IBF・WBO・WBAライトヘビー級タイトルマッチ
3団体統一ライトヘビー級王者のセルゲイ・コバレフ選手(Sergey Kovalev)と元スーパーミドル級統一王者のアンドレ・ウォード選手(Andre Ward)とが激突した、現在考え得る最上の好カードは米国ネバダ州ラスベガスで行われ、大接戦の末にウォード選手が僅差の3-0判定を制して新王者の座に就いた一戦でした。(体格比較)
お互いに左ジャブを伸ばしながら様子を探る立ち上がりの中、両者の左ジャブが相打ちでヒットした場面で大きくよろめく場面を見せた初回のウォード選手。この場面まではどちらかといえばウォード選手が空間・リズムを構築しつつあった流れにも見えたのですが、コバレフ選手が1発のジャブで形勢を一気に引き寄せてしまいます。
2回には両者がワンツーを同時に繰り出し、そしてお互いにヒットさせていたのですが、この場面でも一方的にダメージを被ってしまったのはウォード選手。痛烈と言っていいノックダウンを喫してしまったウォード選手のダメージは確実に見えた場面で、極上ともいえるこの好カードがこの一方的な流れのまま終わってしまうという強い予感に身震いしてしまった序盤の戦いでした。
しかし絶体絶命にも見えた流れの中、懸命に打開策を探りながら徐々にペースを引き寄せていったウォード選手。スタートよりもやや距離を詰めつつ、鋭い左ジャブをクリーンに決め、離れ際や交錯する場面で上手く、そして強く当てるボディブローなどで徐々に自らのリズムを取り戻していきます。
少しづつ疲れの色も見せていったコバレフ選手に対しシャープなパンチを度々決めて、序盤での大きなビハインドを取り戻していったウォード選手。対するコバレフ選手もスムーズに繰り出される重く正確なブローで譲らない、高レベルで紙一重のタクティカルな攻防が最終12回まで続いた素晴らしい試合でした。
Powerpunches
公式のスコアはジャッジ3者ともに114-113ウォードという3-0ウォード。シロート採点114-113コバレフ。10回や12回をどう見るかで勝敗がどちらに転んでもおかしくはない大接戦でした。ただコバレフとしては納得いかないこの結果だというのは大いに理解できます。再戦がセットされてしかるべきクロスファイトでしたし、最高レベルのこの2人の攻防をまた見たいというファンの要求もとても大きいはず。次にどちらがどう変えて戦うのか、あるいは変わらずに貫くのか、いまから妄想が膨らんでたまりません。
期待して待ちましょう。
ウォード選手は31勝(15KO)。コバレフ選手は30勝(26KO)1敗1分。
Andre Ward vs. Sergey Kovalev - CompuBox Punch Stats(BoxingScene)
Kovalev vs. Ward - LIVE BoxingScene Scorecard (BoxingScene):114-113ウォード
Andre Ward survives Sergey Kovalev ... this time, at least(Kevin Iole/Yahoo Sports ):114-113ウォード
ANDRE WARD DEFEATS SERGEY KOVALEV VIA UNANIMOUS DECISION(Ben Thompson/FIGHTHYPE):114-113ウォード
Ward edges Kovalev by unanimous decision for title(GILBERT MANZANO/Las Vegas Review-Journal):116-112コバレフ
Harold Lederman(HBO):116-111コバレフ
Sergey Kovalev vs. Andre Ward Results, Round-by-Round Scoring & Play-by-Play(MIKE SLOAN/Sherdog):115-112コバレフ
Kovalev vs Ward: Live results, discussion, RBR(Fraser Coffeen/Bloody Elbow):115-112コバレフ
Andre Ward beats Sergey Kovalev for unified light heavyweight title – as it happened((AP Bryan Armen Graham)/The Guardian) :115-112コバレフ
Kovalev vs Ward results: Andre Ward wins narrow decision Bad Left Hook(Scott Christ/Bad Left Hook):115-112コバレフ
Andre Ward grinds out win; Sergey Kovalev calls it 'the wrong decision' (Dan Rafael/ESPN):115-112コバレフ
Round-by-round: Andre Ward upsets Sergey Kovalev to win light-heavyweight titles(Bob Velin/USA TODAY):114-113コバレフ
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アンドレ・ウォード対ロジャー・カントレル(2007/11/16)
コバレフの勝ちって言ってるようなもんですよ。
当然私もコバレフ勝利だと思ってます。
至極のカードだったのになんと言う後味の悪さ。
ジャッジの見る目の無さに呆れすら感じる。
ダイレクトリマッチ求む。
リマッチしないとダメでしょう。
思ったけど、観方によってウォードの勝利もあり得なくは
無いと思いました。
そういう但し書きが必要なところが、本来コバレフ勝利が
真っ当という証しなんでしょうが。
リマッチをしたらウォードが完勝すると思います。
メイのvsカスティーリョみたいに。
自分は基本ウォードの試合を退屈だと思ってるのに
好きか嫌いかで言えばウォードは好きです。
今回序盤で絶体絶命の危機に陥りながら、技術と
精神力と知力で巻き返していくウォードを見て
もっと好きになりました。
コバレフ勝利だと思いますがw
3ラウンド以降からウォードらしい動きを見せてきてコバレフがやりづらそうにしている感が見て取れました。
中盤戦よりコバレフがウォードのダッキングに対し追尾するように威力低めで丁寧に打つ回数が増えたような気がします。
終盤戦はコバレフに疲れが見えてもう一押ししてロープに詰めておけば展開として楽なのになぁ~と思わせるわずらわしい展開でした。
私はコバレフが好きなのもあり贔屓目で115-112でコバレフ勝利と読んでいましたが、贔屓を出来る限り差し引くと113-114ウォードかなと思います。
やはり中盤戦がどっちつかずのグレーな感じの印象が強かったですね
長文になって申し訳ないのですが、ダウン以降のウォードは動き方が少しダーティだった気がします。
一番分かりやすいのが、右ストレート→ダッキングで密着→クリンチ直前に頭を上げて頭突き(これが嫌でコバレフは手でウォードの頭を下に押さえてレフェリーに注意されていたと思います)
以前、ウォードVSミッケル・ケスラー戦でもこのパターンでケスラーが目の周辺をカットし、ストップがかかってそれまでの判定という流れがあったのを思い出しました。
再戦してもいいと思いますが、コバレフが勝ちたいのであれば、ウォードの前進攻撃→ダッキング→クリンチでの不必要な被弾を減らさないと勝てないかなと思います。
内容的には一発のクリーンヒットもさせないような回避ではメイウェザー以上ではないかと思っていたウォードが普通に打たれるのが衝撃的でした。
終盤もコバレフになんとか食らいついてはいたがヒットで五分、手数ではかなりの差をつけられていた。
10は明らかにコバレフの回だがジャッジ3名ともにウォード。
明らかなミスジャッジですね。
この試合ウォードが勝者に値するパンチを繰り出していたとは到底思えません。
個人的には再戦よりもスティーブンソンと戦って欲しいです。
力関係はこの一戦で結構はっきり見えたと思うのでルイス対ホリのような不要な再戦かと感じます。