大正11年生まれ 女の戯言

政治、社会情勢について

 大正生まれの母のコメント集。政治、社会への関心は萬朝報の記者をしていた父親譲りか。

(8)お茶を出すって大事な仕事だと思うよ(1984)

2017-05-12 09:23:49 | 日記
 田中角栄が金脈問題で苦しい立場に立たされていた頃、取り囲んだ記者の一人が鋭い質問をした。田中首相、その記者を指して「あんたのことは覚えておく」。
「脅しだけど、『覚えておく』と言った途端(本人は)忘れているのよ。ああいうのがケンカ殺法。自分も言われたことがあるんでしょうね」


「女は結婚して主婦になると、家に閉じこもりがちになる」とある人がテレビで。
 「家に閉じこもるほどの仕事はしていないよ。いまどきの主婦は」

「ワイセツがなぜ悪い」と大島渚。
「目をごまかすから(悪い)。ワイセツの自由は、自由でも民主主義でもない。戦争だって慰安婦がついて行ったじゃないか」

 難民の受け入れについて
「西部劇を観ていると、撃たれて怪我をした人を、泥だらけのまま家に入れてベッドに寝かせる、なんて画面があるけれど、潔癖な日本人にはなかなかできないんじゃないの。難民を受け入れるということは、道端に倒れている怪我人をそのまま家に入れることでしょ。それができるかどうか」

 カール・ベームが来日して「戦後のドイツは間違った方向へ行ってしまった。生命への尊厳が失われた」と述べた。
「日本人は外国へ行ってそういうことは絶対言わない。そういうことを言える人が本当の愛国者」

 交通事故増加
「『障害者の就職を拡充しなければ』などという一方で、新たな障害を作る物(車)を各メーカー競争して作る。問題を『交通遺児』なんて言葉にすり替えて」

「ヴェートーベンの様な人がかつてこの地上に存在した──そのことだけで十分だ」

「テレビで男の司会の隣にいる女の子。『ハイ、ハイ』言ってりゃ勤まるんだからいい気なもんだよ。昔、永久就職で結婚して、亭主の言うこと何でも『ハイ、ハイ』それと同じ」

 TBSテレビの田畑光永キャスター、日曜日の「報道特集」から新番組「ニュースコープ」へ。「報道特集」では料治直也キャスターを相手にしていたが、ここでは女子アナ。
「『報道特集』の時はもっと自由に喋っていたね。今はニュースを読むだけ。男と女と交互に喋ることになるから、自分の言いたいことを言う余裕がほとんどない──。料治さんとはディスカッションできたけど、女子アナとは決まったやりとりになるだけ」(84年10月)

「女性のお茶汲みはいかん、みたいなこと言うけれど、お茶を出すって大事な仕事だと思うよ。お茶一杯で(毒を入れれば)人を殺すこともできるんだから」

 福岡マラソン
「瀬古さん、また出るのかね。あの人の嫁さんの務めは、ひたすらあの人が走りやすい環境を作ることだって──。あの人、オリンピックで負けたら、嫁さんが欲しいって。嫁さんがいないから負けたみたいなこと言い出して」
「言うタイミング悪いね。猫の子をもらうわけじゃないんだから」
「でも、それに応募する女が300人もいるんだから」
「今度、負けたら、この嫁さんじゃダメだ、別のにしないとダメだなんて」
「言い出しかねないね」

 ラジオで、ある女性社員が、なぜ女の子だけお茶汲みをやらされるのかと不満を述べる。
「だから、私は会社で出されるお茶は絶対飲まない。いやいや出されるお茶なんか誰が飲むか。茶碗にしたって、腹立ち紛れに洗っているからよく洗っていないよ、きっと」

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strong>「国が用意しちゃったものはもう変えられないのね。小さなことでは、飛行場建設や道路建設みても分かるでしょ。どんなに反対しても変えられない。反対することは悪とみなされるから。いまは民主主義を掲げているだけ昔より始末に悪い」 











 

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