「最高のものに接し、一流に学ぶ」(山田光胤先生)
(「漢方医学新聞」創刊号:1996/11/25)
製薬会社のツムラさんから漢方の名医達の腹診の動画DVDをいただいたことがあります。
大塚敬節先生をはじめ、書籍状でしかお目にかかれない大御所の腹診の様子を見ることができる貴重なDVD。
その中で一番わかりやすくしっくりきたのが、この山田光胤先生の診察でした。
<経歴>
●金匱会診療所・所長 医学博士:山田光胤先生(本名 山田照胤)
1924(大正13)年東京生まれ。
幼少期に慢性病に苦しみ、現代医学の病院で見放され、最後に大塚敬節氏によって救われる。
第二次世界大戦中、陸軍士官学校に学ぶ。
戦後、医学を志し1951年東京医科大学卒業。
1958年東京医科歯科大学にて医学博士の学位取得。
東京医科歯科大学では宮本璋教授について生化学を学び、島崎敏樹教授について精神医学を修める。漢方医学の師は大塚敬節氏。大学より在学中より指導を受ける。宮司の資格を持つ神主でもある。
現在、医療法人金匱会診療所所長、日本東洋医学会名誉会員、日本漢方医学研究所理事
著書は「漢方処方 応用の実際」(南山堂刊)他多数
※ ●金匱会診療所(所在地◆中央区八重洲1-6-2)
1957年、当時衰退していた漢方医学の再興を願う中将湯(現ツムラ)の津村重舎社長(当時)が自社ビルにもうけた「中将湯ビル診療所」が発祥。初代所長は大塚敬節氏。その後、診療所を現住所に移転し、名称も金匱要略からとった現名称に替え、山田光胤氏が跡を継いだ。
記事は、山田先生のインタビューです。
目にとまったコメント。
・オススメの書籍:
1.「漢方診療医典」南山堂刊、大塚敬節、矢数道明、清水藤太郎共著
2.「漢方医学」創元社刊、大塚敬節著
・古方派と後世派の両方を勉強するとよいでしょう。
漢方には大きく二つの流派があります。一つは古方派と呼ばれ、1800年前の中国漢代に成立しました。当時の書物「傷寒論」「金匱要略」は現在でも漢方医学の原典として読まれています。主に薬物による療法を表した物です。もう一つは後世派と呼ばれる物で、約1000年前、宋、金代に確立しました。鍼灸の理論の基にもなっている物です。両方を勉強するのがいいでしょう。
・漢方をマスターする最短の道は、良い師に学ぶこと。
漢方を学ぶ本当に良い方法は、良い医師について最低10年ほどはじっくり手法を学ぶことです。しかし縁がないとなかなかそういった環境に恵まれません。そもそも本当の漢方医がまだ少ない。日本の医者の8割が漢方薬を処方しているといわれますが、本当のところ専門医と呼べるのは全国でも100人ほどではないでしょうか。
・よい生薬を見分ける方法はやはり「経験」
生薬が良くなければ、いくら処方しても効きません。性質が安定している現代の化学薬品とは異なり、漢方の世界で生薬の品質は忘れられてはなりません。漢方を志す上で、いい物を見分ける目は養わなければなりません。良い物は見た目や香りでわかりますがやはり経験です。以前に美術品の鑑定士に聞いたことがあるのですが、美術品の真贋、善し悪しを見分けるのには、とにかくいい物をたくさん見ることだそうです。そうすれば自ずと良い物の見分け方がわかるといいます。生薬もこれと同じことがいえるようです。
私は神社にも興味があり、あるとき「行事宝典」をいう書物を古本で手に入れました。著者は「山田照胤」とあります。あれ、漢方の大家と似ている名前だな、と思って調べたら、何と本人でした。不思議な縁です(^^)。
(「漢方医学新聞」創刊号:1996/11/25)
製薬会社のツムラさんから漢方の名医達の腹診の動画DVDをいただいたことがあります。
大塚敬節先生をはじめ、書籍状でしかお目にかかれない大御所の腹診の様子を見ることができる貴重なDVD。
その中で一番わかりやすくしっくりきたのが、この山田光胤先生の診察でした。
<経歴>
●金匱会診療所・所長 医学博士:山田光胤先生(本名 山田照胤)
1924(大正13)年東京生まれ。
幼少期に慢性病に苦しみ、現代医学の病院で見放され、最後に大塚敬節氏によって救われる。
第二次世界大戦中、陸軍士官学校に学ぶ。
戦後、医学を志し1951年東京医科大学卒業。
1958年東京医科歯科大学にて医学博士の学位取得。
東京医科歯科大学では宮本璋教授について生化学を学び、島崎敏樹教授について精神医学を修める。漢方医学の師は大塚敬節氏。大学より在学中より指導を受ける。宮司の資格を持つ神主でもある。
現在、医療法人金匱会診療所所長、日本東洋医学会名誉会員、日本漢方医学研究所理事
著書は「漢方処方 応用の実際」(南山堂刊)他多数
※ ●金匱会診療所(所在地◆中央区八重洲1-6-2)
1957年、当時衰退していた漢方医学の再興を願う中将湯(現ツムラ)の津村重舎社長(当時)が自社ビルにもうけた「中将湯ビル診療所」が発祥。初代所長は大塚敬節氏。その後、診療所を現住所に移転し、名称も金匱要略からとった現名称に替え、山田光胤氏が跡を継いだ。
記事は、山田先生のインタビューです。
目にとまったコメント。
・オススメの書籍:
1.「漢方診療医典」南山堂刊、大塚敬節、矢数道明、清水藤太郎共著
2.「漢方医学」創元社刊、大塚敬節著
・古方派と後世派の両方を勉強するとよいでしょう。
漢方には大きく二つの流派があります。一つは古方派と呼ばれ、1800年前の中国漢代に成立しました。当時の書物「傷寒論」「金匱要略」は現在でも漢方医学の原典として読まれています。主に薬物による療法を表した物です。もう一つは後世派と呼ばれる物で、約1000年前、宋、金代に確立しました。鍼灸の理論の基にもなっている物です。両方を勉強するのがいいでしょう。
・漢方をマスターする最短の道は、良い師に学ぶこと。
漢方を学ぶ本当に良い方法は、良い医師について最低10年ほどはじっくり手法を学ぶことです。しかし縁がないとなかなかそういった環境に恵まれません。そもそも本当の漢方医がまだ少ない。日本の医者の8割が漢方薬を処方しているといわれますが、本当のところ専門医と呼べるのは全国でも100人ほどではないでしょうか。
・よい生薬を見分ける方法はやはり「経験」
生薬が良くなければ、いくら処方しても効きません。性質が安定している現代の化学薬品とは異なり、漢方の世界で生薬の品質は忘れられてはなりません。漢方を志す上で、いい物を見分ける目は養わなければなりません。良い物は見た目や香りでわかりますがやはり経験です。以前に美術品の鑑定士に聞いたことがあるのですが、美術品の真贋、善し悪しを見分けるのには、とにかくいい物をたくさん見ることだそうです。そうすれば自ずと良い物の見分け方がわかるといいます。生薬もこれと同じことがいえるようです。
私は神社にも興味があり、あるとき「行事宝典」をいう書物を古本で手に入れました。著者は「山田照胤」とあります。あれ、漢方の大家と似ている名前だな、と思って調べたら、何と本人でした。不思議な縁です(^^)。