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BY 鈴木小太郎

「心清き者がもつ無慈悲さ」

2017-03-07 | 山口昌男再読
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2017年 3月 7日(火)13時31分14秒

前回投稿で引用した部分の次に、

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 モーツァルトが入会して間もない頃、オーストリアのフリーメイソンにはヨーゼフ二世の熱烈な支持者が多く、その分、皇帝も彼らを手厚い保護のもとに置いた。彼は一七八〇年に単独の統治者となると、敬虔な母親が共同統治者であった時代よりも、もっと自由に、急速に改革を推し進めた。【中略】フリーメイソンの中でも合理主義の信奉者たちは、これらの政策を賞賛した。彼らにとってはヨーゼフ二世は理想的な君主であり、徳の高い独裁者であった。
 しかしながら、これらの賞賛はことごとく幻滅に変わってしまう。ヨーゼフはあまりに性急に容赦なしに上からの改革を押し付け、個人の感情や私的な財産にはほとんど配慮しなかった。彼は柔軟性のない、妥協を許さない人物で、アメリカの歴史学者リチャード・ホフスタッターがかつて言ったように「心清き者がもつ無慈悲さ」を実践したのである。
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とありますが(p91以下)、ピーター・ゲイが想定する読者にとっては常識と思われたのか、ホフスタッターの発言の出典は明示されていません。
一応、『改革の時代─農民神話からニューディールへ』(斎藤真他訳、みすず書房、1967)『アメリカの反知性主義』(田村哲夫訳、みすず書房、2003)を入手してパラパラ眺めてみたのですが、直ぐには見つからず、どうしたものかなと思っています。
ま、「心清き者がもつ無慈悲さ」はよくある現象ですが、ホフスタッターがどんな人を念頭に置いて発言しているのかにちょっと興味があります。

Richard Hofstadter(1916-70)
https://en.wikipedia.org/wiki/Richard_Hofstadter

>筆綾丸さん
ご引用の後半はアルフレート・シュッツですね。
アルフレート・シュッツについてはこの掲示板でも石川健治氏の「コスモス─京城学派公法学の光芒」の関係で少し言及したことがありますが、そのときは現象学的社会学者としてのシュッツでした。
山口昌男の引用を読む限りでも、音楽に関する造詣は大変なものですね。

『アルフレート・シュッツのウィーン』
http://6925.teacup.com/kabura/bbs/7925

※筆綾丸さんの下記投稿へのレスです。
Walled Off と Waldorf
http://6925.teacup.com/kabura/bbs/8796
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