徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

インフルエンザ脳症で1歳児が死亡、今シーズン初めて

2018年01月18日 07時16分45秒 | 小児科診療
 北関東の群馬県では、インフルエンザ流行のまっただ中。
 今シーズンはA型、B型の両方が同時に流行(先日記したように当地ではB型やや優勢)という珍しい年。
 兄弟が同じ日に検査をして、それぞれA型とB型が陽性だった家族もありました。
 今シーズンすでにA型とB型に罹患した子どもも複数います。

 そんなタイミングで、インフルエンザ性脳症による死亡例のニュースが飛び込んできました。
 やはり脳症はA型に多いようです。

■ インフルエンザ脳症で1歳児が死亡、今シーズン初めて 〜インフル流行拡大で脳症例が急増、すでに29例
2018/1/16:日経メディカル
 インフルエンザの流行拡大に伴い、インフルエンザ脳症の患者数が急増している。2017年の第50週に6例だったが、51週に7例、52週には10例と増加し、年末までに29例に上った。52週には、1歳児の死亡例も報告されている。報告時死亡例は今シーズン初めて。


図1 インフルエンザ脳症例の推移

 国立感染症研究所の感染症週報を基に、急性脳症の報告例をピックアップ。インフルエンザウイルスが原因と明記されている症例を集計したところ、2017年12月31日までに29例のインフルエンザ脳症が報告されていた。
 29例の年齢分布を見ると、10歳以下が27例と大半を占めていた。1歳が7例と多く、10歳代が6例、7歳が5例と続いた。4歳、5歳、8歳がそれぞれ2例、0歳、2歳、6歳、50歳代、60歳代がそれぞれ1例だった(図2)。
 ウイルス検出の結果は、A型が23例と最多で、B型も1例だった。その他の5例は不明。なお、死亡例はA型だった。


図2 インフルエンザ脳症の年齢別にみた患者数



 「ひとシーズンに最高何回インフルエンザにかかる可能性があるか?」
 という質問を受けることがあります。
 答えは、
 「最高4回」
 です。
 A型にかかっても、B型に対する免疫はつきません。
 さらにA型にもB型にも2つのサブタイプが存在し、それぞれ免疫交叉性はありませんので。

 さて、もう一つインフルエンザの記事を紹介します。
 こちらは高齢者デイサービス施設でインフルエンザが集団発生し、一名死亡という内容です。

■ インフル集団発生1人死亡 80代女性、秋田の介護施設
共同通信社:2018年1月17日
 秋田県由利本荘市の高齢者デイサービス施設「通所介護事業所鮎川」は16日、インフルエンザが集団発生して職員と利用者合わせて15人が感染、利用者の80代女性が死亡したと発表した。
 事業所によると、10日に職員1人が発熱して病院でインフルエンザA型と診断され、15日までに職員5人と80~90代の利用者10人の感染が確認された。
 死亡した女性は13日に発症、14日に容体が急変して入院した後、15日午後に亡くなった。
 事業所は21日まで休業する。
 事業所は由利本荘市社会福祉協議会が運営し、利用者90人、職員10人。職員は全員が予防接種を受けていた。「職員と利用者の手洗いや消毒を徹底して感染防止に努める」としている。

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