“子ども”を取り巻く諸問題

育児・親子・家族・発達障害・・・気になる情報を書き留めました(本棚4)。

「子どもたちのミーティング 〜りんごの木の保育実践から」

2017年07月07日 13時17分34秒 | 子どもの心の問題
子どもたちのミーティング〜りんごの木の保育実践から
柴田愛子、青山誠、共著
りんごの木、2011年発行



内容紹介
第一部:けんかのこと、遊びのこと、友だちに言いたいこと、子どもたち同士で話し合う、りんごの木のミーティング。子どもたちの言葉そのままに実況収録。
第二部:柴田愛子と青山誠の対談。


NHKの育児番組「すくすく子育て」にゲストで出演した柴田愛子さん。
話を聞いていると「この人は子どものことを深く深〜く理解している」と第六感が働きました。
彼女に興味を持ち、本を購入して読んでみました。

いや〜、すばらしい。

りんごの木」という保育所では、保育者ではなく子どもたちが主役のミーティングが開かれているらしい。そこでは、大人が気づかない子どものこころの揺れ動きが共有され、大人では考えつかない視点や発想の意見のオンパレード。
友達とのやり取りの中で一歩ずつだけど確実に成長していく子どもたちの姿に驚かされます。
そして自分の気持ちを言葉にすることにより、自分でも気づかなかった新たな発見があったり、スリリングですね。


<備忘録>

■ 第一部

・動物園の動物と野生の動物は違う。どっちが幸せ?
 野生の動物はエサを自分でとらない限り食べられない。もしかしたらずっと食べられなくて死んじゃうかもしれない。それに、自分が他の動物のエサになって食べられてしまうかもしれない。危険極まりない。でも野生の動物は自由。寝たいときに寝て、行きたいところに行ける。
 動物園の動物は、毎日2回ご飯が食べられる。他の動物に食べられることはない。安全。でも自由じゃない。寝たいときでも人間に起こされて部屋の外に出される。外に痛くても檻の中に入れられる。

 みんなが動物ならどっちを選ぶ?

 動物園という意見が多い。どうしてそう思うのか聞くと「だってたべられないから」「あんぜんんだから」。
 一方の野生派は「じゆうなほうがいい」「どうぶつえんにいるとなにもうまくならない、きのぼりとかさ」。

 大人の意見(動物園勤務歴あり)。 
 わたしは野生の動物の方が幸せだと思う。動物と一緒にいるとね、自分も、人間も、動物なんだってすごく強く感じるの。そうすると、それまで人としての幸せだと思ってきたもの、たとえば「長生きすること」とか「おいしいものを食べる」とかは、あまり大切なことじゃなくて、ただ生きているって事がすごく大切に思えるの。野生の方が「生きる」ってことをしていると思う。「生きる」の周りにに、余分なものがくっついていない気がする。


■ 第二部

・こどもって3歳ぐらいは表情や動きで気持ちや要求などほとんどのものを表している。ところが4歳、5歳になってくると、感情は表情で読み取れるけど、その子の思っていること、考えていることは読み取れない。読み取れないときに言葉を投げかけてみると、言葉になって出てくるということに気がついた。

・幼稚園は集団のルールを守るために通っているのではなく、個人の育ちに集団が必要と認識すべき。ルールを守るか、守らないか、というようなミーティングはしない。本来、ルールというのは人と人との関係の中で生まれてくるもの。

・今の日本では、お金と時間と親の労力もかけて子育てしている。親が子どもの運転手代わりになって塾へ行きお稽古事をいくつも掛け持ち、大半のお金が子どもの教育費に流れて・・・それでいながら、子どもたちの自己肯定感の低さが世界一ってどういうこと?
 これって、子どもが望んでいないことに費やしているから、子どもが育たないのでは。

・ミーティングの思考回路

(感情レベル)困ったことがあった
  ↓
(意識づけ)何に困っているのか
  ↓
(思考)どういう解決方法があるのか
  ↓
(判断)その中で、自分はどれを選択するのか
  ↓
(決断・結論)さらに自分の性格から考えると、どれしか選択できないのか? 自分にできる方法は?


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