京の昼寝~♪

なんとなく漠然と日々流されるのではなく、少し立ち止まり、自身の「言の葉」をしたためてみようと・・・そんなMy Blogに

『ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日(2D字幕版)』

2013-02-03 | 洋画

 

□作品オフィシャルサイト 「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日
□監督 アン・リー
□脚本 デビッド・マギー
□原作 ヤン・マーテル
□キャス スラージ・シャルマ、イルファン・カーン、アディル・フセイン、レイフ・スポール、
      ジェラール・ドパルデュー、タブー


■鑑賞日 1月27日(日)
■劇場 TOHOシネマズ川崎
■cyazの満足度 ★★★☆(5★満点、☆は0.5)

<感想>

 助かった動物も虎の前では餌になるしかないのか・・・。 それは弱肉強食だから。
 しかも、救命ボートに残されたのは、一人の人間と一頭のベンガルドラ。

 少年パイは、父親が経営する動物園で様々な動物たちと触れ合いながら育つ。
 パイが16歳になった年、両親はカナダへの移住を決め、一家は動物たちを貨物船に
 乗せてインドを経つが、洋上で嵐に遭遇し貨物船が沈没。 必死で救命ボートにしがみ
 ついたパイはただ一命を取りとめるが、そこには体重200kgを超すベンガルドラがいた。

 パイとリチャード・パーカー(ベンガルドラ)との227日間にもおよぶ太平洋上の漂流生活。
 それはパイひとりだけだけでも想像を絶する過酷な生活にも関わらず、
 そこに同伴でトラがいるなんて(笑)

 漂流しながらも、風雨や高波のもまれ、肉体的にも精神的にも精根尽き果てるところだが、
 そこは、生き抜く力というか、パイの生命力というか、救命ボートに積載されてあった非常食や、
 その他の救護に必要な備品を上手に使って加工し、生き延びるための工夫をしていく。
 同船のリチャード・パーカーから、最初の頃は逃げ回っていたが、そこは動物好きのパイ、
 いつの間にかサーカスの猛獣使いよろしく餌付けをしつつ、思うようにコントロール術を体得していく。
 雨水をため、とめどなく広い大海原の豊富な魚たちを釣って食料にしたあたり、
 また航海日誌を書きつつ、生き抜く気力を失わない工夫をしていく姿はまさにサバイバル。
 いやに生き延びるためのリアリティがあるなぁと思っていたのだが、実はサバイバル・
 アドバイザーとして、スティーヴ・キャラハンという人のサポートがあったらしい。 彼は、
 大西洋を救命いかだで漂流した経験をもち、その後「大西洋漂流76日間」という本に書いたそうだ。
 彼曰く、「漂流中はただ寝転んで誰かの助けを待つのはいい考え方ではない。 毎朝起きて、
 舵をとり、運動をして、航海記録をつけ、魚を釣り、修理する。」ことが大事だとか。

 この主人公パイ・パテルを演じるスラージ・シャルマは、オーディションで選ばれ三千人の中から
 選ばれたそうで、インドに住んでいたとはいえ、海を見たこともなければ、
 泳ぐこともできなかったそうだ。
 もちろん、演技をしたこともなかったそうな・・・。
 逆にそういった面が、トラと漂流しているという不安感をうまく表現できたのかも。
 すこがアン・リー監督の狙いでもあったようで、「我々が探していた若者には、人の注意を
 捉えるような純真さがあり、心に訴える内面を見せる能力、それにこの旅を経験するパイに
 必要な身体性が必要だった。 彼はオーディションの演技で感情をあふれさせた。しかも、
 それをほとんど目の力だけで伝えたんだ。 この物語の世界を信じ、そこで息づくことの
 できる彼が生まれながらに持っていた才能は、滅多にない宝物だね。」と賞賛。 

 一方、パイと同船のベンガルドラ(リチャード・パーカー)は、その殆どが高度なCGだという。
 全編を通して海のシーンが多かったが、これも台湾の台中にあるかつて空港だった場所に
 長さ70m、幅30m、深さ4mのタンクを設置して撮影が行われたそうだ。
 ただ、コック役でチョイで出演していた最近映画以外で話題のドパルデューは、
 この映画に必要だったのかなぁ(笑)


 観終わって不思議な満足感というか、達成感というか、不思議な感覚を覚えた
 映画でもあった。
 究極の状態に置かれた人間の、生きることの力強さと智恵と
 尊さを感じずにはいられなかった作品だった。


  そうそう、あとで3Dで観た人が、トラの迫力がハンパないと言っていたので、
  この映画は3Dで観た方が正解だったかなぁとプチ後悔した。 


コメント (16)    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『つやのよる ある愛に関わっ... | トップ | 「島へ免許を取りに行く」/星... »
最新の画像もっと見る

16 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ドパルデュー (sakurai)
2013-02-05 15:17:31
この人の存在こそが大きかったんではないでしょうか。
トラと思わせるようなでかい存在としては、あれだけの出番でも強烈な印象を植え付けさせないといけない。
どっちの話が本当なのかは、見る人の自由だとして、いろいろな違和感を感じたままの収まりの悪い状態です。
もう一回見て、すとんと落としたいと思ってます。
次は3D~ (cyaz)
2013-02-05 17:31:31
sakuraiさん、TB&コメント、ありがとうございますm(__)m

>トラと思わせるようなでかい存在としては、あれだけの出番でも強烈な印象を植え付けさせないといけない。
なるほど、そういう視点もありましたか^^

>どっちの話が本当なのかは、見る人の自由だとして、いろいろな違和感を感じたままの収まりの悪い状態です。もう一回見て、すとんと落としたいと思ってます。
そうすると次は3Dでご覧になるのでしょうか?
こんばんはー☆ (kira)
2013-02-05 21:09:20
これは、鑑賞中より直後より、
時間が経てば経つほど、
どっちの話が真実か?より、今はやはり素直に
自然と闘い生きぬいていくことの過酷さと、ヒトの知恵を感じる作品なのだと思いました。
これは数少ない、3Dオススメ作品となりました~
Unknown (はるみん)
2013-02-05 22:30:19
ドパルデューがコックをやることで、あの船の食堂の場面が重要?なことを思わせるためかなって思いました。
私も出来たらもう一度3Dで見たいです。


後悔~ (cyaz)
2013-02-06 08:37:00
kiraさん、TB&コメント、ありがとうございますm(__)m

鑑賞中より直後より、時間が経てば経つほど、どっちの話が真実か?
確かにそうですよね^^ 余韻を残す映画だと僕も思います!

>今はやはり素直に自然と闘い生きぬいていくことの過酷さと、ヒトの知恵を感じる作品なのだと思いました。
ファンタジーと捉えるもよし、実話だと捉えるのもよし、
観た方の感性でいいのではないかと^^

>これは数少ない、3Dオススメ作品となりました~
うーん、2Dで観たのを後悔します(汗)
同じく~ (cyaz)
2013-02-06 08:38:52
はるみんさん、TB&コメント、ありがとうございますm(__)m

>ドパルデューがコックをやることで、あの船の食堂の場面が重要?なことを思わせるためかなって思いました。
そうですね^^ そう思うとあのシーン自体が締まってみえますね。

>私も出来たらもう一度3Dで見たいです。
同じくです^^
3D吹替版 (iina)
2013-02-13 09:19:31
鳥肌ものなトラの登場でしたから、アニメでない3Dでも疲れずにすみよかったです。それに字幕を読む手間もなく吹替版で正解でした。

トラを調教するなんて、無理のない納得させる筋立てですね。
危機感~ (cyaz)
2013-02-13 12:30:11
iinaさん、コメント、ありがとうございますm(__)m

>鳥肌ものなトラの登場でしたから、アニメでない3Dでも
疲れずにすみよかったです。それに字幕を読む手間もなく吹替版で正解でした。
そうですね^^ これ、あとから他の方の記事を読んでいて、
3Dで観れば良かったと(汗)

>トラを調教するなんて、無理のない納得させる筋立てですね。
きっと本当なら、トラも危機感をもって近づいたのだと思いますが(笑)
同じ立場に置かれてみない事には・・(笑 (メビウス)
2013-02-15 21:22:29
cyazさんこんばんわ♪TB&コメント有難うございました♪

サバイバル風景は経験者を招いて参考にしたリアリティさ&アニマルCGなリチャード・パーカーの迫力も手伝ってか、確かに見応えがありましたねっ。まあマニュアルがあったとはいえパイの器用さと言いますか順応さには驚きもあり、漂流してもあんなにそつなくこなせないよーなんて事も思っちゃいましたが、それでもやはり人間死中に置かれると思わぬ力を発揮するんでしょうかね~?^^;

そうそう、そいえば自分もコレは後からメガネ(3D)で観れば良かったと思っちゃいましたwリチャード・パーカーもそうですが、個人的にはトビウオの群れのシーンとかも凄い臨場感だったんじゃないかな~?と想像してしまいます。
3Dで~ (cyaz)
2013-02-15 22:43:51
メビウスさん、TB&コメント、ありがとうございますm(__)m

>サバイバル風景は経験者を招いて参考にしたリアリティさ&アニマルCGなリチャード・パーカーの迫力も手伝ってか、確かに見応えがありましたねっ。
そうですね^^ 作りごととはいえ、そこは経験者の実体験があってこそ。

>パイの器用さと言いますか順応さには驚きもあり、漂流してもあんなにそつなくこなせないよーなんて事も思っちゃいましたが、それでもやはり人間死中に置かれると思わぬ力を発揮するんでしょうかね~?^^;
生きるためには人間もトラも同じですよね~
言葉の通じない相手と共存して生き抜くこともそれぞれの智恵ですからねぇ。
特に高等動物である人間としては^^

>個人的にはトビウオの群れのシーンとかも凄い臨場感だったんじゃないかな~?と想像してしまいます。
ですよね~
あとあの神秘的な海や池のシーンも^^

コメントを投稿

洋画」カテゴリの最新記事