京の昼寝~♪

なんとなく漠然と日々流されるのではなく、少し立ち止まり、自身の「言の葉」をしたためてみようと・・・そんなMy Blogに

『アントキノイノチ』

2011-11-25 | 邦画

 

□作品オフィシャルサイト 「アントキノイノチ
□監督・脚本 瀬々敬久
□脚本 田中幸子
□原作 さだまさし
□キャスト 岡田将生、榮倉奈々、松坂桃李、原田泰造、染谷将太、檀 れい、
      鶴見辰吾、柄本 明、堀部圭亮、吹越 満、津田寛治、宮崎美子

■鑑賞日 11月19日(土)
■劇場 チネチッタ
■cyazの満足度 ★★★☆(5★満点、☆は0.5)

<感想>

 同じ“痛み”を持つ者が、たまたま
遺品整理業という特殊な職業につき、
 心の傷を癒しきれずに、死に行く人たちの遺品を片付けながら、傘ね合わせる自分の過去と、
 見ず知らずの死者の暮らし向きと、残された家族への届かぬ想いを感じていく。
 心の傷は同じ悩みを持つもの同士の、誰かに伝えたいと言う同じ想いが、
 満たされない日々の中で、また亡き人の人生の片鱗に触れることで、
 少しずつ本来の己自身を取りもどしていく。

 『おくりびと』とはまた別の切り口だが、死者を送る立場と、旅立った者の過去を清算する立場。
 微妙に違いはあるものの、残された家族の見えなかった人生の縮図を共に見ることになる。

 杏平(
岡田将生)とゆき(榮倉奈々)
 出会ったときから、同じ糸で繋がれた同様の過去を少しずつ手繰り寄せながら、
 そして、よじれた糸を少しずつに修正しながらも、微妙な距離を保ちながら、
 少しずつそれぞれ本来の姿を取り戻していく。

 「アノトキノイノチ」がゆきに引き継がれ、
 そのイノチがまた違う少女に引き継がれていく。

 結末はあまりにも突然で、かつ
杏平の気持ちの整理もつかないままに、
 ゆきの部屋の遺品整理をしていく過程で、初めてゆきが語らなかった
 ゆきのそれまでの人生を垣間見ることになる。

 人生なんてはかないもの。
 運命は変えられるが、宿命は変えられない。
 誰が決めるイノチの灯火の長さ。
 死は決して無駄ではなく、何かの形で引き継がれていくもの。
 「アントキノイノチ」を何度繰り返し呟いてみても、
 決して「アントニオ猪木」にはならないけれど(笑)、
 今一度、おそらく自分より先に逝く両親のそれまでを
 生きているうちに辿ってみてもよいのではないか、そんな気持ちでいっぱいになった。

 普段、お笑いの
原田泰造も、こういうシリアスな役では存在感のある演技を見せてくれる。
 それは吹越 満や津田寛治も霞むほど・・・。
 そして柄本 明、ワンカットでもその役どころのポイントを外さず付いている。


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