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2014年10月25日 | 保険
<御嶽山噴火>1カ月 教訓どう生かす 識者5人に聞く

2014年10月25日(土)15:45  (毎日新聞)

 戦後最悪の火山災害となった御嶽山(おんたけさん)(長野・岐阜県境、3067メートル)の噴火発生から、27日で1カ月。登山者に突如襲いかかった惨禍は、自然の脅威を改めて実感させた。我々は痛ましい犠牲から何を学ぶべきなのか。それぞれの立場で火山に関わる5人に聞いた。【聞き手・一條優太、斎川瞳、堀智行】

 ◇「予兆ありき」、認識を改めなければ

 山田正美・那須岳火山防災協議会会長(61)=栃木県那須町副町長=の話 火山のある自治体の職員として御嶽山の噴火は衝撃だった。那須岳も「監視・観測体制の充実が必要な火山」に選定された47火山の一つ。町としてできることは対応しなければならない。私と那須塩原市副市長、県危機管理監で構成する那須岳火山防災協議会の会合を9日に臨時開催し、早急に対策を検討していくことを確認した。

 これまでは噴火の予兆ありきで考えていた面があった。ある程度の時間的余裕があり、登山客は入山規制で対応できると認識し、山荘など観光業関係者の避難に軸足を置いていた。しかし、御嶽山ははっきりとした予兆がなかった。認識を改めなければならない。

 対策の一つとして避難小屋の整備が考えられる。御嶽山では山荘などの損傷も目立ち、より頑丈にすることが必要かもしれない。町単独では実施できないので国と協議したい。

 ◇「安全と観光」のバランス、悩ましく

 相原八男・宮城県蔵王町観光協会会長(74)の話 御嶽山噴火以来、観光客の危機感の高まりを実感している。蔵王山(宮城、山形県)は当分噴火はないと言われていたが、9日に火山性微動や火口湖「御釜(おかま)」の白濁が観測されたと発表された途端、旅館のキャンセルが出始めた。紅葉シーズンで一番のかき入れ時だが、突然噴火した御嶽山を見ると、観光客に安全を強調しすぎる怖さも感じている。

 蔵王山も多くの登山者や観光客が訪れる。噴火の危険性を伝えれば客足が遠のきかねず、経済効果を考えるとあまり広報したくない気持ちもある。どうバランスをとるか悩ましい。蔵王山は宮城、山形両県から頂上まで車で登れる。山頂に約200台分の駐車場があるが、避難小屋は数カ所だけ。噴火時、どうやって人数を把握し避難させるか考えなければならない。不幸な出来事が起こらないよう祈るしかない。

 ◇危機意識の風化は否めず

 太田一也・元九州大島原地震火山観測所長(79)=同大名誉教授=の話 長崎県雲仙・普賢岳災害(1991年)では長年の火山観測の経験に照らし、ぎりぎりまで考えて周辺自治体の首長に避難勧告を助言した。首長も勇気のいる重い決断をしたと思う。御嶽山のように登山者が多い山では観光業に与える影響も大きいので、入山規制などの判断は極めて難しく、慎重にならざるを得ないのが現実だ。

 ただ、雲仙・普賢岳災害を機に高まった火山への危機意識が23年を経過して風化していたのは否めない。行政の担当者らは気象庁の火山活動情報にもっと緊張感を持ち、きめ細かい監視体制を敷くことが必要。火山を観光地とするならば、避難施設や防災無線を整備しておくことも行政の当然の責任だろう。

 観光業者や山小屋の管理人、周辺住民も火山災害の歴史を学び、危険性を知るべきだ。日ごろの災害教育や危機意識啓発が重要だ。

 ◇積極的な情報提供も重要

 竹内敬一・日本山岳ガイド協会理事(60)=山梨県警北杜署山岳救助隊長=の話 山登りを40年続けているが、火山のものすごいパワーと怖さを改めて感じた。御嶽山は登山者も多いので、避難用シェルターが整備されていてもよかったのではないか。浅間山の外輪山・黒斑(くろふ)山(群馬、長野県)などには、噴火を想定した金属製のドーム型シェルターが設置されている。そうした整備が今後は求められるだろう。

 登山者の多くは火山の危険性を判断する材料を持っていない。御嶽山の場合も、ほとんどの人は火山性地震が起きていたことを知らなかった。登山道入り口に火山情報を伝える掲示板を置くなど積極的な情報提供も重要。

 山はきれいだが、非日常の世界で危険も多い。登山者には目や耳を働かせて山の変化に敏感になってほしい。入山届を出さない登山者も多いが、入山時間やルートが分かり、迅速な救助につながることを知ってほしい。

 ◇「運が悪かった」には違和感ある

 富士山ガイドの天野和明さん(37)の話 御嶽山噴火では、登山者が全く予想できないまま巻き込まれた。私がガイドをしている富士山も噴火の可能性があるとされる。1日数千人が登る夏季に噴火があったらと想像せずにいられなかった。現状では早く逃げる以外すべがないだろう。

 今回の噴火では噴石が体に当たった人が多かったと聞く。被害を少なくする方法としてシェルターの設置が考えられる。食料や水を備蓄すれば、けがやガスなどで一時的に下山できない人が少しの間しのげる可能性が出てくる。あらかじめ、入山者を避難が可能な人数だけに絞っておく方法もあり得るだろう。

 対策で全ての被害を防げるとは思わないが、報道で耳にする「運が悪かった」との言葉には違和感がある。それで片付けては亡くなった方があまりに気の毒。教訓として被害が広がらない方法を考えていくべきだ。

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