キュヴェ タカ/Cuvee Taka

椿庵酔哲「湘南隠居日記」-散歩・読書・酒、時々釣り-

人生は私のもの

2017-06-19 | Weblog
朝飯を食ってからPCでサーフィンをして遊んでいたら、家人が娘が出展している大磯港の市場へ行くというので車に乗せられた。
娘はスーツケースに本を詰めて出掛けたのだが、娘の露店に着いたら、一仕事終えてちゃっかり隣の店のオバサンの呉座に座蒲団を敷いて座っていてカレーを喰っていた。
朝の内にオジサンたちが本を買っていったようで、こんなもの売れないと思ったら、オジサンの趣味はオジサンにはうけるんだなと詰まらん感心をしていた。
何冊か纏めて買ってくれたオジサンからは、良いセレクションだと云われたそうだが、そんなことはハナから分かっている。

市場の露店を眺めて回ったが、一番人気のリーさんのパンは朝から長蛇の列で賑わったとのことで既に売り切れていた。
大磯駅前に開店する店は未だ内装が出来上がっていないのだろうか。
陶器のいいのがあれば買おうと思って、出掛けに数万円財布に突っ込んできたのだが、残念ながら3軒あった陶器の露店に気に入ったものはなかった。
市場を一回りして娘の露店に帰ったら雨がポツポツと来たので、本降りになると撤収が面倒なので店仕舞いにした。
何しろスーツケース一つの軽装備なので、雨には弱い。
家人と息子が朝飯を喰っておらず、何か喰いたいと五月蝿いので、平塚方面へ車をむけて店を探した。
東海道沿いのエスニックが満員で、花水川沿いの喫茶店に行き、腹ペコの二人は飯を私はフレンチトーストと珈琲をいただいた。
この半年良く家族と外で食べたが、わざわざ出掛けて食べたいような美味いところは近所には無く、しかも高いので横浜時代は食い物に恵まれていたとつくづく感じている。

午後は母と一緒にテレビで野球を観ていたが、スッキリしない試合で観るのをやめて、家の片付けを始めた。

隠居してから中々その気にならなかったが、今回の娘の出展で、要らない本を処分したら、身の回りの不要なものを片付ける気分が高揚してきた。
これがきっかけになり今までの垢を洗い落とす踏ん切りがついたのがありがたい。
3カ月でこんなスッキリした気分になるとは予想もしなかった。

先ずは膨大な本だが、これからの人生に必要なものは、今までの経験と知見で選ぶ本だけでいい、気に染まないものにもう一度目を通すより、気に入った本に目を通すだけでいい。
その判断を養うために今まで膨大な時間を読書に注ぎ込んできたのだから。

本だけでなく好みでないものに取り囲まれて暮らすのはもう真っ平ごめんだ、嫌いなものはみんな棄てちまおう。
好きなものを着て、好きなものを呑み喰いし、好きな音楽を聴き、好きなやつとだけ付き合って暮らしてゆくことにしよう。
先ずは嫌いな衣服をみんな捨て、不要な本も処分すれば、11畳ある書斎が本来の11畳となるだろう。
そして、ゆったりと椅子に凭れ窓から秋葉山を眺め、jazzを聴き、それに飽いたら好みの本を読み、それにも飽いたら昼寝をしよう。
すべての時間と空間は、今私のためだけにあるのだから。

夜、焼売を大量に作ったので、菊正宗を燗して3合ほど呑む。
野菜炒めと、柿の種、落花生も肴にして、マールを2杯飲む。
腰を痛めて伏してから、本格的に飲むのは初めてで完全復活であったが、夜10時に寝て3時に起きたら宿酔い気味であった。
それでも庄野潤三の「散歩道から」を読了する。
著者74歳の時の本だが、前半は家族の半紙が多いが、後半は師と仰いだ井伏鱒二や作家仲間のことが多く、個人的な好みでいえば後半の文章のほうが面白かった。
身内自慢のエッセイと小説はどうも好きになれない。
もう少し客観的に突き放して書いてあればいいのだが、庄野という人は根が優しくて家族思いなのだろう。こういった感じは私にはないので、家族生活をする上ではきっと必要な思いやりで羨ましい限りだが、第三者に発表する文章としてはもう少し何とかしてくれと思う。
庄野の友人の小沼丹にしろ、井伏鱒二を敬愛しているが、この人のユーモアと茫洋とした風情には惹かれるものが多かったのだろう。
井伏鱒二は20年以上前に岩波新書で買った釣りに関しての随筆「川釣り」を読んだのが初めてで、これは10年くらい前に岩波文庫に収められたので強く記憶に残っている。
「駅前旅館」「珍品堂主人」「荻窪風土記」も面白く読んだが、代表作である「黒い雨」などは読んでいない。
10年ほど前に、いっそのこと自選集を買って読んでみようかと思ったこともあるが、果たさなかった。
せっかく庄野、小沼に啓発されたのだからもう少し随筆を読んでみたいと思う。

10時半に一人で大磯方面へ散歩に行く、どことなく腰が痛いものの、もうすっかり普段通りの感覚になっている。
農家で胡瓜とトマトを買う。
ここのトマトは木の上で熟しているので、ほんのりピンクだが抜群に旨い。
ヤオマサの魚売り場の担当者に会ったら、久し振りですね、息子さんや娘さんに話は聞いていましたとのこと、むつの小さいのが安かったので購入。
帰りに杉山のバアサンのところへ寄ったら、「今日は一人なのかよ」と聞かれ「娘も息子もぐずぐずしているから置いて来た」と云って、厚揚げと絹ごしを購入。

畑の中を通るが椋鳥と燕ををよく見かけた。
山は昨日の雨で瑞々しい緑だ。

昼、素麺、トマト、ボロニアソーセージ、焼きパプリカを食べる。

プレミアム・シネマで「帰らざる河」River of No Returnを観る。
ロバート・ミッチャム37歳、マリリン・モンロー28歳の時の映画、マリリン・モンローが頭の悪い金髪女から、この映画で人間らしい役に転じたと云われているが、酒場の歌姫が筏での川下りで、たくましい西部の女を演じている。
最初は色っぽい女だなあと思っていたがモンローだと気が付かなかった。
年齢的にも一番女っぷりがいい時期であったのかもしれない。
それにしてもこの「プレミアム・シネマ」は良い映画を惜しげもなく毎日放映するんでちょっと呆れている。
俺のような映画音痴でも、有難いことに隠居生活なので毎日見ることが出来るので、1年もしたら相当の映画通になるのかもしれない。


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