世界のどこかで起きていること。

日本人の日常生活からは想像できない世界を垣間見たときに記しています。

「マイケル・サンデルの白熱教室 トランプ派 vs 反トランプ派」

2017-05-16 07:28:22 | 日記
 トランプ大統領を取り上げた番組はたくさんありますが、アメリカ国民の視点から捉えた内容は不十分で断片的な印象が否めませんでした。
 この番組はトランプ派 vs 反トランプ派のガチンコ議論であり、見応え・聴き応えがありました。
 「今、アメリカで何が起こっているのか」が臨場感を持って迫ってきたのです。

 私には、建前を捨てて本音を語りはじめた米国人がトランプ派、
 それをより広い視点から捉えて危険性を感じているのが反トランプ派、
 と映りました。
 敢えて言えば、労働者階級 vs 知識階級、でしょうか。

■ BS1スペシャル「マイケル・サンデルの白熱教室 トランプ派vs反トランプ派」
2017年5月14日(日)



<番組内容>
 アメリカの分断はますます深刻化している。トランプの政策をめぐる対立は、感情的なレベルにとどまらず、国家とは何か、自国優先主義か世界全体の幸福か、など極めて深い問いかけを投げかけている。ハーバード大学のマイケル・サンデル教授が、アメリカで加速する激しい対立の渦のなかに飛び込み、白熱教室を行う。激しく意見をぶつけ合うトランプ派と反トランプ派。徹底的に両者の意見に耳を傾け解決の糸口を探る。議論の行方は?


第一部「アメリカ・ファースト」

 他国民より自国民を優先するという意味においては、反トランプ派からも賛成意見が出ました。
 みなふつうに、平和に暮らしたいという気持ちは一緒であると再確認。

 しかし、トランプ氏が行う「企業に圧力をかけて雇用を強制的に生み出す」手法には賛否両論。
 それら協力企業にはあとから税金の補助が出ていることが指摘されました。
 つまり、雇用を生み出すために税金を使いまくっているという、根本的解決にはほど遠い政策であることにアメリカ国民は気づいていない。
 すべての企業にこれをできるわけがないので、反トランプ派は「単なる人気取りのパフォーマンス」と冷ややかに見ていました。

第二部「難民」

 トランプ大統領の「メキシコとの国境に壁を作る」という方針に賛成か反対か、サンデル氏が尋ねると、トランプ派は全員賛成、反トランプ派は反対多数。
 しかし「現在アメリカにいる不法移民1100万人を全員国外退去」という方針にはトランプ派・反トランプ派ともに誰も賛成しませんでした。

 反トランプ派は「トランプ派は凶暴な人種差別者」というイメージはメディアが貼ったレッテルであると主張します。
 現在のメディアにはジャーナリズムのプライドがなくなっている。
 アメリカを分断した責任は、トランプではなくメディアである、と。

 一理あるな、と感じました。
 この番組と同時に見た番組「トランプWAR~メディアに挑む"つぶやき"とウソが動かす世界」の中で、フェイクニュース制作者の言葉が突き刺さりました;
 「すべてのニュースには“フェイク”の要素がある。だってメディアはみんなが知りたがる・聞きたがることをニュースにするだろ? その時点で真実から少し離れているはずだ」

 議論が深まるにつれ、サンデル氏の目論見が姿を見せ始めました。
 トランプ派と反トランプ派の違いは、どちらが正しいと白黒つけられるものではなく、みんな平和な暮らしがしたい、ただそこに至る考え方が違うだけということに気づきはじめたのです。

 ラストベルトの同じ会社に勤務する労働者2人がトランプ派と反トランプ派に別れて議論していました。
 二人は知り合いで、友人です。
 その二人の存在が、この議論を象徴していました。
 「お互いの考え方が違うことを認め合う、しかしそれで別れるのではなく、付き合っていく」という大人の行動。
 これが今のアメリカ人に求められる「寛容さ」でしょうか。
 でも米国人は白黒付けるのが好きだから難しいかもしれません。
 映画「ロッキー」とか「インデペンデンス・デイ」などを観ると、勧善懲悪の単純さが鼻につきます。

 日本のことを考えてみました。
 河合隼雄氏の「中空構造日本の深層」を読むと、日本は白黒付けるのではなく、双方が妥協しバランスをとって物事を解決していく民族であることがわかります。

 なお、この番組は日本が企画したもののようです。
 参加者からの「こんなふうにトランプ派と反トランプ派がなごやかに議論する番組はアメリカではあり得ない、こんな長い時間(2時間番組)見続けることは米国人は我慢できない」という発言が印象に残りました。
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