週刊なんとか

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Nikon1 J1 レビュー

2012-07-30 23:07:11 | Nikon1


Nikon1 J1を購入してしばらくたち、だいぶ使う機会があったので、
レビューすることにする。
よく言われることだが、このカメラ、使用してみると、
スペックで想像するのと違う印象があるカメラだ。
基本的に論旨をまとめるつもりがないので、読みにくいのは勘弁。

このカメラの魅力は突き詰めると2点。位相差オートフォーカス(AF)と、サイズだ。



まず、位相差AF。コンパクトデジカメとミラーレスに搭載されている
コントラスト式AFは、基本的に動いているものに対してはピントは合わない。
最近かなりがんばってきてはいるが、やっぱり根本的には合わない。
だから、通常コンデジやミラーレスの場合、被写体には止まってもらわないといけない。
「はい撮るよー」、パシャ、というわけだ。
これを知らないで撮ると、人物にピントを合わせたつもりが、
気が付くと隣の柱にピントが合っていた・・というようなことになる。

それに対して位相差AFはどんなときでも基本的に合うので、
被写体に止まってもらう必要が無い。
動いていても、走っていても、しゃべってても笑ってても踊ってても、
いつでもピントを合わせてシャッターが切れる。
ミラーレスで位相差AFを搭載してるのは、Nikon1だけだ。

僕の子供(現在3歳)の写真は今まで、子供が止まった瞬間を
狙って撮っていたのだが、その必要が無くなった。
いつでも撮れる。
いままでコンデジでは頑張って狙って成功写真は2~3枚に一枚だったのが、
Nikon1では気楽に好きに撮ってもほとんど成功写真になった。
これは天国。
良い意味で、遊んでいる片手間に写真を撮ってしまえる。
子供と遊びながら写真をちょっと撮る身としては、これはすごく重要だ。
(まあ、肝心のピント面が甘かったりするんだけどね)
(ピントが合いにくいのを防ぐ設定は、別エントリーに記載)

設定はカメラ任せにして、フルオートで撮りたい瞬間を撮る。
そういうカメラだと思う。
それをサポートするオート露出やホワイトバランスは非常に賢い。
気持ちよく撮れるので、好きになってしまうカメラだ。
人物(特に子供)やペットを撮る人にとっては、ぜひお勧めしたいカメラ。



次にサイズ
Nikon1のセンサーサイズはミラーレスの中でダントツ一番小さいため、
いろいろ非難の的になっている。
たしかに、Nikon1は絶対的な画質性能だと他のミラーレスに劣る。
高感度性能も正直たいしたことない。
(コンデジよりはずっと上だよ)

しかし、このカメラは上に述べたように、
基本的にAF能力を生かした高速スナップカメラだ。
土俵が違う。じっくり静物を撮りたい人は、
他にもっと綺麗に撮れるカメラはある。
(条件が良いところでは十分綺麗な絵が出る、
という意見もあるかもしれないが、条件が良いところなら
コンデジでも良い絵は出る)

じゃあ、将来的に他社のミラーレスが位相差AFを搭載してきたら、
このカメラって良い事がなくなるのか。

そうでもないと思われる。それが(良い意味での)サイズの話だ。
300mmの望遠ズームレンズが手のひらに乗るサイズなのは、Nikon1だけだ。
しかもダブルズームキットなら1.5万円相当で買える。
これはセンサーサイズが小さいからだ。レンズは光学系だから、
センサーサイズが全体のサイズに直結する。
センサーが2倍の大きさになれば、レンズも2倍の大きさになる。
お値段も倍になる。

Nikonは、一般人が「綺麗」と思える写真が撮れる、
もっとも効率的なサイズをNikon1というカメラにしたのだろう。

10mmを付けて単焦点コンパクトカメラに。
10-30mmの標準ズームで日常使いに。
手のひらサイズの300mm相当のズームレンズを付けてズームも綺麗に。

27mm相当の広角から300mm相当の望遠まで綺麗に撮れるカメラとしては、
Nikon1は最も小さい。
Nikon1は、そのためにレンズ交換式になっている。
写真芸術の表現力を広げるために交換式になっているのではない。
まして、レンズマニアのおもちゃにするために交換式になっているのではない。

だから、新しいレンズが出なくても、良いんだ。
10mm, 10-30mm, 30-110mmの3本があれば、
このカメラの意義は達成できる。

新しいレンズが出ないからって、悲観することはない。
このカメラはレンズマニアのおもちゃじゃなくて、
一般人のためのおもちゃだ。

あなたも買って楽しんでほしいと思う。


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