小児医療・アレルギー・アトピー他

日々アレルギー疾患の診療をしている小児科医です.読んだ本の感想やネット情報を書き留めました(本棚2)。

下北半島の医療事情2017

2017-10-18 06:20:19 | 医療問題
 私は青森県の弘前大学出身です。
 新入生のオリエンテーリングの際に「青森県は医療過疎」という話を聞きました。
 下北半島には日本人の医師が行かないので、台湾出身の医師が働いていると。
 下北半島で脳卒中になると、救急車で八戸の病院にたどり着くまで数時間かかるため、死亡率が高くなります。診療レベルではなく、医療事情で生存率が影響される実例でした。
 今から35年前の話です。
 
 その後むつ市の病院が充実して上記の状況は改善されたとの風の噂を聞きました。
 時を経て、やはり現在も医療過疎で悩まされています。

■ 常勤医退職で手術できず、大都市集中で危機的状況の青森
2017年10月14日: 朝日新聞
 「脳出血の患者が下北から3時間かけて青森に搬送された」「医療圏として危機的な状況だ」。この春、地域の開発促進策を話し合うために、青森県むつ市で開かれた会議。地元の市町村長や議長が訴えたのは、医師不足の窮状だった。
 発端は3月。地域唯一の総合病院として8万人の医療を支えるむつ総合病院で、脳神経外科でただ1人の常勤医が退職した。弘前大や県立病院からの応援で週4日の外来診療は維持しているが、脳外科の手術ができなくなった。
 手術が必要な救急患者は、むつ総合病院で診療した後、青森市などに搬送する。だが、県のドクターヘリは夜間は飛べず、半島北端の大間町から陸路だと3時間以上。心臓血管外科や眼科、皮膚科も常勤医が不在のうえ、内科医も足りず、外来の待ち時間が4時間を超えることもある。
 むつ市大畑町の男性(76)は10月、高血圧の薬を処方してもらうために来院したが、受付から診察まで約5時間かかった。「待ちくたびれたけど、しょうがねえ。先生が昼飯も食わずに診察や救急に走り回ってるの見てるから」とあきらめ顔で、「忙しさに疲れて病院を辞めてしまったら、もっと困る」と心配する。
 宮下宗一郎・むつ市長は「住民の命にかかわる」として、院長らとともに知事や大学病院への医師派遣要請を重ねている。だが、医師確保のめどは立たないままという。
 背景にあるのは、全県的な医師不足と偏在だ。厚生労働省の調査によると、県内の人口10万人あたりの医師数(2014年)は193人。全国平均の233人を大きく下回り、全国で7番目に低い。上位には京都府、東京都など大都市や西日本の都道府県が並び、県医療薬務課は「研修医や若手医師が、多くの症例を経験できる病院を求めて都市部に集まる傾向がある」と分析する。
 医師不足解消に向け、弘前大医学部は06年度以降、卒業後の県内就業を条件とする「地域枠」の定員拡大を進めてきた。また、県とともに高校生向けの医師体験セミナーなどを開催。これらの取り組みが実を結び、今年、県内高校から全国の医学部医学科への合格者数は86人となり、05年の47人からほぼ倍増。医学部卒業後の臨床研修先に県内病院を選んだ医師も05年の51人から今年は80人に増えた。ただ、同課は「現状は弘前大でも若手医師が足りない。一線で活躍する医師が増えるまで、もう少し時間がかかる」とする。
 安倍政権は、消費増税の使い道を「全世代型の社会保障」の充実にあてるとする。各党の公約や政策集には「実効性のある医師偏在対策」や「医療従事者の増加」が並ぶが、即効性のある具体的な妙案が示されているわけではない。
 むつ総合病院の橋爪正院長は「地域の病院や大学、行政が連携し、地方勤務の経験を生かして医師を育てるシステムが重要」と訴える。国に対しては「医師が不足する地域での勤務をキャリアアップの条件にするなど、地域の実情に応じた制度作りを進めて欲しい」と訴えている。



ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 母親由来の抗体は、乳児予防... | トップ | 「おくすり手帳」の問題点 »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

医療問題」カテゴリの最新記事