キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

甲州

2013年12月13日 | Weblog
山梨県の葡萄品種である甲州は、長い間欧州種(ヴィティス・ヴィニフェラ)と教わってきた。
酒類総合研究所が分析したところ、ヴィティス・ヴィニフェラが71.5%、中国の野生種ヴィティス・ダヴィディが残りを占めていることがわかった。
祖母がヴィティス・ダヴィディで、その後もう一度ヴィティス・ヴィニフェラと交配している。

近頃この甲州でフレッシュ&フルーティーなワインが出来、市場に出てきて人気を博している。
昔話をすると若いやつに嫌われるが、まあそんなことは知ったこっちゃ無いから話すのだが、昔は一升瓶に入れられた褐変してちょっと酸っぱい甲州を湯飲みで飲んだものだ。
飲み飽きせず中々いいワインだと思っていたが、今ではそんなワインを出したら吐き出すやつが出るだろう、馬鹿め。

我が社でもタリケなどは白ワインのスペシャリストとして、収穫時から果汁と酸素のコンタクトを嫌って、収穫した葡萄は不飽和ガスの充満しているコンテナに入れられ、密閉式のプレス機へ、この中も不飽和ガスを充填している。
出てきた果汁は外気から遮断されたままタンクへ、そして発酵熟成が行われる。
出来上がったワインは-3℃で貯蔵し、オーダーがあるたびに瓶詰めして出荷する。
貯蔵方法は吟醸酒と同じで、熱によってフルーティーな香りが消失するのを防いでいるわけだ。

私とて懐かしいだけで今飲んだら吐き出すかもしれないが、ちょこっと山間の農家のおじさんを訪ね、縁側で甲州の茶碗酒をやりながら世間話をし、確か漬物を肴にしたような気がするのだが、西の山の端に沈む夕日を眺めたりしたら、その味は生涯忘れられないだろう。
そういうときにフルーティーなワインじゃ落ち行く落日に合わない。
沢庵の尻尾を齧りながら飲むには、やっぱりひねたワインがいいんじゃないか。
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