マルコ・フック対ビタリー・ルサル(2009/05/09)

欧州クルーザー級タイトルマッチ

欧州クルーザー級王者のマルコ・フック選手(Marco Huck)が無敗のウクライナ人ビタリー・ルサル選手(Vitaliy Rusal)の挑戦者に迎えて臨んだ防衛戦は、フック選手が5回TKOで完勝してタイトル3度目の防衛に成功しています。

フック選手の貫禄勝ちでした。
この日がウクライナ以外で初の試合となった挑戦者のルサル選手は、よく動きながら軽いコンビネーションで仕掛けて行きますが、パワーで圧倒的に勝る王者がブロックの上を打たせながら余裕を持って返すパワフルな反撃が立ち上がりからペースを支配。
フック選手が力いっぱい伸ばす上下への右ストレート、接近戦で殴りつけるような左右フックなどの腕力・馬力を感じさせる無骨な攻めがルサル選手を徐々に追い詰めていき、5回に右のパンチでチャンスを掴んだ後の怒涛の連打でスタンディングダウンを奪い、試合再開後にも右強打で挑戦者を大きく仰け反らせた場面でのストップでした。
フック選手はミドル級王者のアブラハム選手からセンスを無くしたような選手です。アブラハム選手もセンスがある選手とは言い難いのですが、フック選手はもっと腕力ボクシングな印象。世界初挑戦となったカニンガム選手との一戦ではこのボクシングの限界も感じさせましたが、もうこのスタイルは変えようがないでしょうから、このボクシングをより極めて行って欲しいですね。
ガードを高く掲げていたものの、ガードの間や脇を抜かれる場面がこの日は目に付きましたし、まだまだ改善の余地はある＝強くなれる選手だと思います。

フック選手は25勝(20KO)1敗。ルサル選手は23勝(16KO)1敗。




Huck KOs Rusal(Alexey Sukachev,Fightnews)

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