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第1章 オリエントと地中海世界 第3節 ローマ世界

2017-07-17 | 生物暗記法

 

用語リストへア.ローマ共和政
■ポイント 都市国家ローマでは平民が身分闘争を経て、貴族と同等の権利を獲得した。
 都市国家ローマ  前1000年頃 古代イタリア人が南下し、イタリア半島に定住。農耕牧畜を営む。
・その一派のa ラテン人 がc ティベル川 のほとりにc ローマ を建設。

補足: ローマの建国神話

ロムルスとレムス
帝国初期の国民的詩人と言われたヴェルギリウスの『アエネイス』には、ギリシアのトロヤの勇将であったアエネイスが、トロヤが落城したため各地を漂浪してイタリアにたどり着き、ティベル川のほとりラティウムに町を建設したことが物語られている。その子孫のロムルスとレムスの双子の兄弟は、王位をめぐる内紛から籠に入れられて川に流されてしまった。イチジクの木に引っかかったところを雌オオカミに助けられ、二人はオオカミに育てられる。二人は協力して仇敵を倒し、鳥占いでロムルスが初代の王となった。しかし兄弟は仲違いし、ロムルスがレムスを殺し絶大な権力を獲得し、新しい都はその名にちなんでローマと言われるようになった。その紀元前753年4月21日はローマ建国の日とされ、キリスト紀元が用いられるまでローマの紀元元年とされていた。現在もローマ市はオオカミとロムルス・レムスの像を市のシンボルとしている。
・先住民で半島中西部トスカナ地方にいたd エトルリア人 の王の支配を受ける。
 = 民族系統は不明であるが、ギリシア文化の影響を受け、前7~6世紀に鉄器を使用していた。

補足: エトルリア文化

エトルリア人は前7~前6世紀ごろ最盛期となり、北イタリアで多彩な文化を発展させている。その特色はギリシア文化の影響を受けたながら、陶器や巨大な墳墓などを残したことである。前534~509年ごろ、タルクィヌスが王としてローマを支配していた。この間、ラテン人も彼らの影響を受けながら、生産力を高め、その社会では貴族と平民の階層分化が進んだ。
 貴族共和政  前6世紀末 a ラテン人 がエトルリア人の王を追放する。
・初期ローマの社会
 貴族 b パトリキ  騎兵として貴族共和政の中心となる。
 平民 c プレブス  中小農民で、d 重装歩兵 として都市防衛に当たる。
・B 貴族共和政 のしくみ
  最高官職:e 執政官(コンスル)  任期一年で2名。貴族から選出される。
  最重要機関:f 元老院   貴族から選ばれた終身議員が議員となる。
  他に、市民が参加するg 民会 (兵士はh 兵員会 )を構成した。
 身分闘争  貴族の政権独占に不満を持つ平民が、平等な権利を求める。
・前5世紀前半 a 護民官  平民から選ばれ、元老院とコンスルの決定に対して拒否権を行使できる。
        b 平民会  民会の一つで、平民だけで構成。決定には元老院の承認が必要。
・前5世紀半ば c 十二表法   慣習法を初めて成文化し、平民にも公開。
  → 平民も法律の適用を受け、市民法によって守られた権利=市民権を持つ市民となる。
 *前445年 カヌレイウス法 貴族と平民の通婚が認められる。

Text p.41

・前367年 d リキニウス・セクステウス法 :護民官であった二人が提案し制定される。
 内容 = e コンスルのうち一人は平民から選出すること。 
      *公有地の独占を一人500ユゲラに制限した。
・背景 f 平民が重装歩兵として、並行して進められたイタリア半島統一戦争で重要な働きをした。 
 共和政の完成 
・前287年 a ホルテンシウス法 
 内容 b 元老院の承認が無くとも平民会の決議を国法となる。 
 意義 c 貴族と平民の政治上の権利が同等となり、ローマ共和政が完成した。 
・ローマ共和政の特徴(ギリシアとの相違点)
 d* 貴族の寡頭制  一部の富裕な平民が出現し、従来の貴族に加わって新しい支配階級を成立させた。
  → e* 新貴族(ノビレス) といわれ、支配権を握るようになる。
 f 元老院の強化  新貴族も加わった元老院議員が、ローマの最高議決機関とされるようになる。
 g 独裁官(ディクタトル)  非常時の最高官職。元老院がコンスルの一名を任命。任期半年。

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用語リストへイ.地中海征服とその影響
■ポイント ローマが地中海世界全域を支配する世界帝国に発展した結果、社会はどのように変化したか。
 半島統一戦争  前4~前3世紀 身分闘争の時期に、中小農民がa 重装歩兵 として従軍。
・前340~前290年 *サムニウム戦争  イタリア半島の中部から東南部を征服。
 前272年 タレントゥム(ギリシア人の植民市)を征服。イタリア半島統一の完成。
・半島全領土にb アッピア街道 などの軍道を建設。「すべての道はローマに通ず」
 分割統治  ローマによるイタリア半島統治の特徴であった。
・a 征服した都市と個別に同盟を結び、権利・義務に差をつけ、団結できないようにした。 
 参考 b* 植民市  市民にはローマ市民権を与え、ローマと対等な自治を認めた。
    c* 自治市  上層市民には市民権を与え、自治権の一部を認めた。
    d* 同盟市  市民権・自治権いずれも認めず、従属させた。

補足:

 はじめはローマに居住するもののみが市民とされていたが、その支配圏を拡大させるにともない、征服した都市の市民にも市民権を与えた。ただし、市民権の範囲の違いによって上記の植民市、自治市、同盟市の違いを設けた。アテネの市民権法ではアテネ居住者以外に市民権を認めなかったのとは異なる。市民権が認められればローマ法の保護を受けることができたが、ローマ居住以外の市民も形の上ではローマの35の区(トリブス)に属するものとされ、直接民主政の原則であるからローマまで行かなければ意見を反映させる機会はなかった。また同盟市の市民には市民権を与えなかったので、紀元前1世紀になると、彼らの中にも市民権を要求する声が強まって同盟市戦争が起こり、結果としてイタリア半島内の全自由民に拡大され、さらに3世紀の初めのカラカラ帝の時に属州も含めた全帝国内の自由民に認められることとなる(万民法)。
 ポエニ戦争  ローマが西地中海進出をはたし、大国化をもたらした重要な戦争。
 a カルタゴ  =b フェニキア人 の植民市。地中海の商業権を抑え中継貿易で繁栄。
・第1次 前264年 c シチリア島 をめぐる対立。ローマが勝利して獲得、最初のd 属州 とする。
・第2次 前216年 カルタゴの将軍 e ハンニバル がf 力ンネーの戦い で大勝。

Text p.42

     前202年 ローマの将軍g スキピオ がh ザマの戦い でカルタゴ軍を破る。
・第3次 前146年 カルタゴ滅亡。
・並行して前214~前148年 i マケドニア戦争 に勝利し、ギリシアの諸ポリスを支配する。
・意義 j 都市国家ローマが、地中海全域を支配する世界帝国に転換した。 

補足:地中海支配の影響

 都市国家から始まったローマが「帝国化」することにともない地中海各地の富がローマに集中し、経済も発展して未曾有の繁栄期を迎えたが、同時に征服戦争の長期化、属州からの奴隷・穀物の流入は中小農民を没落させ、大土地所有制を発展させて共和政の基盤がくずれることとなった。文化的にはギリシアを征服したことによってヘレニズム文化がローマに流入し、ギリシア建築、ギリシア彫刻、ギリシア文学、哲学などの影響のもとでローマ文化が形成されることとなる。
D ローマ社会の変質
・a 中小農民の没落  征服戦争の長期化により農地が荒廃し、中小農民は没落して無産市民となった。
・b 属州の増加  安価な穀物の流入は無産市民の食料となったが、中小農民の没落の一因ともなった。
・c 騎士階級(エクイテス)の台頭  属州のd 徴税請負人 となった騎士階級が富を蓄える。
  (ここでいう騎士とは軍事的意味を失い、元老院議員に次ぐ富裕な層を意味している。)
・d 大土地所有制(ラティフンディア) の拡大。有力な支配層である元老院議員と騎士階級は、没落
 した中小農民の土地を買い集め、征服地の公有地を奪うなどで私有地を獲得し、征服地から送られる
 e 奴隷 を労働力として、大規模な農業経営を行うようになった。
・f 奴隷制の発達  ギリシアに比べて、ローマでは典型的に発達した。
 共和政の動揺 
・2世紀後半からの変化 a 共和政を支えていた、市民の平等を原理とする社会が崩れる。 
 → 貧富の対立の激化 → 有力者が没落した市民を私兵として抱え、勢力を争う。
 b 閥族派 (オプティマテス) 元老院に拠点を置く、保守的な貴族層。
 c 平民派 (ポプラレス) 平民の支持を受けた騎士階級出身の有力者。

補足:二派の対立

 この二派の対立は閥族(門閥)派と平民(民衆)派という名称から、階級的な対立ととらえられがちではあるが、そうではない。いずれも支配者に属する人々の間の政治的な対立であり、経過としては、新興の騎士階級であったマリウスがユグルタ戦争で戦果を上げて台頭し、元老院を無視して権力を振るおうとしたことに対して元老院の権力を守ろうとした保守派が閥族派を結成、マリウスのグループがそれに対抗したので平民派と言われるようになった。その時の政治的な関係から派を変えている例も多い。スラは貧乏貴族でマリウスの副官であったが後に対立し、閥族派の中心人物となる。ポンペイウスはその部下だったので閥族派であるが、後半は平民派を味方にしようとしている。カエサルはマリウスと血縁関係があり平民派に属した。
・没落したd 無産市民(プロレタリア) は、e 「パンと見せ物」 の提供を有力者に要める。

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用語リストへウ.内乱の1世紀
■ポイント 「内乱の1世紀」を経てローマはどのようにして共和政から帝政に移行したのか。
 グラックス兄弟の改革 
・前133~122年 兄ティベリウス、弟ガイウスが相次いでa 護民官 となり、改革に当たる。
 内容 b 大土地所有者の土地を没収し、無産市民に分配しようとした。 
・ねらい c 共和政を支えていた中小農民の没落を防ぐ。 
  → 元老院・保守派の大土地所有者は強く反対。兄は暗殺され、弟は自殺して失敗に終わる。
  → 有力者が、多くの庇護民を支配下におき、権力を巡って暴力で争うようになる。

Text p.43

 内乱の1世紀  前2世紀末~前1世紀末 有力者が互いに軍隊を私兵化して争う。
・平民派のa マリウス  *兵制改革を実施 無産市民を軍人として採用し職業軍人制とする。
  前91~88年 b 同盟市戦争 を鎮圧。同盟市がローマ市民権を求めて反乱。
  → *反乱鎮圧後、イタリア半島の全自由民にローマ市民権が認められる。
・閥族派のc スラ  前82年 独裁官となり、平民派を弾圧。
剣奴

剣闘士奴隷を描いたポンペイの落書き。土井正興著『新版スパルタクスの蜂起』 p.12

 奴隷の反乱  奴隷は、征服地の属州から供給されて増加した。
・前73年 a 剣奴(剣闘士奴隷) のb スパルタクス が反乱。
  → 奴隷反乱がイタリア全土に広がり、一時ローマを脅かす。
  前71年 クラッスス、ポンペイウスらのローマ軍に鎮圧される。
 第1回三頭政治 
・前60~前53年 有力な三人が元老院を無視して同盟する。
 a ポンペイウス :軍人。スパルタクスの反乱などを鎮圧。
 b クラッスス :富豪。パルティアに遠征し戦死。
 c カエサル :平民派の軍人。d ガリア遠征 に成功。
・c カエサル の権力掌握。
  → エジプトに逃れたポンペイウスを倒し、実権を握る。
 カエサルの独裁 
・前46年以降、a 独裁官 に連続して選ばれる。
  → 貧民や退役兵に土地を分配し人気を高める。
 前45年 *元老院からインペラトルの称号を贈られる。ついで終身独裁官となる。
 前44年 元老院派共和派のb ブルートゥス らに暗殺される。

補足: カエサル

カエサル
 カエサルはローマ史でもっとも知られた人物で、残した名言が多い。生まれは前100年(または前102年)、貧乏貴族であったが軍事的才能で台頭し、三頭政治の一角を占め、ガリア遠征で実績を積んだ。ローマに残ったポンペイウスが政権を独占しようとすると、ガリアから急遽戻り、「賽は投げられた」と称してルビコン川を渡り、ローマに迫った。ローマを逃れたポンペイウスはエジプトに向かうがそこで殺されてしまう。彼を追ってエジプトに入ったカエサルはプトレマイオス朝の内紛に巻き込まれたがクレオパトラと結び、結婚する。ローマに戻る途中、小アジアを平定、そのときの報告が有名な「来た、見た、勝った」だった。ローマに戻ったカエサルは終身独裁官に任命され、最終的には皇帝の地位を狙ったが、共和派のブルータスなどによって暗殺され、果たさなかった。最後の一言が、「ブルータスお前もか!」だったという。
 第2回 三頭政治 
・前43年 部将のa アントニウス とb レピドゥス 、養子のc オクタウィアヌス が同盟。
  → アントニウスはエジプトに逃れ、d プトレマイオス朝 の女王e クレオバトラ と結ぶ。
・前31年 f アクティウムの海戦  オクタウィアヌスがアントニウスとエジプトの連合軍を破る。
  → プトレマイオス朝が滅亡。エジプトがローマの属州となる。

Text p.44

 意義 =h 「内乱の1世紀」を終わらせ、ローマの支配が地中海全域に及んだ。 

 

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