小児アレルギー科医の視線

医療・医学関連本の感想やネット情報を書き留めました(本棚2)。

健康ライフ「アレルギー性鼻炎を本気で治すために」(浦長瀬昌宏Dr.)

2017年11月02日 14時39分08秒 | アレルギー性鼻炎
 NHKラジオ第一放送の健康ライフから「アレルギー性鼻炎を本気で治すために」(神鋼記念病院 耳鼻咽喉科科長:浦長瀬昌宏:うらながせあつひろDr.)。
 特に新しい情報はありませんでした・・・。


□ 10月16日(月)「アレルギー性鼻炎とは何か」
・鼻閉は睡眠時無呼吸症候群につながる可能性がある。
・鼻の中に入ってきた抗原を迎え撃つ抗体と反応し入ってこないようにするために狭くなる(鼻閉)、洗い流す(鼻汁)のがアレルギー性鼻炎。
・花粉が抗原になる季節性アレルギー性鼻炎、ダニが抗原になる通年性アレルギー性鼻炎。
・他の病気でも同じような症状が出ることがある。鑑別点は、風邪では眼症状が乏しく2週間以内によくなる、蓄膿症では膿性鼻汁になる、鼻中隔弯曲では片側のみの症状になる。

□ 10月17日(火)「医師の診断を受ける前に知っておきたいこと」
・生活上不都合が生じたときが受診のタイミング。
・重症度の評価:
①1日何回鼻をかむか:レベル1〜5
②鼻閉の程度:レベル1〜5 
・受診のコツ
①今までの治療歴:薬の名前がわかった方が今後の治療につなげやすい
②どの症状(鼻汁、鼻閉)を治したいのか、ハッキリさせると薬を選択しやすい。
③アレルギー性鼻炎以外の病気にかかったことがあるか。
・診察:鼻粘膜の腫れ具合、鼻粘膜の色、アレルゲンの特定(血液検査)

□ 10月18日(水)「薬の種類」
・鼻汁/くしゃみは鼻の中の自律神経を介した反応→ 神経に効く薬を選択
・鼻閉は粘膜の腫れで神経は関与せず→ 粘膜に効く薬を選択
①抗ヒスタミン薬:神経を介する症状に効く、内服薬中心、飲んですぐ効く。眠くなる副作用あり。
②抗ロイコトリエン薬:鼻の粘膜の反応を抑えやすい。内服薬。効果発現に1週間かかる。眠くならないが、下痢、肝機能障害の副作用がある。
③血管収縮薬:鼻の粘膜の血管を収縮させて鼻閉をよくする。内服薬&点鼻薬。長期間使うと効きが悪くなる(→ 薬剤性鼻炎)ので2週間以上の連用は避ける。
④ステロイド薬:内服薬&点鼻薬。よく効くが点鼻薬は1週間使わないと効果が得られない。内服薬は副作用に注意。

□ 10月19日(木)「薬の処方はオーダーメイド」
・抗ヒスタミン薬は種類が多い。
①第1世代:眠くなる。短時間しか効かない。
②第2世代:眠くなる副作用を減らして(ただし薬による差・使用する個人差あり)、作用時間を長くした。
・1日1回と1日2回使用するタイプがある。
・市販薬の使い方:使用する前にアレルギー性鼻炎かどうかの診断が必要なので、まずは受診を。血管収縮薬の連用に注意。
・症状の出はじめに開始するのがコツ。ひどくなってからだと効きが悪い。

□ 10月20日(金)「免疫療法」
・メカニズムは予防接種に似ている。スギ花粉症の免疫療法は、スギ花粉を少しずつ体に入れ続けると体が慣れてきて症状が出にくくなる。
・最近舌下免疫療法が登場した。
・舌下免疫療法の効果:有効率70〜80%(完治率:20〜30%)・・・どういう人に効果が出やすいかはやってみないとわからない。
・3ヶ月くらいで効果が出はじめ、2〜3年継続が必要。中止後に再燃することがある。
・副作用:局所アレルギー反応〜口内粘膜の腫れ(4%)、非常に希だがアナフィラキシーショック(1億回に1回)
・費用:保険適用されているので3割負担:3000〜4000円/月
・使えない人:循環器疾患でベータ遮断薬使用中、重症気管支喘息、妊娠中、悪性腫瘍
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