備忘録

舞台の感想を書いています。(ネタばれ有り)Twitterはdacho115。

『エノケソ一代記』

2016-11-28 00:58:30 | 国内ストプレ
テキトーなあらすじ。

影ナレが入り、通常の諸注意のあと、
『段々、客電が落ちていきます』
と客席を煽り、そのまま、”洒落男”。
エノケンとして、歌い踊る市川氏。
途中、有名な顔マネも披露。

ある事務所。
香川弁を話す支配人が
『エノケンじゃない、これは詐欺だ』
と怒っていると、田所の妻・希代子が
”ン”ではなく”ソ”と、説明し、座付き作家であり、
顧問弁護士でもある蟇田も、同様の理由から逃げ切る。

そこに、事務員がサインを貰った、と
その色紙を見せるが、勝手に”?”を加え、更に誤魔化す。

そのまま、蟇田は選択肢として、
1.警察に訴える、
2.エノケソとして偽物の公演、
3.エノケンとして誤解したまま公演、
の3択を迫る。

そのまま、『何故、偽物と気づいたのか?』
と聞くと、エノケンの息子が亡くなったのに、
こんな田舎に居るのはオカシいと答える支配人。

その話は田所の耳にも入り、
エノケンと同じ苦しみを味わうため、
息子の様に可愛がる劇団員の熊吉をクビにする。
(実際には、次の公演地へ先に行かす)

と、まずは状況説明な一場。

エノケンとして、”ラブ草紙”with希代子

二場。
ある小学校の教室。

そこには一人の女性・紅が、田所を待っていた。
熊吉が理由を聞くが話さず、蟇田に促されて、
ようやく、一座に入りたいこと、前回の公演で、
田所に了解を取っている事を話す。

そこに現れる津軽弁を話す教師。
紅は教え子だが、それ以上に何かある二人。

教室に戻ってくる田所。
一応、紅の事を覚えていたが、
オーディションで決めるとジラす。

で、実際に歌い踊るが、それは到底、
人に聞かせられるモノでは無かった。

田所は紅を傷つけたくない、と
希代子に説得を任し、公演の準備に。
そんな大役を受けた希代子が、
紅が田所が偽物だと分かっていて、
それでも、なお、入りたいと言うが、
希代子の説得により、まずは退場。

その際、紅に、
『偽物だけど偽物と決して言うな』
と釘を刺す希代子。

と、希代子紹介な二場。

暗転後、”プカドンドン”を
古川と披露。

三場。
博多のあるスナック。
無事、舞台は開くが、そこに、
たまたま同じタイミングで来ていた、
古川が接待を受けているという状況。

そこに現れる田所。
顔を合わせないようにするが、
直ぐに、田所が偽物だと、ばれる。
が、その一方で、何故か
田所に亀の育成を提案する古川。

すると、蟇田が、そこに居る古川は偽物と言い切る。
実は、古川もロッパではなく、
詐欺師として働いていた”口っぱ”と答える。

そんな訳ありの人たちが集まる中で、
口ッパがそろそろこの家業から足を洗うと告白。

そのまま、『エノケンもそろそろ落ち目だ』
と言う口っぱに、反感する田所。

そこで、初めて観たエノケンの舞台の話する田所。
その物真似をしたことで、同僚に誉められた事。
(普通はそこで、オリジナルの芸に目覚めるけど、
モノマネの道に生きると決めるのか、というツッコミ)

『この商売、悪いのか?』
と逆ギレし、この商売について、議論。

それに対し、口ッパは、『自分の客は偽物と分かって来ている。
しかし、田所の方は、違う。分かっていて騙そうとしている』
と、違いを説明して退場。

完全に口っぱの紹介な三場。

”月光値千金”を歌うエノケン。

四場。
兵庫のストリップ小屋。
公演が終わり希代子が支配人と
ギャラの受け取りをしていると、
蟇田が大変な事になった、とやってくる。

それは、エノケンが、
足を切断したというニュース。

このニュースを聞いた蟇田は、
田所が足を切るのでは?という心配。
そして、そのニュースを聞き、
田所は足を切ると言い出す。

それに喜代子は反対するが、
田所は切ると言って聞かない。
そのまま、医者を捜すが、見つからないので、
支配人の知り合いの町医者を紹介して貰う。

しかし、何処も病院が埋まっており、
最終的に蟇田が切るという段取りに。


五幕。

エノケンが居る新宿コマの応接室。
その応接室で待つ希代子。

田所は、エノケン側からの呼び出し
を受け、裏で身支度を整えている。

そこに現れるエノケン側の弁護士。
エノケンの名前を利用した詐欺師、全員
を呼び出し、田所にその順番が回ってきたのだった。

そのまま、今後、エノケンの
名前を使用した場合、訴える、と言う弁護士。

当の田所は、足を切断し、
その影響から、病に伏せっていた。
しかし、今回、エノケンと
会えると言われて、無理していた。

真実を言えない希代子に、
トイレに行っていた熊吉が
『エノケンに会った』と入ってくる。

その際、エノケンのために、
足を切断した田所の話をした熊吉は、
田所宛のメッセージを受け取り、それを伝える。
(その前にエノケンと気づかず、
トイレの場所を聞いており、
そのメッセージはトイレの道順)

そのまま、ソファーで横になる田所。
そこにエノケンが杖を田所に授ける。
代わりに対応する喜代子。

その杖を見せる希代子だが、
しかし、当の田所は、そのまま還らぬ人に。

最後、皆、で”東京音頭”を歌い、暗転。


田所@猿之助
根拠の無い自信家、という
三谷脚本でよく出てくるキャラ。
それを猿之助氏が適度な自信過剰振り。
適度にジコチューなので、
観ていてウザいという事はない。

そもそもエノケン自体を知らないので、
それがどのくらい似ているのかは分からないけど。

ただ、話し方が歌舞伎の人だな、と。
それがちょっと、時代がかっていて、
余計に大衆演劇っぽい雰囲気に。


希代子@吉田
田所の妻、というよりは、
エノケンを演じるエノケソの妻。

舞台で出ずっぱりな役は初。
三谷脚本の常連になりそうだけど、
系統としては、戸田恵子さん系。
しっかりした奥さんという役回りが特に。


蟇田@浅野
胡散臭い経歴を持つ、
座付き作家にして、弁護士。
ただ、田所の足を切断後、海外に逃亡。
一度は戻ってくるが、直ぐに消える。

もう、こういう胡散臭い役をやらせたら、
右に出るモノはいない、という胡散臭さ。
でも、基本はマジメで、座長思いでもある。


柳沢@山中
五場、全部に登場。
しかし、役は五場とも全部違う。
基本は、騙されるキャラだが、
分かっていてノるというパターンも。

最後は弁護士という立場で、
希代子の『親戚はいるか?』という質問に、
ちょっと間があくという演出。
これは、実は全員、親戚というオチか、
それとも、訝しんでいるだけか。

初。
キャラが強いので、
あまりナカの人の印象は無いが、
使い勝手の良い系統(八嶋氏系)かも。


紅@水上
一場のみの登場。
ワカモノ設定なので、
年齢は関係なかったが、
実は、若い人なのかも。

ちょっと、ウザい役だったので、
判別出来ないが、系統としては、
宮地さん系のポジション。


熊吉@春海
唯一の劇団員。
田所を尊敬しているが、
どこか抜けている。

この年代だと、ベテラン勢が
入る事が多いが、脇役が多いこの人。
三谷作品の常連になるのか?


古川@三谷
古川ロッパの偽物。
一場のみに登場。

なんだかんだ言って、
初めて役者として、
三谷氏を舞台で観た。

トーク番組とか聞いていて、
意外と良い声だな、と思ってはいたが、
こんなに通る声だとは思わなかった。
ただ、それ以上に出オチキャラ的雰囲気が。


三谷脚本、久々の新作。
伝記モノなので、時系列で進み、
最後に何かあるかな?と思ったけど、
田所が死んで終了と、特に、オチなし。

その肩すかし感がちょっと残るが、
単にタイトル通りの内容なのかも。
あるいは、演出のほかに、出演もあるので、
そっちに時間を取られた可能性も。

ま、オチを作ろうとしたら、
直ぐには死なず、生き返って、
話を続ける系になると思うので、
たまには、こういうシンプルなオチも有りか?
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