徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

抗インフルエンザ薬を使用中は“部屋に施錠”を。

2017年11月23日 09時37分13秒 | 小児科診療
 近隣の保育園でインフルエンザ流行が始まりました。
 当院では疑わしい患者さんに対してインフルエンザの迅速検査を行った場合、結果が出るまでの待ち時間に「検査結果が陽性の場合、抗インフルエンザ薬を希望しますか?」という説明プリントを読んでいただき、使用の有無を患者家族に判断してもらっています。
 希望される際には、
 「抗インフルエンザ薬投与開始後2日間は目を離さないようお願いします」
 と念を押します。
 これはタミフル®に限らず、作用メカニズムが同じリレンザ®、イナビル®でも同じです。
 
 厚生労働省は新たな指示を出しました。
 それはなんと・・・「部屋に鍵をかける」というもの。

 一つ注意点を。
 タミフルなど抗インフルエンザ薬と異常行動の因果関係は未だにハッキリ証明されていません。
 もともとインフルエンザは「高熱でうなされる」感染症です。
 抗インフルエンザ薬使用の有無にかかわらず、子どもから目を離さないのが原則と考えましょう。

■ インフル薬“異常行動”めぐり厚労省が「施錠」など通知へ
2017/11/23:TBS News
 インフルエンザの治療薬を飲んだ子どもなどが「異常行動」を起こす報告があとを絶たないことを受け、厚生労働省が近く「部屋に鍵をかける」といった具体的な対策を呼びかける方針を決めたことがわかりました。
 厚生労働省によりますと、タミフルやリレンザなどのインフルエンザ治療薬を飲んだあと、急に走り出した、部屋から飛び出そうとしたといった異常行動の報告が昨シーズン54例ありました。いずれも薬との因果関係は不明です。
 厚労省はこれまで、「薬を飲んだあとの2日間は子どもを1人にしない」よう呼びかけていましたが、異常行動の報告があとを絶たないことから、新たな通知を出す方針を決めました。
 新たな通知では、部屋に鍵をかける、飛び出しや飛び降りを引き起こす環境に子どもを置かないといった具体的な対策を呼びかけることを検討しています。


■ インフルエンザの異常行動に注意 飛び降りなど年50件超
2017年11月23日:東京新聞
 インフルエンザにかかって急に走りだしたり、飛び降りたりするなどの異常行動が後を絶たないとして、厚生労働省は22日、ドアや窓を施錠するなどの対策を促す新たな通知を都道府県に出すことを決めた。昨シーズンは子どもを中心に少なくとも54件報告された。治療薬タミフルとの関連が以前から指摘されているが、薬の種類や服用の有無にかかわらず起きており、流行入りを前に同省は「対策を徹底して事故を防いで」と呼び掛けている。
 通知は新たに
(1)窓や玄関の施錠
(2)窓に補助錠を設置
(3)一戸建ての場合は1階に寝かせる
―など、より効果が期待できる対策を盛り込むことを検討している。
コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« インフル予防接種の効果、昨... | トップ | 冬の食中毒の原因はノロウイ... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

小児科診療」カテゴリの最新記事