
プラチェット作品を読んだ後だったので、続けて梨木さんで大丈夫だろうか、頭がすぐに切り替わるかなと少し心配だったんですが、読み始めてみて、違和感をまったく感じませんでした。
皮肉交じりの文章にクスリとしながら、ああ、そうか、考えてみたら梨木さんに魅せられたのは、この英国的なセンスだった、と思い出したのです。
「西の魔女が死んだ」では、英国の古典的な魔女がおばあちゃんだし、「裏庭」では英国と日本が舞台で、「家守綺譚」では、イエイツの世界を髣髴とさせました。
日本人作家であっても、そこに変な気取りやいやらしさを感じさせず、
とても好感を持ったものです。
本書でも、さしはさまれる寓話に、さりげないく「叔母」や「ロック」などという言葉で英国的な気配を漂わせ、私をうれしがらせてくれました。
さて、本題です。
まず、扉を読みました。
ここで思いましたのが、私が子供を生んだ時の同じ病室に入院していた女性の言葉です。
「こんないやな世の中のときに、子供を生んでもいいのかしらって不安はあるのよ」
私は年齢の若いうちに出産をしていましたので、そんなことは考えもしなかったんですが、この言葉に、そうなのかもしれないなぁと思ったことを覚えています。
どんな言葉を返したのかさえ覚えてはいませんが。
そんなことを考えつつ、読み始めたのです。
「からくりからくさ」のコメントに<次は宿命からフリーでいるということについて書いてくるのではないか>と予想を書いていた私ですが、沼の人は、まさにそのものでしたね。
沼からわいてる、まったく違う生態系。
それは、ヒトとはまったく違うものだけれど、違った方法で生きている。
生き延びようとしている。
生き延びようとするとき、何が起こるのか。
そして、ヒトは遺伝子を伝えるためだけに生きているのか。
遺伝子に支配されているのか。
性とは何なのか。
もろもろありましたけど、私はそれなりに考えるところもあるので、
うむ、なるほど、という感覚でした。
生命が抱える孤独というものは、どうあっても切り離すことはできず、
ずっと内包するものなのでしょう。
それが個であるということなのですから。
ぬかどこから始まる物語は、ホラーじみているようで、ファンタジック。
これは、夢なのだなぁと思います。
梨木さんというぬかどこから発生する泡のひとつなのではないかしら。
発酵が十分なされ、熟成されたとき、なにか新しいものができてくるのではないかと思います。
それを予感させる1冊でありました。
検索をしていたら、「本よみうり堂」というHPに珍しい梨木さんのインタビュー記事がありました。
これを読むと、本作品を彼女が特別に感じていることがわかります。
私は、この作品を梨木香歩の新たなる一歩にし、ますます深化してもらいたいと願います。
沼地のある森を抜けて

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皮肉交じりの文章にクスリとしながら、ああ、そうか、考えてみたら梨木さんに魅せられたのは、この英国的なセンスだった、と思い出したのです。
「西の魔女が死んだ」では、英国の古典的な魔女がおばあちゃんだし、「裏庭」では英国と日本が舞台で、「家守綺譚」では、イエイツの世界を髣髴とさせました。
日本人作家であっても、そこに変な気取りやいやらしさを感じさせず、
とても好感を持ったものです。
本書でも、さしはさまれる寓話に、さりげないく「叔母」や「ロック」などという言葉で英国的な気配を漂わせ、私をうれしがらせてくれました。
さて、本題です。
まず、扉を読みました。
ここで思いましたのが、私が子供を生んだ時の同じ病室に入院していた女性の言葉です。
「こんないやな世の中のときに、子供を生んでもいいのかしらって不安はあるのよ」
私は年齢の若いうちに出産をしていましたので、そんなことは考えもしなかったんですが、この言葉に、そうなのかもしれないなぁと思ったことを覚えています。
どんな言葉を返したのかさえ覚えてはいませんが。
そんなことを考えつつ、読み始めたのです。
「からくりからくさ」のコメントに<次は宿命からフリーでいるということについて書いてくるのではないか>と予想を書いていた私ですが、沼の人は、まさにそのものでしたね。
沼からわいてる、まったく違う生態系。
それは、ヒトとはまったく違うものだけれど、違った方法で生きている。
生き延びようとしている。
生き延びようとするとき、何が起こるのか。
そして、ヒトは遺伝子を伝えるためだけに生きているのか。
遺伝子に支配されているのか。
性とは何なのか。
もろもろありましたけど、私はそれなりに考えるところもあるので、
うむ、なるほど、という感覚でした。
生命が抱える孤独というものは、どうあっても切り離すことはできず、
ずっと内包するものなのでしょう。
それが個であるということなのですから。
ぬかどこから始まる物語は、ホラーじみているようで、ファンタジック。
これは、夢なのだなぁと思います。
梨木さんというぬかどこから発生する泡のひとつなのではないかしら。
発酵が十分なされ、熟成されたとき、なにか新しいものができてくるのではないかと思います。
それを予感させる1冊でありました。
検索をしていたら、「本よみうり堂」というHPに珍しい梨木さんのインタビュー記事がありました。
これを読むと、本作品を彼女が特別に感じていることがわかります。
私は、この作品を梨木香歩の新たなる一歩にし、ますます深化してもらいたいと願います。
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うーん。くろにゃんこさんのレビューで、後は何にもいらない感じ。さすが!
産むというはじまりのことに、私はその後の世界を感じて「不安」になった覚えはないのですが、今、「育てる」ということに不安を沢山感じている、そんなことも、ぬか床と沼の人々と、重ねて読んだかも知れない。
ぬか床って、代々伝えるものなんですよね。それもまた「命」をつなげていくことになるんですね。
伝わってゆく何か。世界が終焉を迎えないように伝えていく何かの一片。私たちはみんなそんな存在で、でもそれ以下ではないけれどきっとそこにプラス何かがある、そう想いたいなあ、と考えています。
最近の少子化傾向を考えてみるとこういう不安を抱いているのもひとつの要因かもしれないなぁと思います。
「沼地」は、そういう不安を解消してくれる作品ですよね。
育てることの不安は、ありますよね。
今、自分のしている子育ての結果というのは、ずっと先でしかわからないし、いつ何時何が待ち受けているかわからないですものね。
私の実家にも、もちろんぬか床がありますが、私は世話をする自信がなくて、自分では持っていません。
祖母が存命のころは、実家で自家製の味噌を作っていて、寝かされている酵母菌なるものを子供のころに目にしたことがあります。
独特な匂いやそこからかもし出される暖かさなどから、生きているぞ〜という存在感を感じましたっけ。
石黒達昌「平成3年5月2日,後天性免疫不全症候群にて急逝された明寺伸彦博士,並びに,」では、ハネネズミという永遠性を持ったネズミが出てきます。
沼の人みたいに、私たちとは違う生態をもった動物ですが、生と死、生きるということをどう受け止めるかを考えさせられる内容になっています。
梨木さんのテーマとは微妙にずれるのですが、生命に関した物語ですから、読んでみるのもよいかと思います。
レビューはこちら
「平成3年5月2日,後天性免疫不全症候群にて急逝された明寺伸彦博士,並びに,」
http://blog.goo.ne.jp/curonyanko/e/f6751ca2c38291d32b176cbd27319ee9
「新化」
http://blog.goo.ne.jp/curonyanko/e/0257e8afd044d98dd397f41302c973af
「梨木さんというぬかどこから発生する泡のひとつなのではないかしら」というくろにゃんこさんのイメージすごいです!ぬか床から夢見る泡が発生する様を想像してうっとりとしてしまいました。
ぬか床から生命の神秘に思いを馳せ、しみじみとした思いや、大いなるものに対する恐れ、変化の予感への期待・・色々な感情に襲われた一冊でした。すごい本です。
孤独を内包しているからこその個・・。なるほどです。
梨木さんは、自分の追っているテーマがあって、それを物語として消化しているのだと思います。
男性性や女性性を追及していけば、生物学や遺伝子にたどり着くのはごく自然なことだと思います。
「沼地」のアカデミックな部分は、賛否両論あるようですが、私は新境地に足を踏み入れてくれて、これからがますます期待できるなと思っています。
>ぬか床から夢見る泡が発生する
うっとりしていただいて恐縮です〜〜。
ところで、ペーパークラフトかわいいですねぇ。クーもかわいいけれど、個人的にはアカネがツボでした。性格はアオベエが好きなんですけど♪
4月から会長とのこと。大変だと思いますが、がんばってください!子供たち、たくさん楽しいことがありそうでいいなぁ〜。
ちっちゃいものクラブの亀のお二人も私は好きです。
あと、骨董屋のおばあさん。
いい性格してますよね。
ヒゲの生えている宇宙人のホシノ親子も捨てがたい。
こうしてみると月光町の住人(?)は、面白い人ばかりですね。
励ましのお言葉、ありがとうございます。
自分の子供が6年生なので、下の学年の子供たちの顔がさっぱりわからず、不安のあるのですが、きっと何とかなるでしょう。
前向きなのか、いい加減なのか、楽天家なのか、、、どれも当てはまりそう(笑)