徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

夏風邪(プール熱、手足口病、ヘルパンギーナ)が話題になる季節

2017年07月13日 10時22分58秒 | 小児科診療
 夏風邪(プール熱、手足口病、ヘルパンギーナ)が流行する季節になりました。
 北関東の当院ではまだチラホラ程度です。

 各感染症のポイントは、

プール熱:結膜炎と高熱が4-5日続く
手足口病:口内炎が痛くてつらい
ヘルパンギーナ:のどの痛みが強くて食事が飲み込めず大変

 といったところ。
 原因ウイルスをやっつける薬は存在しないので、対症療法でしのぐしかありません。

 この“夏風邪三兄弟”のうち、隔離義務があるのは咽頭結膜熱(プール熱)だけです。
 手足口病とヘルパンギーナは、一般の風邪と同じように「症状が治まって元気になったら」というアバウトな基準でOK。
 でも、これは「感染力がない」という意味ではありません。
 他人にうつす力(感染力)は症状が治まった後もしばらく残ります(便の中には数週間いるらしい)が、感染力の強さと症状の強さを秤にかけて妥協した措置と考えてください。
 「100%感染力がなくなるまで隔離」を完璧に目指すなら、夏風邪を引くたびに3週間保育園/幼稚園を休む羽目になります。
 これは現実的ではありません。

 ネット上の記事を紹介します。

■ 手足口病、ヘルパンギーナ、プール熱 子どもの「夏風邪」増加
2017年7月11日;東京新聞
 手足口病や咽頭結膜熱(プール熱)など、5歳以下の子どもに多い「夏風邪」の患者数が増加傾向にある。高熱のほか、発疹や結膜炎などの症状が出るが、通常は安静にしていれば回復する。それぞれの感染症の特徴を知り、のどの痛みなどで水分が取れないなど、気になる症状がある場合は、早めに小児科医にかかりたい。
 「夏風邪のほとんどは、ウイルス感染が原因で特効薬はなく、症状を和らげることしかできない。高い熱が出ても数日から四、五日で治まりますが、のどが痛くて水分が取れない、嘔吐や下痢、せきがひどいときは医療機関を受診してください」。六月下旬、竜美ケ丘小児科(愛知県岡崎市)が、子どもの病気や子育ての知識を伝え、親が正しい判断ができるように開いたミニ講座。鈴木研史院長(49)らが、夏風邪の注意点や家庭での対処法を伝えた。
 国立感染症研究所に全国約三千の医療機関から報告があった手足口病の患者数は、六月二十五日までの一週間で一医療機関あたり二・四一人となった。西日本で多く、前年同時期の約六倍で、大流行する可能性もある。
 手足口病は手や足、口などに小さな水疱(すいほう)ができる感染症で、発熱する場合としない場合があり、熱が出ても一、二日で下がる。発疹は一週間程度で治る。
 エンテロウイルスが原因で、くしゃみなどの飛沫(ひまつ)で感染する場合や、おむつ交換などで手に付いた便から感染する場合がある。
 同じウイルスで起こる感染症にヘルパンギーナがある。のどが赤くなり水疱ができて痛む。三九~四〇度の高熱が出ることがあるが通常、一、二日で下がる。「のどの水疱が診断のポイント。発熱してもすぐにはのどに水疱が出ないため、元気な様子なら翌日に受診した方が診断できる」と鈴木院長は話す。
 これら二つの感染症よりも発熱が長く続くのがアデノウイルスが原因の咽頭結膜熱だ。四、五日と長めに発熱が続くことが多く、のどが赤くなり、へんとうにうみが付く。結膜炎で目が充血して赤くなり、目やにが出ることがあるのも特徴。国立感染症研究所によると、六月二十五日までの一週間の患者数は一医療機関あたり〇・九八人で、過去十年のピークを上回った。山梨、鹿児島県や北海道で患者が多い。
 感染力が強く、子どもがプールなどでタオルを使い回しをした場合などに感染することがある。咽頭結膜熱は学校保健安全法で予防すべき感染症とされ、主な症状が消えてから二日間は出席停止となる。
 注意が必要なのが肺炎などの合併症を引き起こすことがあることだ。鈴木院長は「四、五日たって熱が下がったらまた受診するよう指導しているが、それまでの間にせきがひどくなった場合はすぐ受診してほしい」と呼び掛ける。
 いずれの感染症もウイルスの型が多く、一シーズンに複数回発症することがある。予防は、患者との接触を避け、手洗いとうがいをすることが基本だ。おむつなどの排せつ物は、ビニール袋に入れて処理をする。症状がなくなってもしばらく便にウイルスが混じっていて感染することがある
 発症した場合は、小まめな水分補給に努め、のどが痛い場合はのみ込みやすい食事を与える。発熱の経過が診断に役立つため、朝、昼、夜の体温をグラフにする熱型表に記録しておき医師に伝えたい。



■ 感染力強い「手足口病」、大流行の兆し
2017年7月12日 読売新聞
 手や足、口の中に発疹ができる手足口病の患者が乳幼児を中心に増加している。
 ウイルス性の感染症で、今年は大流行の懸念があるとして、専門家が注意を呼びかけている。
 国立感染症研究所によると、7月2日までの1週間で、全国約3000の小児科から報告があった患者数は、1医療機関あたり3・53人で、昨年同時期の0・48人と比べて7倍程度多い。
 手足口病は、2~5ミリほどの 水疱(すいほう)ができ、発熱がある場合も数日中に治るが、まれに高熱を伴う髄膜炎や脳炎などを起こすことがある。
 感染力が強く、予防は、おもちゃやタオルの共有を避けることが重要だという。同研究所感染症疫学センターの藤本嗣人・第4室長は「感染していても症状が出ない人もいる。周囲にウイルスがあると思って予防してほしい」としている。



<参考>
□ 「夏風邪のお話」(当院HP)
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