大正11年生まれ 女の戯言

政治、社会情勢について

 大正生まれの母のコメント集。政治、社会への関心は萬朝報の記者をしていた父親譲りか。

(4)ひとつのキーワードだけでモノを考えるな(1986-87)

2017-04-17 13:21:12 | 日記
 ───ある人、中曽根康弘氏を評して曰く「あの人は権力を維持するためならどんなことでも言う人だ」。自ら靖国神社を参拝したが、後に中止。韓国支配を擁護した藤尾文部大臣を罷免した。
「中曽根さんは、適者生存、突然変異──進化論の要素をすべて持った人なんだよ」

 ───「金日成死去」のニュースが流れた翌日、健在ぶりを示すため、金日成氏が外国元首を空港で出迎える姿が放映された。歓迎する民衆・・・。
「中国の毛沢東の時と同じ。非常に古くさいね。わざとらしい。他国の人が見て感銘を受けると思って(映像を)流すんだろうけれど実に幼稚。感覚がものすごく古い」。

 ───テレビのニュース。
「昨日まで女子大生だったみたいなアナがよく出るね。甘ったるい声でニュースを読む。隣の男性アナははるか年上のベテラン。お父っつあんと娘だよ。でも、子どもの声で『中曽根首相は』なんて言われてもねえ」

 ───国会中継。閣僚たちの共産党に対する答弁は実に素っ気ない。
「そうすることで、共産党はバカにしていいんだよ、という風潮をつくっている

 ───テレビ番組表。ヤクザ映画はゴールデンタイムに、ディケンズ原作の「二都物語」は深夜に放送する。
「いかに子どもを大事にしていないか、物を考えない。国に口出ししない人間を作りたいんだ」

 ───売上税を強行へ。
「中曽根さん、何を恐れているのか。国民が『ヤダーッ』と言っているのに通そうとするのは(国民の)他に恐いものがあるからなのか。自分を総理大臣にした人たちが一番大事なのか」

 ───中曽根首相の国会答弁。
「棒読みで、昔の小学生が読本を読むような調子。空を仰いでへいちゃらな顔で『売上税を変える意思はありません』。この調子で簡単に嘘もつけるわけだ」

 ───売上税に関して金丸副総理が「国民の批判にも耳を傾けるべきだ」と修正を示唆。これに対し自民党内から批判の声(87年3月17日)。
「金丸さん、病気で入院していて党内のグループから離れていたでしょ。病院にいてモノがよく見えたのよ。そういう人の声は聞かなくちゃ」

 ───売上税は歌舞伎には非課税、バレエには課税。
「政治家は歌舞伎役者とは付合いがあるからね。他にも芸者やスポーツ選手、芸能人・・・」

 ───「夫の自立」とよく言われる・・・。
「自立してるかしてないかというより、いい人間かどうかのほうがはるかに大事。自立していないからといって悪い人とは限らない。世の中、ひとつのキーワードを与えられるとそれを基準にしてしか考えられないらしい」

 ───サミットの写真。レーガンさんは中央、中曽根首相は左端に(87年6月10日)。
「中曽根さん、以前だったら他人をかきわけてもレーガンさんの隣に行ったでしょ。あの頃は国内で人気があったけど、いまはないからそうするだけの元気がない。レーガンさんの方も、アメリカで(対日貿易赤字による)対日報復をやろうという時だから、日本とは距離をおいた方が(国内向けにも)いいんじゃないの」

 ───ビートたけし、写真週刊誌殴り込み事件で判決。
「やるなら一人でやりゃいいじゃないの。なぜ子ども(たけし軍団)を連れて行くのよ。『俺と一緒に行けたら本望だろう』みたいな思い上がりがあるんじゃないの。彼らがついて行くと言っても『これは俺の問題だから』と言って止めるのが本当の親分」









































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