映画鑑賞

昔の名画から最近上映の映画まで、国内外を問わず幅広く楽しんでいます。別世界へ連れて行ってくれる作品が好み(本棚6)。

「HOME~愛しの座敷わらし」

2013-08-21 22:27:16 | TV放映
2012年、日本映画

<スタッフ>
監督:和泉聖治
原作:荻原浩
脚本:金子成人
音楽:池頼広
<キャスト>
水谷豊(高橋晃一)、安田成美(高橋史子)、濱田龍臣(高橋智也)、橋本愛(高橋梓美)、草笛光子(高橋澄代)

~あらすじ~(映画.comより)
直木賞候補にもなった荻原浩の人気小説「愛しの座敷わらし」を、水谷豊の28年ぶり単独主演で映画化。東京から岩手の古民家に引越してきた一家が、不思議な座敷わらしと出会うことで、それぞれが自身を見つめなおし、家族のきずなを再生していく姿を描く。家でも会社でも居場所がない晃一を中心に、それぞれが悩みや不満を抱えている高橋家の5人は、晃一の転勤で岩手県の築100年以上の古民家に引越す。ようやく田舎暮らしにも慣れてきたある日、着物を着た不思議な子どもに出会い……。水谷主演で大ヒットした「相棒」シリーズの和泉聖治監督がメガホンをとる。




ストーリーはそこそこで、ありがちなハッピーエンドではあるものの・・・
古老の「座敷わらしは『間引き』された子どもの化身じゃった」というつぶやきを聞いて涙が止まらなくなりました。
誰を恨むわけではないけれど、「生きたかった」「愛されたかった」という情念が、成仏できずに彷徨っているのですね。

★ 5点満点で4点。

「エディット・ピアフ~愛の賛歌」

2013-08-14 06:45:01 | TV放映
2007年、フランス映画。

監督 オリヴィエ・ダアン
脚本 イザベル・ソベルマン
製作 アラン・ゴールドマン
出演者 マリオン・コティヤール、シルヴィー・テステュー、パスカル・グレゴリー、ジェラール・ドパルデュー
音楽 クリストファー・ガニング、エディット・ピアフ
主題歌 愛の讃歌
撮影 永田鉄男

~あらすじ(Yahoo!映画より)~
 大道芸人の娘に生まれ、売春宿を営む祖母に育てられ、失った視力を奇蹟的に回復させ、街角からデビューした伝説の歌姫エディット・ピアフ。不幸な生い立ちとスキャンダル、「愛の讃歌」はじめ自身の人生を反映させたバラードで庶民に支持され、フランスの国民的歌手になったピアフの人生を描く。
 ロマンス小説ばりにダイナミックなピアフの人生だが、第2次大戦中の反ナチ活動やイブ・モンタンとの恋といった有名エピソードをオリビエ・ダアン監督は大胆に割愛。飛行機事故死で幕を閉じたボクサー、マルセル・セルダンとの純愛を彼女の人生の象徴とし、ピアフの真実を探っていく。新鮮な手法から浮かび上がるのは、愛に傷つき、希望を失いながらも歌への情熱だけは決して失わなかったピアフ像。短い生涯で人一倍の不幸と幸せを体験した彼女にとって歌こそが人生の礎だったのだ。ピアフの歌声とドラマが重なり、感動もひとしお。
 主演のマリオン・コティヤールは、数奇な人生が生んだトラウマゆえに複雑な性格になったピアフを怪演と呼びたくなるほどに熱演。気まぐれで下品で不埒だが、愛さずにいられないマリオンのあだ花ぶりは、それ自体がフランス映画史の伝説になるに違いない。




最近「ピアフの再来」と称されるZAZの魅力にまいっている私です。
荒いけど張りがあって響くあの歌声。
パリジャン達はあの声が大好きと聞きました。
随分前に録画しておいた、その元祖であるエディット・ピアフの映画をこのタイミングで視聴しました。

場面が各年代を行ったり来たりするので、ストーリーに振り回される感がなきにしもあらず。
主演のコティヤールは役を作りすぎて(特に晩年・・・といっても40歳台)私にとっては少々興ざめでした。
でもピアフは理性よりも感情・本能のままに生きた様子が画面からあふれてきました。
またピアフが歌い始めて周囲が沈黙し、その後のあふれんばかりの拍手の演出が十分生きるほど歌唱が充実したことに感心しきり。

 ・・・ん?コティヤールの実力を認めていることになる?

★ 5点満点で3点。
第57回ベルリン国際映画祭出品作品。主演のマリオン・コティヤールは第33回セザール賞主演女優賞と第80回アカデミー賞主演女優賞を受賞。

「旭山動物園物語~ペンギンが空を飛ぶ」

2013-08-14 06:44:32 | TV放映
2009年、日本映画

監督 マキノ雅彦
脚本 與水泰弘
原案 小菅正夫
製作 井上泰一
製作総指揮 角川歴彦

<キャスト>
滝沢 寛治(旭山動物園園長) - 西田敏行
吉田 強(獣医・飼育係) - 中村靖日
小川 真琴(獣医・飼育係) - 前田愛
池内 早苗(動物園管理係) - 堀内敬子
韮崎 啓介(飼育係) - 長門裕之
三谷 照男(飼育係) - 六平直政
砥部 源太(飼育係) - 塩見三省
柳原 清之輔(飼育係) - 岸部一徳
臼井 逸郎(飼育係・絵本作家) - 柄本明
磯貝 三郎(市商工部長) - 笹野高史
三田村 篤哉(市議会議員) - 梶原善
動物愛護団体のリーダー - 吹越満
平賀 鳩子(新市長) - 萬田久子
上杉 甚兵衛(市長) - 平泉成
動物病院獣医師 - 天海祐希

角川書店の紹介文
『行動展示』という革新的な展示方法で一躍話題となり、全国から来場者が途切れることなく訪れる日本最北の動物園『旭山動物園』。1990年代初頭、減少しつづける入園者数のために廃園の危機に追い込まれた園長と飼育担当者たちの苦悩と挑戦・・・人間と動物たちが触れ合いながら繰り広げるこの感動のドラマは多くのメディアで取り上げられてきました。動物たちの未来、動物園のあり方について本気で考える飼育担当の人々の姿に大感銘を受け「絶対に映画化する」と3年間企画を温め続けてきたのが日本を代表する俳優・津川雅彦。
「誰もが涙し、未来について考えることが出来る映画にしたい」
この熱い思いを胸に「寝ずの番」「次郎長三国志」(今秋公開予定)に続き『監督・マキノ雅彦』としてメガホンをとることとなりました。
監督の盟友・西田敏行を始め集まった俳優陣は日本映画界をしょって立つ錚々たる顔ぶれ。




 ふ~ん、「ペンギンが空を飛ぶ」とはこういう演出だったんだ。
 まあ、豪華キャストにハッピーエンドのストーリーなので子どもと一緒に安心してみられる映画、逆に云うとハラハラドキドキ手に汗握る感覚が乏しい映画です。

 西田敏行さんが講演をしている姿を見て「はやぶさ」の映画を思い出しました。
 動物を見せ物にする興行的要素と、野生動物を保護しているという役割と、動物園にはいろんな面があることに気づかされました。

※ 榎本明さん演じる絵本画家になる飼育係は「あらしのよるに」シリーズでブレイクしたあべ弘士さんのことですね。

★ 5点満点で3点。

内村光良一人舞台「東京オリンピック生まれの男」

2013-08-03 12:30:37 | TV放映
番組解説
 コメディアン内村光良が、自身で脚本を執筆し、初のひとり舞台に挑戦。内村と同じ、東京五輪の年(1964年)に生まれたひとりの男の半生を熱演する。
ウッチャンナンチャンとしてテレビ・舞台で活躍の場を広げてきた内村光良が、初めてのひとり舞台に挑戦。
 東京オリンピックの年(1964年)に生まれたひとりの男。内村光良も同じ年生まれだが、演じるのはまったく別の架空の人格。時代を彩ったさまざまな流行歌の流れる中、特異な人生を歩んだ男を熱演する。脚本も「書くほど、演者の自分に負担がのしかかるジレンマと戦いながら」内村が執筆。コメディアン内村光良の新たなチャレンジに注目!



 つまらなかったら見るのを止めて消去しよう・・・と見始めたところ、引き込まれてついつい最後まで見てしまいました。
 ストーリーを簡単に言うと、一人の男の奇想天外の七転び八起き人生。
 私は1963年生まれで主人公(および内村君)と同世代です。場面場面に挿入された当時の出来事やヒット曲はリアルタイムで経験してきたものばかりで親近感が沸きました。
 それから次から次へと繰り広げられるチャレンジはよそ見をさせない吸引力を保っていました。
 冷静に考えると内容はたいしたことないかもしれないけど、観客を引きつけるスキルはたいしたもの。内村君、お笑いから一皮剥けましたね。

※ 長野県塩尻町について
 主人公の出身地は長野県「塩尻」。たまたま読んでいた本にその地名に由来が書いてあったので記しておきます。
 「塩尻は北の糸魚川と南の天竜川渓谷の両方から運ばれてきた塩が、あの場所で交換されたので名付けられた。南北に通る塩の道と東西に通るコメの道とが交錯するところに市ができるのであるが、長野の塩尻もそうしてできた町である。」
(「食べる日本史」樋口清之著、朝日文庫)