実験ピストル病院

マルチプルアウトと私が呼んでいる、要はイタイタしい詩を集めたブログです。 それだけです。不定期更新。

トラッドブルー

2007-04-08 | Weblog

樹立する怨恨と
手に入れられない寂しさのはざまに

殺める必要性のない獲物を
無邪気にあしらいながら殺してしまう仔猫のような
曖昧さを抱えている

明日を呪詛する意味を持たない
ヤサシサという名の残酷さ

言葉一つ
唇一つで
きみは僕を生かすことも殺すこともできて

明日を夢見ることも許さないとか
いっそのことそれくらい言ってほしいのに
それでもかけら一つ出て来ないその愛しい唇で

とりあえず生きろなんて
口に穴を開けながら言うな

憎んだこの感情を
舌の上で転がすなんて容易いだろうに

向こう正面敵無し
向かうところ的無し

さしあたっては飴のように扱ってくれていい

おまえの厭世じみた気怠い狂気で


GLUTTONY

2007-02-03 | Weblog

膿を出しきりたい。
腐ってるなら、切り落としたい。

だから云ったじゃないか。

俺はちっとも綺麗じゃない。


それなのに、おまえが拾ったんだ。



だから地獄までついて行ってやるよ。

醜き母親の胎内のような。
子宮 -シェオール-


息づく鼓動をそのうちに破壊してやるさ。
泣いて懇願してもやめてやれないかもね。

節制なく飲み込んでやる。
全てに食らいついてやる。
この欲こそが生きて糧なのだから。
おまえの喉仏に噛みついて
ひきちぎってやる。

おまえが拾ったのだから、
おまえが最後まで俺の面倒を見るんだ。


蝿の王を飼い慣らした罪は重いのだから。


logos

2007-02-03 | Weblog

言葉では なんといおうが簡単さ
ぽんっと背中を押したら
そのまままっさかさまに落ちていきそうな人を
何人か見てきてしまったけれど
手を出してやらなきゃいけないことに
気がついたんだ

でも手を出すだけではいけないことにも
気がついたんだ

言ってやればいいんだ

きみのためだって

それだけで救われる魂があるのなら
安いものだよ


けれど
その言葉は重い
その言葉は思い
その言葉はきみだけのもの
その言葉はきみにだけのもの
その言葉は私があなたに放った
最後の言葉にならなければいい


地上に咲く
最大で最愛の
ロゴスになればいい



LUST

2007-01-25 | Weblog

足底にまとわりつく雪を蹴散らして
雪雲に進む

息さえも凍りつく
子宮 -シェオール-

絶対的な意思を持った「それ」は
私が気に食わなかった

美しさゆえの傲慢さは罪で
その罪についていく私もまた罪だと
烙印を押された子の
嘆き

色欲もまた罪で
子供ながらにその泣き声ひとつで
男を狂わせ殺し合わせて
村をひとつつぶした私も罪

逆巻く風に反旗を翻した男は
純白の羽を切られてもなお
血の涙を流して抗った

「あなたについていきます」
その言葉が罪だというのなら
一生背負っていってもいい

荒れた地に
信じられないほどの白い積雪
眩しい鮮血がただぽつりぽつりと彼方に続き
私はそれを辿っていくだろう

あなたに ついていくために



胸いっぱいの花束をも、きみに。

2007-01-25 | Weblog

それはナイフみたいで
俺を容赦なく傷つける

「そのまま帰ってこなくていい」

その言葉ばかり思い出して
リフレインしてしまってる自分に
もういいかげんうんざりしてる

とぼけた毎日にも
かわらない毎日にも

もういいんかげんうんざりしてる


子供じゃないから
抗ったっていい

おまえだけまだ18歳だなんて
ずるすぎるだろ

男女の踏襲だ なんて
売り言葉に買い言葉もいいとこだろ

世界に二人だけなら
誰にも文句を言われずにすんだのに
反吐がでるよなぁ おい


問いかけても
目の前の墓標は答えないのに
滴り落ちそうな緑だけが風に揺れて騒がしい


そろそろそっちに行くよ

なぁ おい
今度こそ 俺の本当の言葉 聴いてくれるか?


【メモ4】

2007-01-19 | Weblog

半分愛してください
のこりの半分で
だまって海を見ていたいのです

半分愛してください
のこりの半分で
人生を考えてみたいのです


「寺山修司/半分愛して」

ユグドラシル

2007-01-19 | Weblog
10秒間の無音
万華鏡の中にだけ私の世界がある




斜眼にときめく屈折した愛なんだ。

2007-01-19 | Weblog

蔑ろにしてくれるくらいがいい

 にべもないくらいがいい

  もう睥睨くらいでは効かない 

   かじかんだ手はすでに

    もげてしまうくらいでいい

     鋭い眼差しで

      手短に裏切って

       てもち無沙汰ならなお

        にじるように罵倒してくれたっていい

         月明の手前で

          天秤にかけてくれていい

           しんでしまいたいとか言うけれど

            まじりあった

             いいわけにすぎない

              退廃もすべて

               いいわけにすぎない

                けしかけられて

                 泥水の中で

                  そがれていく気持ちだけを糧にするのが

                   レーゾンデートル

                    じ

                     ゃま者は消えていい

                      いじめて

                       見ないで

                        我を忘れさせて

                         泣かせて最後まで

                          いいわけをさせるな


だいせんじがけだらなよさ

2007-01-19 | Weblog

さして問題ではない
よるにまぎれて
なみだをこばすこと
られつされた
だいすきばかりで
けいれんしてしまった気持ちは
がけっぷち
じんせいな
んて
せいかいなんてないもの
いじめてかんでちぎってすてて
だいきらいだけどだいすきなんだ


全てのものを後ろから縦に見つめたい


Sola Song

2007-01-19 | Weblog

果てなく遠い夏の日に
空泣きして
掴むことのできない白雲に
君を想う
かれてしまった涙が
夕立にまぎれて
戻ってきますように



没落した幸福

2007-01-19 | Weblog

色んなこと祈りつつ
おやすみなさい

この掌に君の気持ちを握っていることを
知っているから
全てでないにせよ
知った気にさせていて

規則正しい寝息と
流れる髪にキスをして
おやすみなさい

知らないふりなんてしていたくない
でも
知ったふりもしていたくない
目が合ったら
手を握り合う
そんなスタンスと距離で

私じゃ大きなことできないけれど
できる限りのことをするから したいから

二人で堕ちようなんてわがままは言わない
だけど溺れさせたい

貪欲にふたをして
見えないつもりして
それで
「おやすみなさい。」


生きろ。その気持ちだけで喰っていってやる。

2007-01-18 | Weblog
抱きしめる勇気も余裕も経験もなくて
あのとき
抱きしめてたら
いまここで何かが変わっているかな
とか
そんな大人の打算を今頃やるから
ダメんなる

思春期の空虚は
誰もがもっていて
その空っぽさこそが端境であって
満たされない気持ちこそが至極大切だった

どうでもいいことや拙い戯言が世界の全てで
狭い世界で生きたからこそ
社会に吐き出されたら大人になれる


どうしてるのかな
逢いたいよ

その気持ちだけで喰っていくことが生きるということ
罪ということ


罰を与えて頂戴な



その気持ち、密生して。

2007-01-18 | Weblog

思えばぼくたちは
とおまわりばかりしてきた

多少無理して笑顔を作ることくらい
なんともないように
そんな社会の枠にはまり込むことばかりに
気をとられてきた

愛しく
狂おしく
そんな人ばかりに囲まれて生きてきたせいで
今、目の前に横たわる現実が色あせて
とても面白くないものに見えるよ

砂漠の中の石ころでも
それは宝石にかわるかもしれないという
期待くらいは持たせていて

ずっと大切にポケットにしまい続けるから



みんなしねばいい。

2007-01-18 | Weblog

死んでもいいと思うくらい必死で進みたいのに
ぬるま湯の
ような
海に浸かっている
にくしみと
いじきたなさの
きもちばかりが
ループして
こえが聞こえない
とじた
脳ミソをこじ開けて
ほじくられて
膿があふれ出すくらい
がんばって進みたいのに
だから言ったでしょくらいの
いじらしさで
じらしてくれたらそれが幸せなんだ


踏みつけられる欲望みたいに。

2007-01-17 | Weblog

18歳になったら死のうって思ってたのに
何でどうやって死ぬか考えてもいなかった
死んだ人を見つめては
簡単に死ねると思ってた
それは負のエネルギー
本当に死にたい人には勝てない

18歳を前にいろんな事が動きすぎて
死ぬタイミングのがしたわぁだなんて稚拙な嘆きに
自分を愛していたら
命は大切って言葉より狂暴な真実で教えてくれた事件がたくさん起きて

堕胎や癌や
そこから立ち直ることのほうが死ぬことより立派だってわからせてくれたのに
いざ命って言われたらわらってごまかすなんて思いやりにかけるね

あなたが生きててよかった
私も、ここまで生きてこれてよかった