《雛菊*雑記》

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『嫉妬と不安は紙一重』【by『青春~キセル』】

2007-11-13 | ++ShortShort++
 前田くんは、お酒が入るとスケコマシモードにスイッチが入る。


 …らしいことが、ようやく最近になって、なんとなく解ってきた。
 これまで一緒にお酒を飲んだ機会を振り返ってみれば、思い当たるフシが幾つもある。


 まず、気分が陽気になるのか、口数が多くなる。
 そのうち、美辞麗句ばかりを“これでもか!”と調子よく並べ立ててくるようになって。
 だんだんスキンシップまで過剰になる。


 …で、結局、最終的にはエッチに持ち込まされる、ていう。


 お酒が絡むと、そうやって段階が踏まれることに、ようやく最近、気付き始めて。
 このパターンでいつも、彼いわく『酔った勢いの関係』ってヤツが量産されていたんだなー…と、考えたらちょっとモヤッとした気分になった。
 いくら本人に悪気は無いんだとしても、そんな“勢い”だけのカンタンな気持ちで、そういうことされると……やっぱ、オンナとしては良い気分じゃない。


 でも……彼の口から流れるように紡がれる言葉は、耳あたりが良いことも確か、だったりして。


 たった一晩だけの関係で彼に想いを寄せてしまうオンナノコの気持ちが、少しだけ分かるような気がする。
 やっぱりオンナは、いつも男性に褒められていたいものだから。
 返して言えば、褒めてくれる男性に弱かったりするものだから。
 たとえ、それが酒の勢いを借りた言葉であると、分かっていたとしても……やっぱ気持ちはくすぐられちゃうんだよね。


 そう考えてしまうところからして、私の気持ちも既に、それくらい前田くんに溺れてしまっているのかもしれない―――。


 …だから、なんだろうか?
 彼の行動を束縛したいなんて気は全くサラサラ無いものの……とはいえ、飲みの席に行く前田くんのことが、どうしても気になってしまうのは。


 ――その席には、オンナノコなんて居ないでしょうね?









◆『青春18片道切符~ただいまキセル恋愛中!~』
だいたい、大学卒業してすぐ、ってくらいの頃でしょうか。
珍しく有羽の方がヤキモチやき、っていうパターン。
…大概、貴史も罪作りです(苦笑)