ウラジミール・クリチコ対スルタン・イブラギモフ(2008/02/23)

IBF・WBOヘビー級王座統一戦

IBF王者、ウラジミール・クリチコ選手(Wladimir Klitschko)とWBO王者スルタン・イブラギモフ選手(Sultan Ibragimov)との1999年以来となるヘビー級王座統一戦はニューヨークMSGで行われ、クリチコ選手が12回大差の判定で勝利してWBOタイトルを吸収しています。(119-110,118-110,117-111)(体格比較)

クリチコ選手の完勝でした。
サウスポーのイブラギモフ選手に対し注意深く様子を窺いながら圧力をかけ、数は少ないながらも長く正確で、かつ強いジャブを当てるクリチコ選手。
体格での大きなアドバンテージを生かしたこの戦術を前にイブラギモフ選手はほとんどなす術がありませんでした。
イブラギモフ選手の見せ場もあるか、と予想した試合前でしたが最後の最後までクリチコ選手の深い懐に入り込めず、左ストレートをボディに当てるのが精一杯。6回と8回に見せた右フックに微かな可能性が感じられた程度で、クリチコ選手の長い距離を最後まで潰せずに完敗を喫してしまいました。

クリチコ選手は、9回にワンツーを2セット決めてイブラギモフ選手の腰を落とした場面（ロープに助けられたイブラギモフ選手でしたが、この場面はノックダウンを取るレフェリーもいたかも）や、11回終了間際に強い右フックを2発決めた場面など、倒すチャンスもあったように見えたのですが、これらの場面でも攻勢を強めることは無く最後まで慎重な姿勢を貫き通していたのが印象的でした。
今日のような戦い方でこられると、体格面で劣る選手にとっては何もする事ができなそうであります。
試合中ブーイングも聞かれた試合でしたが、危険を冒さない慎重なスタイルのクリチコ選手は対戦相手にとって相当手強いものでしょう。

クリチコ選手は50勝(44KO)3敗。イブラギモフ選手は22勝(18KO)1敗1分。

試合動画
ウラジミール・クリチコ対スルタン・イブラギモフ(2008/02/23)

Klitschko-Ibragimov: Round-by-round
Klitschko defeats Ibragimov!
Klitschko unifies heavyweight belts with unanimous decision over Ibragimov
Klitschko easily wins unification bout
Klitschko defends IBF title, claims Ibragimov's WBO belt
KLITSCHKO CLAIMS WBO TITLE

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