悪口と愛語 ことばの大切さを教える(小林正観氏の著作から)
JHS 栃木らしんばん 岩井敏行( ZUE02024@nifty.com )
中学生はちょっとした言葉から人間関係を崩してしまうことがある。本授業は、小林正観氏の著作から、言葉の持つ良い面と怖い面に言及している部分を引用し、どんな言葉を使うと温かな人間関係を築けるのか、考えさせる道徳授業である。 |
指示1 言われてうれしい言葉をできるだけたくさん書きなさい。 |
(列指名)ありがとう すごいね おめでとう がんばれ すてき ・・・
指示2 言われていやな言葉をできるだけたくさん書きなさい。
(列指名)ウザイ 死ね きもい くさい ばか ・・・
指示3 今までに、このような言葉(悪口)を言ったことがない人、手を挙げます。 |
(挙手)誰も手を挙げない。
指示4 悪口は、言わない方がいいと思う人、手を挙げます。 |
(挙手)全員が手を挙げる。
そうですよね。悪口は言わない方がいいと分かっている。でもつい言ってしまうんですよね。悪口を言われる人がその場にいない場合は、陰口と呼ばれます。私たちは時々悪口、陰口で盛り上がることがあります。ちょっとスッキリしたような感じになります。だから、頭で分かっていてもやめられないのかもしれません。では、悪口、陰口は好きなだけ言っていてもいいのでしょうか? |
(資料配布) 黙読させる。 ※悪口 『こころの遊歩道』(小林正観 弘園社)より
説明 誰かの悪口を言うたびに、自分のことを「そこにいない人を攻撃する人」と周りの人たちに宣伝してしまうんですね。周囲の人たちはどんどん離れていきます。悪口は、孤独という花の種をまく行動だということを覚えておいてください。 |
つぎにあるお坊さんに登場してもらいます。みんなが知っているお坊さんには、一休さんがいます。一休さんと同じくとっても有名なお坊さんです。良寛さんといいます。 |
発問1 良寛さんは貧しいお坊さんでした。だから、村人たちに与えられるものがありません。そんな良寛さんが心がけていたことは何だと思いますか。 |
(指名なし発表)村人の仕事を手伝う ただでお経を詠んであげる ・・・
説明 良寛さんの言葉を紹介します。~自分は貧しい一人の修行僧なので、人にあたえるもの、あげるものが何もない。だからせめてこころを温かくするような、こころを安らげるような”言葉”をあげたい。それならいくらでもあげることができるから~ このような思想を「愛語」の思想といいます。 |
(資料配布) 黙読させる。 ※愛語 『こころの宝島』(小林正観 弘園社)より
発問2 私たちは言葉をどんな時に使いますか。できるだけたくさん書きなさい。 |
(指名なし発表)あいさつするとき おしゃべりするとき 手紙を書くとき 電話するとき
習字の時間 メールを打つとき 作文を書くとき ・・・
指示5 私たちは言葉を使って生活をしています。悪口いっぱいの人生、愛語にあふれた人生、どちらがいいですか?授業を受けて、感じたこと、思ったこと、気をつけたいことなどを書きなさい。 |
(指名なし発表)
○生徒の感想
○つい悪口を言ったりしてしまうかもしれないが、悪口の何倍もの愛語を言えるよう心がけたいと思いました。 ○これからは悪口を言わないようにしたい。今まで悪口をいっぱい言ってきた私が言えることじゃないけどやっぱり悪口は人を傷つけるものだと思う。かげで言っていても、そのうちその人に伝わって友情関係がめちゃめちゃになるから、もう言わないように心がけたい。 ○僕は悪口を何回も言ったことがあります。悪口はいけないと思っていてもつい言ってしまいました。これからは、自分が言った言葉で相手がどう思うか考えて、悪口を言わないようにしたいです。 ○改めて、「悪口」の怖さを知りました。それと、人の心を温かくしたりやわらげたりすることができる「愛語」も知りました。これからはなるべく悪口を使わないようにしたいと思います。 ○悪口を言うと、友達がいなくなって、とても辛い思いをするのだなと思いました。これからは悪口を減らし、愛語を使って、いろんな人とふれあっていこうと思いました。言葉の重要さに気づきました。 ○今までは人の悪口をいっぱい言ってたけど、良寛さんを見習って、「温かい言葉」「優しい言葉」「思いやりに満ちた言葉」を大切にしたいです。 ○悪口は無意識のうちに言ってしまったり、ふざけてつい言ってしまったりして、人を傷つけてしまう一番簡単であり、一番怖いものなので注意したいと思いました。 ○今までは、ふつうに悪口を言っていたけど、今日の道徳をやって悪口は絶対に言ってはいけないものなんだなぁと思った。これからはこころを温かくするような言葉を使っていきたいと思った。 ○私にとって悪口とは、ストレスを発散することで、でも友達が遠ざかって行くって思ったことはありませんでした。友達も一緒になって悪口を言うからです。でもそれは自分だけをスッキリさせるだけだなって今日の授業で思いました。自分も相手もプラスになるのなら、悪口よりも愛語のほうが全然いいなって思いました。 |
※授業で引用した小林正観氏の著作は、弘園舎から直接お求めになれます。
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