小児医療・アレルギー・アトピー他

日々アレルギー疾患の診療をしている小児科医です.読んだ本の感想やネット情報を書き留めました(本棚2)。

生ワクチンと不活化ワクチン、接種する順番で異なる免疫効果?

2017-08-09 15:21:09 | 予防接種
 「ワクチン(生ワクチン vs. 不活化ワクチン)が接種される順番により、入院率が減少する可能性がある」らしい。
 最後に接種したのが不活化ワクチンの子どもより、生ワクチンだった子どもの方が非標的感染症による入院が少なかったというデータが示されています。

 ホントかなあ・・・。

■ 生ワクチンと不活化ワクチンで異なる免疫効果:研究で支持する結果
2017-05-29:Reuters Health:ケアネット
By Anne Harding
 米国の疾病対策管理センター(CDC)の新しい研究によると、幼児が直近に受けた予防接種に生ワクチンが含まれる場合、感染症で入院する可能性は低い。
 CDCの予防接種安全性局のBarbara Bardenheier先生らは、「最近報告された他の研究と我々の研究結果から、ワクチンを接種する順番によって標的感染症に対する防御効果以上のベネフィットが得られるという可能性が高くなった」と記述している。「しかし潜在的交絡バイアスと選択バイアスの程度が不明であり、結果の解釈は待つべきだ。」
 結果は5月6日発表のClinical Infectious Diseasesオンライン版に掲載された。
 「これまでの研究から、ある種のワクチンは標的感染症に対する防御効果以上のベネフィットを有することが示唆されていた。これらの研究は主に西アフリカで実施された」と、Bardenheier先生はReuters Healthにeメールで伝えた。「その後、デンマークで行われた研究により、ワクチン(生ワクチン vs. 不活化ワクチン)が接種される順番により、入院率が減少する可能性があることがわかった。今回我、我々が初めて米国で研究を実施したところ、デンマークの研究に類似した結果が認められた。」
 Bardenheier先生とそのチームは、MarketScan米国民間保健請求データベースを用いて、2005年~2014年までの生後16か月〜24か月の子供311,000人のデータを調べた。
 最後に接種されたのが生ワクチンだった子供では、不活化ワクチンのみだった子供に対し、非標的感染症による入院のハザード比(HR)が0.50(95%信頼区間[CI]:0.43〜0.57)だった。また、最後に接種されたのが生ワクチンのみだった子供では、生ワクチンと不活化ワクチンの両方を接種された子供に対し、HRが0.78(95%CI:0.67〜0.91)だった。
 Bardenheier先生は、生ワクチンによって標的感染症以外の感染症に対する防御効果も得られる機序については、わかっていないと述べている。
 「可能性のひとつとして、『訓練免疫』コンセプトの関与も考えられる」と、研究者たちは説明した。「ヒトはそれぞれ固有の感染歴と予防接種歴を有しているが、これらの曝露がそれぞれ免疫系に重要な足跡を残し、将来の病原体に対する免疫反応に影響をおよぼすというもので、関連のない感染症に対する防御効果が得られる可能性も含まれる。」
 同氏は、生ワクチンが不活化ワクチンによる免疫系への効果とは異なる効果も有していると付け加えた。
 「よく知られているのは、結核予防のために用いられる弱毒生ワクチン、BCG(Bacille Calmette-Guerin)だ」と、Bardenheier先生は述べた。「何十年もの間、BCGは筋層非浸潤性膀胱がん治療における主要な免疫療法として用いられてきた。投与された患者の大部分で腫瘍の再発抑制効果が示されたためだ。」
 Bardenheier先生によると、この関連性をさらに調べるために無作為化比較試験を実施するのは費用がかかるだろうし、倫理的に問題があるかもしれない。
 「臨床試験が実施できないのであれば、異なるデータベースを用いて米国の他の集団を対象とした観察研究を行うことで、この結果の信頼性について、さらなるエビデンスが得られるかもしれない」と、同氏は述べた。「これらの所見が今後の研究で支持されれば、ワクチン接種のベネフィットが標的疾患の予防にとどまらないというエビデンスが追加されることになるだろう。」
 この研究では、ワクチン未接種児における結果は含まれなかった。結果として、他の研究で示唆されている不活化ワクチン接種がワクチン未接種よりも入院の増加に関連するのかという点については、糸口を引き出せなかった。


<原著論文>
Clin Infect Dis 2017.
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