備忘録

舞台の感想を書いています。(ネタばれ有り)Twitterはdacho115。

『鱈々』

2016-10-14 00:28:36 | 国内ストプレ
適当なアラスジ。

薄暗いなか、慎重に箱を重ねる二人の男。
それを片方の男のイラツきで打ち破る。
二人の仕事は幾つかの箱を倉庫に入れ、
そして、幾つかの箱をトラックに積むこと。

それを几帳面にこなすジャーン、
その仕事に飽き飽きしているキーム。
それでも、同じ倉庫でずっと寝起きを共にしていた。

ある日、飲みに行ったキームが泥酔で帰ってくる。
ダーリンという女に開放されながら。
そんなキームを開放するも、
ダーリンから迫られるジャーン。

翌朝。
いつもの様にトラックが荷物を持ってくる。
しかし、今朝は運転手自ら、部屋にやってくる。
目的はキーム。そして、彼を年をくった婿と言う。

実は、運転手はダーリンの父親で、
キームを花札のカモにするために顔を出したのだった。
そんな運転手にも、気にしないジャーン。
キームも箱を出荷する作業をするが、
最後に違う箱を出荷してしまう。

花札に出かけようとするキーム。
それを止めるジャーンだが、
箱をすり替えた事を告白。
それを知って不安になるジャーン。

その夜、花札をするキームと運転手。
しかし、イカサマ師の運転手により、
有り金を巻き上げられる。
それを注意するダーリン。

そんな中、一人部屋の在庫を確かめ、
出荷すべき箱を見つけだすジャーン。

運転手とキーム、
二人が飲みに出かけてしまい、
残されたジャーンとダーリン。
気まずさから箱を開けてしまうダーリン。

中には金属部品が入っていた。
中身を知り、更に、ミスを心配するジャーン。
そんなジャーンに、何故、昨夜は
何もしなかったのか、と責める。

数日後のある夜。
眠れないジャーンとキーム。

間違った箱が出荷されても、
何も起きないが、それが逆に不安になるジャーン。

一方、キームはダーリンが、
ジャーンに迫った事、
それでもダーリンが忘れられず眠れない。

そこでジャーンは、
謝罪の手紙を書き、
運転手から箱の持ち主に
渡るように手配することを思いつく。

そんなジャーンに、
キームは段々と嫌気がさしてくる。

翌朝。
突然、運転手が現れ、キームに
運転手の仕事を勧めてくる。
ダーリンが、妊娠し、父親として、
キームが必要になったからだ。

突然の告白に迷うキーム。
しかし、今の現状に嫌気がさすキームは
倉庫を出て行くことを決意する。

一方、ジャーンは、運転手に
例の謝罪の手紙を渡す。
しかし、運転手は、
そんな手紙を書いても
持ち主には渡らないと目の前で破り捨てる。

キームに別れを告げられ、
一人残されるジャーン。

残されたジャーンは、鱈の頭に話しかけ、
そして変わらない日常を一人生き続ける、暗転。


藤原@ジャーン
途中、声を上げる事も有るが、
基本は静かに、淡々と語る。
そんな静の役はずっと続き、
最後も淡々と終わる。

久々に静の演技。
こう、蜷川演出とは、逆な演出。
むしろ、最近、蜷川演出でしか藤原氏を
観たことなく(三谷演出だと、
無邪気な確信犯イメージ)、
こういう抑えた演技もするんだ、と。


山本@キーム
静のジャーンに対し、
動、というか脳天気過ぎるキーム。

感情の赴くまま、生き、
花札ではカモにされるも、
運転手から身につけた度胸で、
新しい生活に飛び込む。


舞台も映像も縁がなく、
こういうタイプの役者か、と。
特に、可もなく不可もなく、
普通に”あるある”で存在するので、
これは演出の妙かも。


中村@ダーリン
ジャーンとキームで揺れ動く。
って、揺れ動くまでもなく、
キームを選んでいるような。

そんな選択描写は演じず、伝聞のみ。

大変に映像系な発声。
でも、結構、舞台の場数を踏んでいたり。
なので、そんな発声でも、
キャラとして成立してしまう。


木場@運転手
登場時はグラサン。
なので、二人(主にキームを)を
下調べする威圧感のある眼力は分からず。

その後は、グラサンを外し、
花札で見せる勝負師としての顔、
娘の父親としての顔、
そして、ジャーンに見せる、
所詮、自分たちは世間の歯車の一つにしか過ぎない。
詰まるところは、箱の中にあった部品に過ぎない。
と、ジャーンを更に追いつめて、退場。


4人芝居なのに、普段の舞台に比べれば、
少ないセリフ量だし、2ヶ月連続の新作舞台の
影響を鑑みたセリフ量。

それでも、やはり、4人芝居なので、
それなりのセリフ量は有り、それを
淀みなく発していく。


栗山演出。
バックに流れるメロディが、
ジャーンの心境を表す。
最初はピアノ一本。
からのジャジーなベース音楽。
そして、最後にピアノ一本。

段階のある照明。
ただ、箱を運ぶの必要なだけの明るさ、
裸電球のみ、一つしかない明るさ、
扉が開いた状態での日差しの明るさ。
そんな段階を得た照明演出。


脚本が哲学的。
ちょっと、『ゴドー〜』を彷彿。
変わらないルーティン作業を変えることの不安。
そして、例え間違ったしても変わらないという不安。
それに気づいてしまうと、
毎日の作業に意味を見いだせなくなる。

そんな、どう転んでも不安にしかならない状況で、
自分以外の要因によって、無理矢理変わっていく。
結構、理不尽だけど、それすら受け入れる主人公。

これはジャンルは不条理劇なのかも。


終演後、山本氏と中村さんのトークショー。
司会が大変に上手い進行なので、
山本&木場ペアの回がスゴく聞きたい。

なお、だいたいのニュアンスレポ。

司会『公演を8回終えての手応えは?』
山『ともかく緊張する。がー、っと演じる役』
中『多想的な作品』

司会『栗山演出は?』
山『動物的な演技を要求される』
中『ハスッパな女性が、二人の男性で揺れる』

司会『最後、二人は出て行くが、どうなると思うか?』
山『捨てられそう。また、ジャーンの元に戻るかも』
中『母親になることが、一つの希望に』

司会『藤原さんとの共演は?』
山『演技とか、色々話し合って勧める』

司会『今回の芝居で好きなシーンは?』
山『左手をハンカチで縛るシーン。
手を叩いて、抑えるシーン』
中『キームと父親の花札シーンの緊迫さ』

司会『木場さんとはどんな打ち合わせを?』
山『特に話してない(笑)
栗山さんから、ガチンコっぽく、やってくれ』

司会『ここで、藤原さんから二人にメッセージが』

山本宛『稽古場では真面目。自分が知ってる銀座のママが、
山本君を知ってる。夜遊びは控えめに。
頑張ってキームを演じてくれ。』
中村宛『難しい役だけど、栗山さんにくらいつく。
もし、分からないことがあれば相談してね』

山『自分には、勝手に頑張れなのに、
中村さんには一緒に頑張ろうなんだ』

司会『藤原さんの印象は?』
山『お互い競馬好き。また、差し入れをくれたり。』

司会『父親の木場さんとの関係は?』
中『誰よりも早く入り、練習している』

司会『競馬の話なんかせず』
山『毎日、真面目に稽古に取り組んでましたから(笑)』

と、ここで終了の合図。
司会『最後に一言ずつ』
中『色々な面を秘めているので、
リピートしがいのある公演ですので、何度でも是非』
山『毎回、違った顔を見せる舞台。
例えば、手のはたき方やスベってるな、とか。』

司会『別にスベる処ではなく?』
山『ま、そうなんですけど(笑)』

あくまでも、ニュアンスなレポ。
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