IBFライトヘビー級タイトルマッチ
48歳のライトヘビー級王者バナード・ホプキンス選手(Bernard Hopkins)にドイツからの指名挑戦者カロ・ムラート選手(Karo Murat)が挑んだ一戦は米国ニュージャージー州で行われ、ホプキンス選手が12回3-0判定を制して防衛に成功した一戦でした。(体格比較)
ムラート選手の積極的な攻めがリードしたように見えた試合序盤戦。のらりくらりとしたホプキンス選手のペースを無視した左フック中心の攻めでペースを奪った好スタートでした。しかしそこはやはり熟練のエイリアン、ペースを奪われながらも巧みなボディワークで18歳年下の挑戦者のパンチを最大限殺し、的確な右ストレートリードなどを要所要所で決めて対抗していきます。そして4回にタイミングよく決めた左フックのボディブローでちょっとムラート選手が効いたように見えた場面からホプキンス選手がペースを奪います。5回には右フックのボディブローも効かせ、右ストレートリードを次々に当てて一気にペースを自らのものにした王者。7回8回には強いショットを決めてラッシュを見舞いムラート選手を棒立ちにさせる場面も作ります。
9回以降は流石に疲れの色を見せたホプキンス選手でしたが、正確な左フックや右ストレートリード、ボディブローなどで上手く要所を押さえながら休むところは休んでペースを譲らずユナニマスの判定を掴んだ盤石の勝利でした。
CompuBox: Hopkins Lands Most Punches in 12 Years
・この日のホプの247ヒットは過去12年で最多。(2001年9月のトリニダード戦が260ヒット)
・ラウンド平均47発の手数ってのは過去9戦での平均値より8発多い
・ラウンド平均42発の手数を繰り出したムラートは9ラウンド目に23発のパワーショットをヒット。ホプキンスに対して1つのラウンドでパワーショットを当てた数としては、20年前の対ロイ・ジョーンズ戦の6ラウンド目に25発ロイが決めた時以来の高い数字。
公式のスコアは119-108が2人、117-110が1人の3-0ホプキンス。シロート採点115-112ホプキンス。(7回にムラート選手に減点1)
ボディワークを駆使したディフェンス、さらにそのボディワークとともに繰り出す接近戦での左フックや右フックが実に上手く相手をキャッチしていてまた効果的でした。終盤疲れたとは言え48歳にしてこの戦いでの12ラウンズってのはやはり驚異的。この日は危なく見える被弾も結構多かった王者でしたが、ダメージで動きが落ちる・効くってなシーンも見せず、計り知れません。伝説はまだまだ続くようです。
世界タイトルマッチ23勝目(歴代8位タイ)としたホプキンス選手は54勝(32KO)6敗2分1NC1ND。世界戦30戦23勝(13KO)3敗2分1NC1ND。ムラート選手は25勝(15KO)2敗1分。
Bernard Hopkins Brawls His Way To Overcome Murat(David P. Greisman/BoxingScene)
Hopkins beats Murat by unanimous decision, retains IBF 175-pound belt(Doug Fischer/RingTV)
Hopkins beats Murat in chippy, fun fight(Michael Woods/ESPN)
Hopkins dominates Murat; Quillin, Wilder victorious(Rick Scharmberg and Kurt Wolfheimer at ringside Photos: Tom Casino//FightNews)
Photo gallery: Hopkins vs. Murat(RingTV)
Photos: Hopkins Stages an Alien War To Beat Murat(BoxingScene)
現在の高齢世界王者たち
CompuBox Details The Oldest Champions in Boxing
1)バナード・ホプキンス---48歳275日
2)ビタリ・クリチコ---42歳89日
3)ギジェルモ・ジョーンズ---41歳163日
4)セルヒオ・マルチネス---38歳236日
5)オマール・ナルバエス---38歳97日
6)ウラジミール・クリチコ---37歳203日
7)フロイド・メイウェザーJr---36歳232日
8)カール・フロッチ---36歳104日
9)アドニス・スティーブンソン---36歳22日
10)サキオ・ビカ---34歳179日
バナード・ホプキンス対チャド・ドーソン(2011/010/15)
ジョーン・パスカル対バナード・ホプキンス(2011/05/21)
ジョーン・パスカル対バナード・ホプキンス(2010/12/18)
バナード・ホプキンス対エンリケ・オルネラス(2009/12/02)
ケリー・パブリク対バナード・ホプキンス(2008/10/18)
バナード・ホプキンス対ジョー・カルザギ(2008/04/19)
バナード・ホプキンス対ロナルド・ライト(2007/07/21)
カロ・ムラート対ガブリエル・カンピーヨ(2011/10/01)
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それでも最後までスタミナが切れないのはとても48歳とは思えませんでした。恐るべし。
あの試合以降、トリニダードの伝説は終わったと言ってもいいのに対し、ホプキンスはそれから12年も続いているなんて。言葉が出ません。
スタミナもそうですし、あれだけ結構打たれながら全然効いたように見えなかったタフさってのにも大いに驚かされます。
>田本さとしさん
ロイとの初戦が93年ですからね。20年間トップファイターとして戦い続けてるんですから本当にありえないです。