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RSウイルス感染症

2015-08-04 11:29:18 | Weblog

RSウイルスは0歳~2歳のお子さんが感染すると重症化する恐れがある感染症です。

3歳以上児や大人が感染しても風邪のような軽症になります。

そのためRSウイルスと気が付かずに乳児にうつしてしまうことがあるので、保育園の年中以上児や大人も感染には気を付けなければいけません。 (RSウイルスは、乳児のいない幼稚園、小学校ではほとんど問題になりません。)


RSウイルス感染症の流行パターン

RSウイルス感染症は秋から増加し12月にピークを迎え、年明けは徐々に減少し3月ころに落ち着く、という流行パターンを呈します。

しかし近年は夏季でも流行が見られます。現にH27年7月~8月にかけて、仙台市愛子地区の保育園で大流行しています。

 

RSウイルス感染症の特徴

RSウイルスのRSとは「Respiratory Syncytial(=呼吸器の合胞体)」の略です。

生後1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ100%の子どもがRSウイルスに感染すると言われています。

症状は、軽い風邪のような症状から重い肺炎までさまざまです。

初めて感染発症した場合は重くなりやすく、乳期、特に乳児期早期(生後数週間~数カ月間)にRSウイルスに初感染した場合は、細気管支炎、肺炎といった重篤な症状を引き起こすことがあります。

さらには、低出生体重児や先天性心疾患、慢性肺疾患、免疫不全などを持つハイリスク児は要注意です。

そのため乳児期早期(生後数週間~数カ月間)のお子さんがいらっしゃる場合には、絶対に感染しないよう細心の注意が求められます。

 

RSウイルス感染症の症状

乾いた咳が見られます。発熱、鼻水が数日続きます。

熱は、乳児の場合は38℃から40℃になります。

7割の人は中等症で済みますが、3割の人は細気管支炎・肺炎となり、「水分が飲めない、飲んでも吐く」・「呼吸が浅い」・「ゼーゼーする」・「痰がつまる」・「呼吸数が増える」・「眠れない」など、重篤な症状が現れます。

さらに生後1ヶ月未満児の場合は診断が困難な場合があり、無呼吸発作から突然死を起すことがあります。

再感染もよく見られます。

 


RSウイルス感染症の潜伏期間

2~8日(主に4~6日)

 

RSウイルス感染症の感染経路

飛沫感染、接触感染が主です。


 

RSウイルス感染症の予防

ワクチンはありません。

飛沫感染と接触感染が感染経路であるため、マスクの着用や手洗い・うがいの徹底が重要となります。

また、日常的に手に触れるおもちゃやドアノブ、手すりなどはこまめにアルコール消毒を行いましょう。

2歳を過ぎた子どもや大人が感染しても、症状が軽いためにRSウイルスだと気が付かないことがあります。

そのため軽い風邪に見えても、 乳児にはなるべく近づかないようにしましょう。


 

RSウイルス感染症の感染期間

乳幼児では3〜4週間も気道からのウイルス排泄が続くことが報告されています。

これは症状が落ち着いて登園してきた患児からも感染が広がる可能性があると言うことです。

保育園ではこの期間(発症から3〜4週間)、患児を隔離する必要があります⇒登園を停止するか、別室で保育する

 


RSウイルス感染症の治療法

特効薬はありません。抗生物質は効きません。対症療法のみとなります。

鎮咳剤、去痰剤、解熱剤などで辛さを和らげてあげましょう。 水分補給も重要となります。

水分を摂らなくなったり、呼吸が苦しくなってきた場合は入院が必要です。

 



保育園で気を付けること
 

保育園では感染が広まらないようRSウイルス感染症が疑われる子どもの保護者の方に医療機関の受診を勧め、ウイルス排泄期間は休園させることが大切です。

RSウイルス感染症と診断された子は、発症から最低3週間は登園を見合わせましょう。

非常に感染力が強いので、流行期間中の密な接触(子どもたちをホールに集めての保育、行事など)は控えましょう。

 

以下の条件を満たす児では流行期(10月から3月)にシナジスという予防薬(抗RSウイルスヒト化モノクローナル抗体)を月に1回注射することで感染を予防します。

(1)早産児
・在胎週数(お母さんのお腹の中にいた期間)が28週以下で、RSウイルス流行開始時に12か月齢以下の赤ちゃん
・在胎週数が29~35週で、RSウイルス流行開始時に6か月齢以下の赤ちゃん

(2)慢性肺疾患を持つ小児
・過去6か月以内に気管支肺異形成症などの呼吸器疾患の治療を受けたことがあり、RSウイルス流行開始時に24か月齢以下の小児

(3)先天性心疾患を持つ小児
・RSウイルス流行開始時に24か月齢以下の先天性心疾患児で、血行動態に異常がある小児 

シナジスは高額で、1回の注射にかかる費用が8〜25万円程度(体重により使用量が異なるため)かかります。

健康保険を用いても、自己負担分を2割とすると、1.6〜5万円かかります。

これを流行期の6ヶ月、毎月打つことになります。

シナジスはワクチンではないので、効果は1か月ほどで消失します。

 

シナジスは非常に高価な薬剤です。医療経済的にはこのような記事もありますので参考まで

http://matome.naver.jp/odai/2138996812824484801

 

 

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