Pro house keeper

アメリカのローカルフードを中心に、世界各国の料理レシピを自宅で気軽につくる料理日誌。

ポーク・トスターダ。

2010-02-11 08:28:08 | 料理
今週も料理修行続いています。
日本でもメキシコ料理のお店はたまに見かけることはありますが、まだメジャーと言うほどではないですね。メキシコ料理といえば、"タコス"とだけでも答えられる人がどれだけいるか。
私も数年前まではそうでした。

もし、ロサンゼルスへ行くことがあれば、お勧めする料理はメキシコ料理です。もともとロサンゼルスはメキシコだったので、今でもメキシコ文化が色濃く残っています。
もちろんメキシコ人もたくさん住んでいるので、本格的なメキシコの食材、雑貨などごく普通にスーパーで超安価に手に入ります。もちろん食事どころも高級レストランから屋台まで多数点在。

ほとんどメキシコ料理というものを知らずにロサンゼルスに来たため、メキシコ料理を目にしたときはかなりびっくりしました。まず、量が多いこと。そして豆や油を多用するのでカロリーがすごいこと。でも辛味は少ないのでかなり食べやすいこと。

ブリトー(セイボリーなクレープサンドイッチみたいなもの)売る車屋台はランチタイムにはあちこちに出没し、パーティのスナックといえば、トルティーヤチップでポテトチップよりも口にする機会が多かったです。もちろんソースはアボガドのディップ、"ワカモーレ"。

でもメキシコ料理は基本的に時間がかかる料理としての認知度が高く、家庭で一から作るには少々大変な料理でもあります。よって缶や加工品が発達し、カロリーがさらに過剰状態。
ロスで住んでいた近所の御用達スーパーでもメキシコ人の買い物は缶詰が多く、ツナ缶のような小さい缶詰を何十個と買い込む姿が印象的でした。

テレビの料理番組でもよく作り方をやっていたのですが、なかなか作る機会があちらでもありませんでした。日本に帰ってからも生野菜をはさんだトルティーヤサンドを作る程度でなかなか作らない料理でしたが、少し本格的に作ってみることに。

今回のお題は"トスターダ"。トスターダはとうもろこしの粉でつくったトルティーヤを油で揚げたものを意味します。トスターダに野菜や肉をトッピングしてある種のピザ状態で食べます。日本のメキシコ料理店ではサラダの位置づけが多いですが。。。

今回はトッピングの肉に主眼をおいて作りました。具材は"シュレッド・ポーク"。メキシコ料理名"ティンガ"。
シュレッド・ポーク自体でもおかずになる一品で、メキシコ料理だけでなく、スロークッカーを用いて塊肉を煮込んでフォークでわざと崩してほぐして食べるアメリカ料理でもメイン料理としてよく作られる家庭料理です。

まず豚肉を煮込みます。
鍋に角切りの豚肉、4つ切りの玉ねぎ、タイム、塩、水をかぶる程度加えて中火で1時間ほど煮込みます。時間というよりも肉が柔らかくなればいいので圧力鍋でもできそうですね。
ただ今回は玉ねぎとタイムの風味を肉につけるという意味もあるのであえて鍋で煮込んでみました。

肉を煮ている間はハーブの香りがとても良く、メキシコ的でなく、かなり欧風な雰囲気。
途中アクをすくいながら、豚肉が柔らかくなったら取り出して煮汁と分けておきます。

取り出した豚肉をボウル内でフォークでつぶすように引き裂きます。この状態がシュレッド・ポーク。
御用達書ではポテトマッシャーを使ってつぶしていますが、手持ちがないので、フォークで代用。
豚肉は今回は酢豚用の角切りもも肉を使用。御用達書では肩ロース辺りを使っていますが、もも肉でも十分に柔らかくなり、フォークで思ったより簡単にシュレッド状態にできました。

フライパンに玉ねぎのみじん切りと引き裂いた豚肉、オレガノを加えて豚肉に焼き色が付くまで5分程度弱火でじっくり炒めます。
煮込むときはタイムで香り付けし、炒める時はオレガノ。ハーブの使い分けも勉強になりますね。

豚肉を炒めたら、トマトソースを加えます。我が家はトマトソース缶は常備していないので、生のトマト、トマトピュレ、トマトケチャップ、水を加えて代用しました。

さらに月桂樹の葉と豚肉を水煮したときの煮汁を加えて、メキシコ料理で特有のチポトーレチリを辛味で加えますが、手に入らないのでカイエンヌペッパーとチリパウダーで代用しました。多少風味が違いますが、唐辛子つながりでマイルドな辛味をつけました。

煮汁がなくなるまで10分ほど煮込みます。最後に塩で調味して月桂樹の葉を取り出し、ティンガは完成。

次にトスターダを作ります。
小さめのフライパンを中火にかけ、油を薄く張り、170度に予熱します。
フォークでトルティーヤの中央部分を2~3回つついて穴を開けておきます。
パイ生地と同様で生地に穴を開けておかないと、加熱中に空気が生地の間に入ってピタパンのように膨れてきます。

1回に一枚ずつトルティーヤを油の中に入れて、スプーンかフォークで押さえつけて油に浸るようにします。
御用達書ではたっぷりめの油にポテトマッシャーを使ってトルティーヤをドッポリ沈めていますが、少なめの油で揚げ焼きする感じでやってみました。この方が油の吸いも少なく、後処理も簡単。もっと油を減らしてければトルティーヤ表面に油を塗ってオーブンで焼いてもいいようです。
オーブン焼きだと、ぱりぱりになって油で揚げたものとはすこし違う食感になりそうなので、今回は初めてなので揚げ焼きバージョンにしました。

油にドッポリ沈めればひっくり返す必要なないのですが、揚げ焼なので、下側がパリッと焼色が付けばひっくり返して両面をこんがりと揚げ焼きにします。時間は片面で1分程度。高温でサッと仕上げるのがコツです。

紙タオルの上で油を切って、盛り付け皿へのせます。

最後にトッピング。今回はシュレッドポークをメインとしてたっぷりとトスターダにのせ、アボガドの角切り、ヨーグルトチーズ、ロケット菜を散らしました。

ヨーグルトチーズはフェタチーズとサワークリームの代わりに使いました。ただ単にヨーグルトの水気を一晩切ったものです。

本来トスターダ用のトルティーヤはトウモロコシ粉100%で作られたもので作るのですが、近所のスーパーで手に入ったのは小麦粉のトルティーヤだったので、これで代用しました。
コーントルティーヤはかなり風味が強く、味も食感も独特なので、メキシコ料理初心者は小麦粉トルティーヤの方がお勧めです。

ロサンゼルスのスーパーではトルティーヤだけでなく、この揚げた状態のトスターダも袋詰めで売っていました。どうやって食べるのか、どういうものなのかさえ当時は知らなかったのですが、今回よく分かったので今度行ったら買ってみようかな。

味の方は、カリッとしたトスターダーに柔らかで少しピリ辛のシュレッドポークとアボガドがコクを出して、ヨーグルトチーズの酸味が油っぽさを抑えてくれます。かなり美味。
メキシコ料理がちょっと苦手なダンナさんもピザ感覚で食べられるようで、好評でした。

残ったシュレッドポークは残ったトルティーヤにまいて、ラップサンドにしてもいいですね。サラダに混ぜてもいいし、ドライカレー風にご飯にかけてもおいしいかも。

シュレッドポークがスロークッカーを使わず塊肉でなくても、角切り肉で簡単にできるのが今回一番の収穫。この手法を使って姉妹バージョンの"プルド・ポーク"に応用できそうですね。こっちはバーガーにして食べるアメリカ家庭料理の決定版ですが。。。


この日の献立は、ポークトスターダ、ベジフライドカレー、かつおのたたきとグレープフルーツのサラダ、ブラックビーン風スープでした。
スープはブラックビーンの代わりに小豆を使用。豚肉の水煮の煮汁の残りを使ってセイボリーなお汁粉といった感じです。

このトスターダを作ってみたい方はこちらを参考にしてください。↓
Cpicon ポーク・トスターダ。 by PCWP



にほんブログ村 料理ブログへ
にほんブログ村 料理ブログ レシピ本料理へにほんブログ村


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。