明日に架ける虹

家族の大腸がん、自身の卵巣腫瘍などの体験記と日々の日記

はじめに

父と母
生前の父と母の最後の2ショット
◎将来的には3人に1人の確率で癌になると言われていますが我が実家は4分の3の確率でした。
母はすでに旅立ち、父は現在も闘病中、私はサバイバーです。
家族と自分のがん体験記そして 持病の子宮内膜症治療とチョコ膿腫摘出などの記録 その他日々の所感について綴っています。

◎たいした内容はもりこんでありませんが、闘病記など特定のジャンルのみ閲覧希望のかたは、 カテゴリ表示で絞ってご覧下さい。

自宅外出

2010年11月14日 | 大腸がん 父の闘病
ぽかぽかの お天気に 恵まれて
昨日は父を 1日外泊させた

以前から 考えてはいたものの
酸素チューブ 尿道管 点滴チューブ

たくさんの チューブをつけた状態の父を
病院から出すこと自体 大がかりな作業になる

まず 尿道管を外してもらい 在宅用酸素ボンベ&チューブと交換
そして 点滴のポートを一時閉鎖と、外出準備だけでも 1時間近くかかる

本当は とても 自宅に帰れる状態ではないけれど
末期癌という状態なので 患者さんの望みに対しては
出来うる限り 叶えてあげましょう というのが先生の許可理由

「お父様は幸せですよ 病院に入院されている状態の方は

配偶者でも いないかぎり 最後の願いなど 叶うはずもありません

このような状態になると みじめなものです

遠縁しか 身寄りがいなくて 放っておかれるか

子供たちは 皆さんご自分の生活で いっぱいいっぱいで

自立の出来ない患者さんは 病院で看てもらえば 充分

今の世の中 そういう患者さんの方が 悲しい事に 多いです」

とおっしゃった

病院から出て まずは 元気な時いきつけだった 床屋さんに行った
お見舞いにいく度 本人が拒否しているのか 入浴もせず ひげもそらず
白髪もぼさぼさに なっていく父を見て

この瞬間 最期の時を迎えたら 何だか見た目も みじめだなと
ずっと心に 引っかかっていた
本人も 何度か 床屋さんに行きたいと 言っていたので

病院から 直接連れて行き 頼んでみると
「いいですよ」と快諾して下さって、懐かしいわねと奥様も出て来られて
とても具合の悪い父が、必死に床屋さんご夫婦との世間話を楽しんでした。

さすがは プロの床屋さん
お店を出るときは 見違えるように さっぱりとしたが
髭がなくなった分、頬のこけた輪郭が 浮き彫りになって痛々しかった

そうして 自宅へ
「まだ ちゃんと ここに家はあったのか」が第一声だった
先週用意しておいた 干した布団と 洗いざらしのシーツで床の準備をした
弟と一緒に 車から担いで 何とか布団へ誘導

ついて お茶を美味しそうに 飲む 途端 うんち・・・

これが慣れていない自分には とても大変なことだった
赤ちゃん用のおしりふきを買ってしまったので
とても 大人の便には対応できず はめていたゴム手袋は 便だらけになった
おしりふきだと すべりがよくて 範囲を広げてしまうだけだったので
2度目は少し学習して トイレットペーパーでふき取り 次にお尻ふき
最後は 洗面器に熱いお湯をはり タオル2枚で清拭をしてあげた
(都度、名入りタオルを使い捨てに)


病院では 食事も取れず 寝たきりで 座薬をいれないと便も殆ど出ないので
おそらく自宅でも おむつの心配は おしっこだけですよ と言われたにもかかわらず
飲み物を飲めば うんち お昼に 食べたいといっていた 鉄火巻きを食べては うんち

病院→床屋→自宅 こんな少しだけの運動に あれだけ何度も うんちをするという事は
人間 寝たきりになると 体の機能がおそろしく低下するのだなと 改めて実感した

本人は いたって我儘なもので 交換の最中に
「早く片づけてくれないと 部屋が臭くてたまらない」との事
(なぐってやろうか・・・)

さらに気付いたのは 弟は だた体を支えていただけ
大人のおむつ交換は ひとりでは 難しいと思う
その上 男の人は やりかたも分からず ただ手をこまねいているだけである

それに気付いた時に 息子2人の私は
「どうか自分の時は 寝たきりになる前に 楽に逝かせて下さい」と
神様に願わずにいられなかった

これが ひとり暮らしで 身寄りもいなければ
一体 どういう事になってしまうのだろう。。。
人間死ぬ時は 皆 ひとりきり だけれど
突然死でもない限り 最期までの時間を過ごさなければならない

やはり 終末期の人間を目の当たりにすると
普段なら思ってもみない事を 考えさせられる

昔から 家族をたくさん犠牲にして 好き勝手な事ばかりやってきた父
私と同じ年齢の頃は、働き盛り遊び盛りの最中で、夜遊びをたくさんしていた父

そして、今は病気という事実を受け止める強さがなくて
せん妄で90%は自分だけの世界に入り、訳の分からない言動を繰り返す父

父の場合 今まで やりたい放題の人生を送ってきて 看とる人もいる
そういう意味では まあまあ 幸せだったんじゃないかなとも 思う

そんな父に なぜやさしくするのか と聞かれれば 即答できない
説明のできない 親子の情??? 人間としての最低限の優しさ?

病院に戻った父は 満足そうに敬礼をして
「今日はたくさんの事をしたから 薬を飲んで 寝ます」と 早々眠りについた


こちらはといえば、たった1日の介護で ほとほと疲れてしまった
おむつ交換1つとっても こんなに 臭くて 大変で 気が滅入るものとは

自宅に戻って一番にしたことは 入浴である

失礼な話ではあるが 汚物の匂いが 鼻をついて離れない
何だか自分の全身に 身についてしまったような 錯覚に見舞われた

日々、自宅で介護を続ける方は 心から頭が下がる
「尊敬」などという一言では 簡単にはすまない
自分には 毎日は とても出来ない事だと痛感する

逆に言えば、日々自宅介護をしてもらえる人は
とても幸せな人だと思う

人間の弱さ 汚さ 優しさ 繋がり
介護というのは 色々な事を教えてくれる
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人間の尊厳

2010年11月11日 | 大腸がん 父の闘病
入院からひと月。殆ど食事も取れない父。

病院に行く度、我儘や文句を言っていたが、最近はそんな元気もなく、
「とにかく、寝かせてくれ」と眠ってばかりいる。

起きると、ものすごい痰がからんで苦しそう。

家族の中で一番好き勝手に生きてきた父ではあるが、
そうは言っても、だた、生きているだけという状態は、
とても可哀想でならない。

たった一人の生きている親だから、色々な思いはあっても
1日でも長く生きていてほしいとは思うが。

もしも、自分があの状態だったら、同様に生きたいと願うのだろうか?

ただ、痛みを抑えて、日々寝ているだけの生活を・・・。

それは、誰にも分からない。本人にしか。
癌終末期の人をみていると、生きる事について、色々考えさせられる。
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週末外泊

2010年10月29日 | 大腸がん 父の闘病
病院の天井を見るのはもう嫌だ
家に帰してくれ、家に帰してくれと
せん妄状態でもくりかえし訴える父の言葉は本心だろうと思う。

週末だけでも家に帰してあげたいと思ってはみたものの
介護用ベッドその他の設備を今から手配するには、時間がかかって
もしかしたら、間に合わなくなってしまうかも知れない。
第一そんな事だけで、週末外泊させる事が出来るのかも分からない。

それでも、病院の生活は父から生きる気力を失わせているようで
食欲もなく目にも生気がなくなって来た。

あとどの位時間があるか分からないけれど
週末外泊出来るように考えてあげようか・・・。
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謙虚

2010年10月24日 | 大腸がん 父の闘病
せん妄の治らない父。
病院に行ったら、いきなり「何をやってるんだっ!!」と怒鳴りつける。
(要するに私が今週2回しか病院に行かないから気に食わないらしい)
今週は、夜中に何度か私に電話をするので、携帯電話をよこせと威張ったらしい。
確かに、こんな病気で、病院のベッドで過ごすのは、どんなに辛い事かと思う。

それでも、こんな時、父が仕事を言い訳に母の病院に殆ど言ってなかった日々を思い出してしまう。
どんなにか、配偶者である父に来て欲しかっただろう。それでも、愚痴もこぼさず、黙って耐えていた母。
それが、今度は自分の番になった途端、耐えられなくて、私を呼びつけては怒ってばかりいられると溜まったものではない。

「ちょっと歩けなかっただけなのに、お前に騙されて病院に入れられた。」などといっている。
(現実は、酸素なし、痰の吸引なし、おむつなしでは、行動が出来ない)

どうか、最後まで、少しでも可愛そうだと思わせて下さい。
モラは最後までモラだと、思わせないで下さい。
これから、あなたが滞納した、介護保険の後始末についても市役所と話さなければいけない私の気持ちが少しでも分かりますか?
分かりっこないですよね。あなたは、いつも自分中心で人の事なんか考えない人だから。

病院に行かなければいけない自分と、病院からかえると、強烈な頭痛にみまわれる自分。
また「うつ病」が復活しそうです。

私を病院に行けない状態にしないで下さい。
どうか母の100分の1でいいから、謙虚な人であって下さい。
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またもやせん妄

2010年10月20日 | 大腸がん 父の闘病
10月10日の入院から、39度代の熱がずっと下がらない父。

肝臓の手術の時もそうだったように、高熱⇒せん妄

体の状態も良くなくて、酸素チューブ、尿導管、ポートからの点滴、チューブは自分の首を絞めるロープに見えるらしい。

また、アリがうじゃうじゃ動いているとか、訳のわからない事を、話はじめた。

時々、我に帰っては、「自分がいる場所が夢の中なのか、現実なのか、よく分からなくて、変なものが見えるんだ」と言う。

主治医の先生とも話した結果、どんな治療をしても熱が下がらないので、ポートを抜いてよくなる場合もあるので、抜いてみましようか?

という話になった。

病室に戻って話相手をする。私のむいたみかんを、ひとふさひとふさ、美味しそうにほおばる姿を見ながら心の中で話しかける。

「早く熱が下がるといいね。また、週末もみかんをむいてあげるからね。」
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