京の昼寝~♪

なんとなく漠然と日々流されるのではなく、少し立ち止まり、自身の「言の葉」をしたためてみようと・・・そんなMy Blogに

「漁港の肉子ちゃん」/西 加奈子

2012-07-09 00:07:09 | Book

「漁港の肉子ちゃん」/西 加奈子(幻冬舎)

 


 とある東北の漁港の焼肉店「うをがし」で働く肉子ちゃん( 本名は菊子)と、
その娘、キクリン(喜久子)との日々の暮らしぶりと情景。
そして、彼女たちの回りにいる人々との触れ合いと人情話。

表札は「見須子 菊子 喜久子」、姓が見須子(ミスジ)でキクコが二人(笑)
この理由は終盤で泣かせる話に繋がりますが・・・。

「肉子ちゃん」はその言葉から想像が容易いチビデブ体型(笑)
かつて男に貢いではだまされているが、根っから明るい性格の持ち主。
屈託がなく、大らかで、良い意味での図太さやたくましさを持っている。
キクリンは肉子チャンとは似ても似つかぬ美形で、やや大人びた感じ。
誰に対しても遠慮気味で思慮深く自己主張をしない娘。

この母・肉子チャンと娘・キクリンの日々の会話と行動がとても
ユニークで且つ温かく描かれている。
西 加奈子さんの本を読むのは初めてでしたが、
非常に読みやすく、この親娘の話に引き込まれてしまいました。 

都会に住んでいた親娘が、田舎の漁港で決して裕福な暮らしではなく
むしろ貧乏でひっそりと暮らし始める。
一人娘のキクリンを女手ひとつで育てる肉子。
触れ合うのは「うをがし」の面々だけど、キクリンを交えて、
とにかく肉子の会話が楽しい。
電車の中で笑いを堪えるのが大変でした
キクリンはキクリンで女の子によくあるクラスメートたちの
仲間割れに巻き込まれたりしてしまう。

でも、肉子チャンとキクリンの生活風景はまるで漫才のよう(笑)
小さいけど美人で気遣いのできるキクリンと、ノー天気に明るい肉子チャン。
そんな二人を「うをがし」の仲間たちは家族のように接してくれる。

終盤、親娘として似ていないと思っていたけど、
多分肉子チャンの娘ではないと思っていたキクリンと、
そんなことはかけらもないと思っていた肉子チャンが、
ある肉子チャンの入院をキッカケに、キクリンの誕生とその後を、
話し合う機会が訪れた。
やっぱりキクリンは肉子チャンの産んだこではなくて、
肉子チャンの友人の子供だったことを。
その話を聞いてもキクリンは、物心ついたころから知っていたと言い、
肉子ちゃんも、そっか知ってたんだとあっけらかんに笑う。
初めて親と娘が本当の意味で親子になった瞬間だった。

なんか二人の素行や会話が笑えて、且つ、
それぞれのエピソードが心を温かくしてくれた。
二人のその後を読んでみたいと思った。

 

『小説』 ジャンルのランキング
コメント (4)   トラックバック (4)   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 「綾戸智恵コンサート2012」/... | トップ | 『臨場 劇場版』 »
最近の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (こに)
2012-07-09 19:31:20
トラバありがとうございました。
初・西さんが本作とはラッキーでしたね。
たまに外れの作品があるので。
どこまでも他人への思いやりを貫く肉子ちゃん、自然体なんですよね。
自分の母親としたら遠慮したい気もしますが、最高のキャラでした。
(^_^)
自然体~ (cyaz)
2012-07-09 20:22:12
こにさん、TB&コメント、ありがとうございますm(__)m

>初・西さんが本作とはラッキーでしたね。
そうみたいですね(笑)

>どこまでも他人への思いやりを貫く肉子ちゃん、自然体なんですよね。自分の母親としたら遠慮したい気もしますが、最高のキャラでした。
そうですね^^
なんか映画化しても面白そうな作品だと思いました。
Unknown ()
2013-06-08 19:12:29
この作品、とても大好きです。
ユーモアと優しが描かれていて、とても良い気持ちになりました。
キクリンの生い立ちと生活は、決して良いとは言えないのだけど、肉子ちゃんのお陰で薄暗くならない。
この母娘関係が、読んでいて羨ましくも思えてきました。

追記:キクリンの同級生の男の子三人組の苗字、気が付きました??
 山
 風
なんですよね☆(笑)
ユーモラス~ (cyaz)
2013-06-09 06:42:51
恵さん、TB&コメント、ありがとうございますm(__)m

>ユーモアと優しが描かれていて、とても良い気持ちになりました。
そうでしたね^^

>キクリンの生い立ちと生活は、決して良いとは言えないのだけど、肉子ちゃんのお陰で薄暗くならない。
この母娘関係が、読んでいて羨ましくも思えてきました。
こんな関係もありですよね(笑)?

>追記:キクリンの同級生の男の子三人組の苗字、気が付きました?? 山 風なんですよね☆(笑)
おっと、それは気が付きませんでした(汗)



コメントを投稿

Book」カテゴリの最新記事

4 トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。
「漁港の肉子ちゃん」5つ☆ 西加奈子 (ポコアポコヤ)
クリムト風の表紙にソソられて、何の予備知識も無く借りて読んだのだけれど、凄く良かったです・・・。
『漁港の肉子ちゃん』西加奈子 (ふるちんの「頭の中は魑魅魍魎」)
「漁港の肉子ちゃん」西加奈子 幻冬舎 2011年(初出パピルス2011年4月号~8月号) 「円卓」や「地下の鳩」で楽しませてくれた作者。今回は、北陸の漁港の焼き肉屋の店員、あだ名は肉子ちゃん。太っているから。38歳。天真爛漫(?)で明るい。娘は小学生、キクりん。....
西加奈子「漁港の肉子ちゃん」 (読書と映画とガーデニング)
幻冬舎2011年8月 第1刷発行326頁 このところの西さん、ガンガン来てます帯にある「圧倒的な肯定」そのもの素晴しい作品でした 簡単に男に騙される、太っていて、不細工で、ガサツで、でも底抜けに明るく人を否定しないお母さん・菊子=肉子ちゃん大阪~名古屋~東京....
漁港の肉子ちゃん (私的図書室)
西加奈子著『漁港の肉子ちゃん』 『きいろいゾウ』がなかなか回ってこないので他の作品を。 前に読んだ『ふくわらい』もとてもよくって、凄くお気に入りの作家さんになったのですが、 今作『漁港の肉子ちゃん』も私の期待を裏切らなかった。 主人公は「肉子ちゃん」の...