本日のロック

酸性雨ってまだ降ってるの?って聞かれたんだ。

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マンゴーとロック

2007-06-15 21:36:49 | Weblog

まずい、と思ったのは昨日の午前9時半。自宅アパートの前にゴミを出したところで、隣接する一軒家に住む大家さんと出会い、軽く会釈をした、その瞬間、ぶわっと虫の知らせが。話の長い大家さんを振り切り、慌てて部屋に戻ると、

 

あの赤く美しいマンゴーが消えていたのである。

はじめから無かったのか、神様のイタズラなのか。

 

休みにも拘らず「はなまるマーケット」が放映されている時間に飛び起きたのには、当然のことながら理由がある(普段の休みなら「ピンポン!」が始まる頃にモソモソと這い出すところ)。

先立つこと2週間前、性格温和で有名な上司の表情を、一瞬して引き攣らせるような大失態をやらかしてしまった僕は、この日、ご迷惑をお掛けした相手方にお詫びに伺う手筈になっていた。

仮に僕が逆の立場であれば、おそらく殴る蹴るの暴行を加えた上に、すがりつく相手に小便くらいは引っ掛けていたであろう、というほどの甚大なミス。 であるため、電話で謝罪した際、一時無言になりながらも、最後には反対に僕を気遣ってくれた相手方の温情に感謝しつつ、さすがにそれだけでは収まらないであろうと考え、お詫びの品を携えてご自宅まで足を運ぶことにした次第。

というわけで、一昨日、新宿伊勢丹の地下街を訪れ、ワイン売り場へ一直線。 というのも、相手方が大のワイン好きであるからなのだが、果たして僕にはそれに関する知識が皆無。 予算の2万円で購入できるワインが、高級なのだか、そうでないのだかもよく分からない。そこで、ワインの線は早々に諦めてフロアーをうろついていた。 その時、はたと目に留まったのが宮崎産の高級マンゴー。いわずと知れた東国原知事の推奨品である。

色鮮やかに熟し、でっぷりとした体躯を誇示するその果実。その赤過ぎる「赤」。自らが内包する果肉の瑞々しさを見る者に否応なく想像させ、生唾を飲ませる官能的な存在感。うーん、確かに値段は張るけれどとにかく購入。いやいや、これで許していただけるのであれば安い買い物だ。そして一度位は自分で食べてみたいものだ。

 

 

が、翌朝、目を覚ますと、その愛しのマンゴーがアパートから姿を消していたのである。さぁ、参ったぞと。約束の時間までに相手方の自宅に着くにはほとんど猶予はない(残り30分)。

さぁ、考えろ、俺の脳細胞。

昨夜はどうしても抜けられない会合に出席し、そう遅くならずに帰宅したはず、だったのだが、これだけ室内を探しても見つからないということは、どこかで置き忘れてきた可能性が高い。うーむ、会合が行われた四谷の割烹料理屋か、はたまたタクシーか。しかし、携帯で問い合わせると、両者とも忘れ物は届いておりませんとの返答(残り20分)。

次に携帯をチェックする。これは、酔った僕が他人の迷惑を顧みず、帰りのタクシーで携帯を掛けまくるという習性を考慮してのこと。やはり3件の発信履歴がある。被害者の方、いつもすみません。

で、そのうちの一人の後輩女性から、

「もう、勘弁してくださいよー、昨日だって彼氏が来てたんですからぁ、あ、そういえばマンゴーどうしました? なんか高かったんですよね、私に悪いと思ったら、今度、お詫びに買ってくださいねー」

と言われる。そのマンゴーが行方知れずなんだってば、とは言わず、なぜマンゴーのことを知っているのかと尋ねると、

「なんか電話先で、ゴソゴソ紙袋を覗いて、“太陽のたまご”がどうとか言ってたじゃないですか」

 

重要証言である。

なるほど、帰りのタクシーの車内まではマンゴーは僕の腕の中にあったのである。万一、車内に置き忘れたとしても、それなりに大きな荷物であるため、運転手も気付くであろう。となれば、僕がタクシーを降りてから部屋に着くまでの間に消えてしまったことになる。(残り15分)

ひとまず大家さんを訪ねて、落し物はないか聞くことにする。しかし、大家さんも「そんな落し物は知らないねぇ、伊勢丹の袋でしょ、そんなのが落ちてればすぐに分かると思うんだけど。 あ、そんなことよりもさぁ、」と別の話が始まりそうになったので、「すみません、ちょっと急ぐので」とシャットアウト。 昨夜、タクシーを降りた場所から部屋までの道を探す。(残り12分)

うーん、・・・ない。

自転車置き場にも、郵便受け付近にも見当たらない。(残り5分)

あぁ、僕の可愛いマンゴー。東国原知事への完全に筋違いな憎悪が募る。(残り4分)。

 

そこへ、「あらあら、どうしたの?」と、声を掛けて来たのは大家さんの奥さん。いやぁ、ちょっと参ってまして。もうね、俺、駄目かもしれないっす。(残り3分)

「なによ、失恋でもしたの?」

そうじゃないんですけどね。

「あ、そうそう。 そんなことより、マンゴー、ありがとね」

 

「え?」

 

「昨日くれたじゃない? ほら、いつもお世話になってますとか言って」

「ええ?」

「私が犬の散歩から帰った時に、あなたがタクシーから降りてきて」

「えええ?」

「いつもお世話になってますので、って」

「えええええ?」

「あら、いいの? こんな高そうなの頂いて、って言ったら、お土産なんですけど、明日また買いますからいいですよ、とかなんとか調子のいいこと言ってたじゃない」

「う、うわぁぁあああ!」

「どうしたの?」

「あの、それ、もう食った、ですか?」

「まだ冷蔵庫にあるわよ」

「うぉー!」

僕の叫び声を聞きつけ、大家さんも現われた。

「なんだよ、さっきからお礼を言おうとしてたのに。 え? 返せっての? 仕方ねぇ奴だなぁ」

 

ちなみに伊勢丹の袋は、30分前に僕が捨てたゴミ袋のなかに入っていた。それでマンゴーが脳裏を掠めたのであろう。小さな街のほんの小さな朝の出来事。

本日の教訓は、人の話は最後まで聞くべき、ということ。

そして、マンゴーはとてもエロく、ダイナマイトなプッシーキャットだということ。

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