イテオロジカル・マンマンデー「極私的映画談義」などなど

俳句もやります。ときどき発表します。あてずっぽーな批評もします。だって、おもしろいんだもん。

懐深いころ柿のひとところ

2017-03-19 12:49:36 | なだらかに降りてゆく...

 

《15句です。本文にはいろいろとマチガイがありますが、校正しないでくださいね。》

 

 

 あんぽ柿、市田柿に続いて、ころ柿が、ここらのスーパーでも見かけられる季節。見た目にはそっくりだが、何があんぽと違うのだろう。干し柿については以前にも書いたように憶えているが、「うまい、うまい」と感心して齧るのみで、一向に学習が進まない。グーグル百科などを覗いてみても、甲州路の風物詩であるぐらいしか納得できることは書いてない。

 ま、こんなことを研究しても一文にもならないだろうから、手を出す値打ちもないと思うが、まったく何の根拠もない新説をメモしておくぐらいは許されよう。〈ころ〉は〈コロボックル〉の省略形である。あるいは〈おむすびコロリン〉のそれである。赤塚に訊けば「ココロのボスにきまってらあ」と、嘯くだろう。まず、そのあたりを語・死地・後で笑ってみたい。えっ、アカツカって誰だって? ころ柿みたいな顔色の大酒呑みさ。

 

 

干し柿の甘みや重きたなごころ

 

柿の種子ところどころに埋めておく

 

柿すだれ潜りついでの盗み喰い

 

干し柿を夢見てゐるかおころりよ

 

コイン三個あれどコロ柿一個にも如かず

 

 あのね、いいこと教えてあげようか。なかなか気安く手の出ない値段だから、いざ齧ろうとしても歯が折れそうなブツである場合がある。そのような不埒物は、電子レンジにぶち込んでしまえ。56秒すると、見違えるほどの柔らかさと高糖度に変身してくれる。

 

 

恋すてふオレンヂ三つ寒腐れ

 

出し抜けに白鳥映す春の湖

 

夏みかんヌッと宇宙に出現す

 

その後より後ろ手のマエストロ

 

甘納豆きさらぎなればクックククク

 

 俳句に堪能な音楽家は誰だろう。エリック・サティか、タケミツか。(この人の名前、カタカナで書かないほうがいいね。)甘納豆の元句は「三月の」ではじまる。三月と言えば、すっかり大震災。事象と季節感が重なった好例だろう。それでもやはり《関東大震災》と《秋》との結合力のほうが緊密かな。記憶は薄れるもの。甘納豆と言えども、3月に笑ってはいられまいから、2月に笑ってしまおうという趣向。あまりの傑作に、坪内先生もあきれ返ってくださるでしょう。オレンヂはプロコフィエフ、白鳥はチャイコ、ヌッと出るのはリヒャルト・シュトラウスをイメージしてます。指揮はさしずめデュトワかな。

 

 

朝日より早く起きたり囀りに

 

春墓参四角な祖父母抱くため

 

あんパンをお供へ申せ涅槃像

 

あんパンが空飛ぶ夢は話したか

 

墓仰ぐことも難し背の曲り

 

 抹香臭い句材はそろそろお蔵入りと思って持っているが、あんパンだけは残りそう。この円満な姿の食物は、日本で考案されたと言うが、饅頭の伝統がそれを可能にさせたに違いない。永田耕衣師の《落としてみるや》は世紀の大傑作だ。ハジメはウッカリ落としてしまったのだ。「ハテ、オモシロイ。」そこで「おむすびコロリン」のごとく、手持ちのあんパンを次々と転がしてみているご老体を、みなさん、拍手でお迎えください。

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