑戦である。さらに河合さんの指導で、紙の設計図をべニア板の裏に書き写した板絵図の製作。柱や梁を「きざむ」際に、これを見ながら、またこれに作業内容を書きこみながら作業をすすめるための、大工仕事の基本中の基本アイテムである。寸法はすべて尺、寸、分で。なれない単位に四苦八苦しながら、なんとか完成。
午後には、木材を調達する山に行って、伐採と搬出作業の段取り。利用するのは昨年夏に皮をむいた皮むき間伐材。これも地元の好意でタダで入手できることになった。矢作川流域の森林ボランティアの元締め、山本さんと西川さんが、チェンソーを使って高さ20mほどのヒノキを伐り倒す。迫力満点である。林道まで引き下ろして、みんなで丸太に残った皮をむいた。ヒノキの香りに一同感激する。次回の講座ではこれを50本伐り出す本格的な林業作業を行う。
山に生えている木を伐り出して、それを製材し、きざんで、家を建てる。人手がいる作業は結で。現金が必要ならば講で。かつての里山では普通に行われていたことが、半世紀の間、途絶えていた。それが今、よみがえろうとしている。
講座の開始から半年、すでにメンバーの何組かは、都市から農山村への移住を実践に移そうとしている。これも企画段階では思いもよらなかった早い動きである。地元の空き家の情報や仕事の情報のほとんどは、外にいる人間には発信されない。地元の情報につながることができれば、実は、いなかには当座の住むところも仕事もけっこうあるのだ。千年持続学校に来れば、さまざまな地元の人脈や情報に触れることができる。ここがそういう「港」のような役割を果たすことができれば本当にすばらしいと思う。
仕事が終わると、地元の温泉に入り、夜は、地元に入り込んでなりわいづくりに挑戦している若者たちの会社、M-easyのみんなが用意してくれた鍋を囲んで、楽しい夕食である。そのまま夜遅くまで話し込む。私がおしゃべりしていたグループでは、最後には「美とはなにか」について語り合っていた。里山の夜は、人を哲学的にするようだ。
千年持続学校は私が構想し、いろんな場所でわめいている間に、いっしょにやろうという仲間がどんどん現れて、あれよあれよという間にスタートすることになった。もう私の手を離れて、たくさんの参加者・協力者の共有財産=コモンズとなりつつある。私は「校長先生」ということで、ほとんど名誉職だ(笑)。うれしい限りである。これぞ自然(じねん)な流れである。この営みそれ自身が、持続可能な社会そのもののタネとなり、芽を出していくよう、祈り、また努力したい。











藤村先生の講演会の夜懇親会で同席させて戴いたものです(辻本先生方が作ったミストの会社にいる者です)
千年持続学校の活動を見学することはできますでしょうか。
中根さんとご連絡が取れるようになっております。ご相談差し上げてもよろしいでしょうか
千年持続学校、
2月の講座、まだ愛知にいたら、
見学に行きたいなあ〜〜
と思っています。
その時はよろしくおねがいします(^^)
2月は25,26日、3月は10,11日です。
上の「受講生募集」の講座申し込み先にメールで見学のお申し込みをしてください。よろしく〜