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かってに配役 浅田次郎『憑神』

2007-06-22 19:43:30 | 本・コミック・かってに配役
憑 神
浅田 次郎/新潮社
読みましたよ!
映画化で話題になっている浅田次郎先生の『憑神』(つきがみ),先日ようやく手にしてイッキ読みしました。

相変わらずハズレがないですね~。


 婿入り先から追い出され、職を失い、すがった相手は
 神は神でも人に仇なす厄病神。
 時は幕末、動乱の世に、貧乏旗本・彦四郎の選んだ真実の生きる道とは? 



登場人物たちの軽妙なかけあいと
読む者を瞬く間にその時代・その場所に誘う
ディテール細かく考証豊かな状況描写,そして
「救恤(きゅうじゅつ)の采配」「冥加を蒙る」
「袖闇に響く一丁の柝(き)」などなど
今の日本人が忘れてしまっている味わい深い言葉回しで
ぐいぐいと浅田ワールドに引き込まれてしまいます。

それにしてもこの作品を読んで思ったのは,
とにかく出てくる人が皆,人物ができてます。
彦四郎の老いた母やそば屋のオヤジが不遇の状況にある彼を認め
慰めるだけでなく叱咤してくれるのは当然としても
ボンクラな小文吾やグータラな兄まで
彦四郎や読者の目のかわりになって状況をスパッと説明してくれたり
世の中の堕落や矛盾を冷めた目で見抜き,彼の認識を揺さぶるなど
まことに話を進める上で都合がよくできているというか
「オッサンオッサン,勢いで書いてるだろ」と言いたくならないでもないですが
それによって疾走感が生まれて一気に読めると同時に,
誰一人として悪の人間,無意味な人間がいない,
わだかまりの残らない読後感を与えてくれます。
これはつまり,出てくる人物すべてが作者の分身で,読者に伝えたい
メッセージを携え,物語の中に登場してくるということだと解釈しております。
また,本作のように,ストーリーの結末に向けてそれまで出てきた
キャラやエピソードがすべてきれいに収束していく作品は
世の中に存在するものはそれぞれが大切な意味を持っているのだと
感じさせてくれるので喜劇にせよ悲劇にせよあたたかい気持ちにさせてくれます。
特にこの作品では,彦四郎に取り憑く神だけじゃなくて,
彼を取り巻く人々すべてが彼を導く神様のように思えたりもしました。

結末については人それぞれ思うところがあるでしょうね。
かなり高揚感あふれる描写でクライマックスに突入していくのですが
それに入り込める人と一歩引いてしまう人と。
私は,彦四郎の選択そのものよりも,そこに至るまでの過程,
憑神に出遭うまでは日々閉塞した狭い世界で暮らしていたのが
最終的には個人や家レベルどころか日本全体が動き出していく時代の流れまで
理解し感じ取り,その中で時流に乗るのか,これまでの人生を支えてきた
ポリシーやパラダイムを貫くのか。彼は真剣に考え抜き,
自分の選んだやり方で日本の未来に貢献していくのだと決断した
そのことが美しく意味があると感じました。

うちのかみさんはこの作品について「『椿山課長』の時代劇版」と
評したのですが,椿山課長は妻と部下の過ちや息子の苦悩などを
すべて受け止めまさに神のような心で旅立ち,
彦四郎は最終的に時代の礎となるべく命を捨ててあの世の人となっ
という点では共通するものがあるかもしれませんね。

で,既に映画化されて名だたる俳優の皆さんが演じられてはいる
のですが,あくまでこの映画における切り口に沿った配役なわけで
私が原作を読みながらイメージした役者さんとは必ずしも一致しないわけであります。
というわけで,今回も勝手にキャスティング,ずらりと並べさせて頂きます。

ただ,この作品については,次々に登場するキャラクターが
何者かということにも面白さがあるわけで,
各キャラクターについて具体的な説明をしてしまうとネタバレになってしまいます。
それではまだこの作品に触れていない人にとっては
読む・観る楽しみを幾分削いでしまってよろしくない。
※映画の宣伝やHPのあらすじでわかってしまう部分も多々ありますが…。
というわけで,筋書きのキモになる部分は白字伏せにして書かせて頂きます。
  役名かってに配役映画版配役コメント
別所彦四郎堤真一妻夫木聡今の映画界で動員考えりゃ妻夫木君はベストの選択なんですが,江戸時代の数え三十二はもっとオッサンじゃないと。勉学も武道も優秀,生真面目で幕末の世にあって徳川将軍家にひたすら忠誠を尽くすとなったら,私はもうプレコール堤氏しかイメージできませんでしたよ。数字的には岡准とのダブル主演にするとかDr.コトーや野ブタ。パワーたちとの群像劇にするなどの仕掛けが必要なのかもしれませんが,私が持つ原作のイメージ的には堤さんで決まり!
伊勢屋
(貧乏神)
石塚英彦西田敏行『椿山課長の7日間』で余貴美子さんと同期という相当無理のある役を演じても何の違和感もなく観客を引き込んでしまう,今の映画界においてスペードのA的な西田敏行さん。そんな西田局長を使っちゃ面白くなるに決まっているのですが,ここ数年の映画,彼にあまり頼りすぎる作品が目について納得がいかない(『有●天ホテル』とかね)。それじゃあ誰がいいか?腐るほど金を持っている商売人でルックス的にはまぶたや耳たぶにも脂肪を蓄え,ほおや顎が垂れ下がるくらいブックブクの親父…地上の楽園の故・金●成首領とか世界の●田●作名誉会長なんかピッタリなのですがそれではシャレにならないし,若いタレントさんには内山・伊集院・塚地…ボリュームのある方が数多くいらっしゃいますが(特に塚地さんはあと20年歳をとれば有望かと),やはり年輪がほしい。蛭子能収氏もいい線いってるがいかんせん猫背キャラで貧乏くさい。目・鼻・耳・唇のパーツ的には梨本勝さんなんかピッタリなんですが,声的にはもっとダミ声がいい。個人的な知り合いにはぴったりな人がいるのですがそれを書いてもしかたないですし,芦屋雁之助はんとか名古屋章さんだとバッチリなんですが…惜しいなぁ。ここは原作のイメージとは若干ずれますが明るさと体格重視でホンジャマカ石塚氏(45歳)を指名。巨泉さん亜星さんドン小西さんジェームス三木さんなどもいい線なんですけどね。
九頭龍
(疫病神)
武蔵丸親方赤井英和赤井さんという配役および予告編を見て「そりゃない」とw。見る者だれもが横綱か大関かと思う存在感を考えればやっぱ元力士かレスラーか,役者さんなら特殊メイクで体をごつくしてもらわないと。レスラー・格闘系だと武藤敬司氏,角田信朗氏ってところ?う~ん,やっぱり違う。上田馬之助氏,ストロング金剛氏とかなら存在感ありそうだが年齢的に現役当時の体は保っていないだろう。やはり大相撲系の方か。となると…火の竜氏や忍竜(しのぶりゅう)氏でもスケールが足りない。ミスターKONISHIKIは芸達者だけどどう見ても異国人,よってぎりぎり日本人に見える西郷どん顔の武蔵丸親方を指名。彼がお釈迦様に叱られてしょげている姿を見てみたいw
おつや
【死神】
映画版に同意森迫永依
これは初代ちびまる子ちゃんで全く文句はないです。今の『まるまるちびまる子ちゃん』についてはドラマ+バラエティという斬新な構成で面白いといえば面白いのですが「1時間は長いよ」と言いたい(全然関係ないですが)。山田夏海ちゃんみたいなタイプの子でもいいですけどね。
小文吾
えなりかずき佐藤隆太隆太君はちょっとダメな気の弱い男の役もこなせますし妻夫木君とのコンビで考えれば彼でベストマッチだと思うのですが,なにせ小文吾は顔がボラですから。僕は坊主頭のイメージで読んでたんですよね…。まず頭に浮かんだのは猫ひろしなんですが私は彼が大嫌いなので配役したくない。というわけで,大人びてしっかり者のイメージが強いえなり君ですが,彼の小文吾を見てみたい(なんなら弟でもいいですよw)。
甚平(蕎麦屋の親父)加藤武香川照之不遇の彦四郎に対してなにかと親身になり,出世払いのつけで食わせてくれる良き話相手。男として惚れ込んだ彦四郎にすべてを投げ出さんばかりの男意気を見せるが,ここぞというときに笑わせてもくれる軽さはまさに江戸っ子。出世開運の御利益あらたかな向島の三回(みめぐり)稲荷の話を彦四郎に教えたのもこの親父。配役を考えると,やっぱ喋りが江戸っ子でないとね。小沢昭一さんのラジオとかのイメージ。てなわけで同じ東京都出身の加藤さんを指名のココロだっ!!(2人とも今年で喜寿なんですけどね)。
榎本釜次郎谷原章介彦四郎と同じ御徒士の出ながら欧米留学,軍艦奉行ととんとん拍子に出世する。向島の三回稲荷にお参りした御利益のおかげだというが…。彦四郎の資質には一目置いていて,安閑とした家臣たちとは異なり幕府の行く末に危機感を抱いている。
もっとバタ臭くかつシュッとしてキザな感じの人はいないか考えてもみたのですが,「恵まれた立場にいる一見嫌な奴だけど実は思いやりのある男」なんて設定だと,どうしても谷原さんに頼ってしまいますね…。
別所イト
(彦四郎の母)
菅井きん夏木マリ息子兄弟の年齢からいけば50代半ばか後半くらいということになるかと思いますが,原作を読んでイメージしたのは,気丈な印象の夏木さんよりはもっと老いて小さな母親の姿でした。菅井さんといえば仕事人の婿いびりがはまり役でしたが,もっと細やかな母親の情をこの役で表現するというのも乙なものではないでしょうか。
別所左兵衛
(彦四郎の兄)
生瀬勝久佐々木蔵之介まじめな好男子の役もできればくだけた役もこなす佐々木さんはバッチリだと思いますが,とりあえずそれを知らずに読んだ私としてはさらに曲者の生瀬さんで。
別所千代
(彦四郎の兄嫁)
萬田久子鈴木砂羽出戻りの居候である彦四郎と彼をかばう義母イトに辛く当たるが,根は陰険ではない2児の母。とにかくわがままで怠け者の左兵衛に手を焼いている。
井上八重
(彦四郎の元妻)
和久井映見笛木優子些細な不手際を咎められ家を追われた夫を信じて思い続けるも,親や息子や家も大切で為す術がない…。心のやさしい箱入り娘キャラってことで,つい最近までベンザブロックのナビゲーター,映画版『椿山課長』でもマヤ役を好演していた和久井さんはいかがでしょうか。
井上軍兵衛
(彦四郎の元義父)
蟹江敬三才能のある彦四郎を婿養子に迎えたはいいが,嫡男が産まれた途端,奸計に嵌めて彦四郎を離縁,追い出してしまう。
ここ暫くいい父親や上司役が多い長塚京三さんに久々に悪役をやってもらうとか,寺田農さんに龍之介顔で謀りごとを巡らしてもらうとか,いっそ伊東四朗お父さんにご出馬願うか…など考えましたが,わかりやすいところで(と言っちゃ失礼?)蟹江敬三さんにとことん憎々しい役を演じて頂くということで。
勝海舟内藤剛士江口洋介映画版では原作より重要な役どころのようですね。
茶店の親父
(官軍参謀・長州藩士中松与平)
笹野高史その正体は明治維新の参謀ですから本当はもっと若い30~40代の人が妥当なのでしょうが,祟るだの死ぬだのという彦四郎と小文吾の物騒な話を右から左へ受け流して平然と団子を差し出し,彦四郎が進退きわまって平静を失いかけると絶妙のタイミングで声をかけ正気に引き戻す。こういうおじさん役となると“日本最強・万能の軽み”笹野さんに頼ってしまうんだな~。
白龍様
(小文吾の修験者の師匠)
井上竜夫邪神を祓う護摩行に千両もいるという高名な修験者(しかし相当老齢)。となると大滝秀治大御所の出番という気もしますが,ここは関西人のノリで吉本新喜劇の竜じいを指名。ただ竜じいの行だと邪神を調伏するどころか宙吊りのMr.オクレが降りてきそうだなぁ。
喜仙堂品川徹目利きと腕前では誰も口を挟むことができない当代随一の深川の刀研ぎ職人。ここは大河内教授や柳鉄之介先生でおなじみ品川徹さんですね。もしくは秋山仁先生で。


映画『憑神』公式ページ
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