日々のできごと。生物準備室より

理科教育、生物教育に関して考えたことをぼちぼち更新。たまに授業実践報告をします。

自分や自分の組織が持つ「前提認識」に気づくために

2016-11-02 18:06:47 | 最近読んだ本

先日、「『力のある学校』の探求」を読んだ時に感じた「懐かしさ」はどこからきたのか?

もう一度思い返してみると、一番懐かしく感じた部分は、
「荒れ」を経験した学校の組織文化 について書かれた部分。

私自身は局所的な「荒れ」と、
「荒れ」から立ち直りつつある学校で勤務した経験があります。
その学校の持つ「組織文化」に懐かしさを感じたみたいです。 

以前、高校勤務の経験しかない教員に、
「荒れ」を経験した中学校の指導体制について、
真っ向から否定されたことがありました。
文化の違いを伝えようとしましたが、
そもそも、そんな学校の文化なんてないと、
文化そのものを否定されました。
その時、言葉で表現できなかったことを、
この本が支えてくれたような気がしました。


 
組織文化とリーダーシップクリエーター情報なし白桃書房


P3
ー文化は、「現在、そこに存在する」ダイナミックな現象であると同時に、さまざまな方法でわれわれに影響を及ぼす、堅固な基礎的構造であるとも言える。
ー文化は、われわれとほかの人たちとの接触によってつねに再構成され、新たに生みだされ、またわれわれ自身の行動によって形作られている。

P7
ー文化から引き起こされる社会や組織内の状況から生みだされるフォース(力)は極めて強力だ。
文化に伴うフォースを理解することによって、われわれ自身のことをより深く理解できるようになる。

 

われわれが、ほかの人たちの行動や価値観の形成に影響を及ぼしているときには、
それを「リーダーシップ」と認識し、
新しい文化の形成のための条件を生み出しているとすると、
リーダーが成功を収めるためには、文化の理解こそ不可欠なものとなる。

文化の理解については、

P438
ー私自身、文化に対してわれわれの感受性をさらに高めるにはどうしたら良いかという質問をたびたび受ける。私の即答は「もっと旅をしてください」というものだ。われわれ自身により多様な文化における様々な経験を付与することを通じて、われわれは文化の多様性を学び、文化に対する謙虚な態度を育むことができる。学習するリーダーは、自分の組織の外でたくさんの時間を費やし、できるだけ数多くの他の文化へ旅することを心がけるべきなのだ。

 また、リーダーシップを実際に発揮するために、

P452
ー自分自身と自分の組織に関して高いレベルの客観性を保つことが求められる。このような客観性を育むためには、自分のキャリアのなかで多様な環境の中で経験を積むことが求められる。そのような環境で彼らは違った文化と比較、対比することが可能となる。将来のリーダーを開発するに当たっては、数多くの組織が海外経験を重視している理由が理解できる。

 


文化を理解するために必要な感受性は、
海外経験までしなくても、
文化の違いを比較・対比するチャンスはあり、高められると思います。


教育制度の違いについて書かれた書籍を、ま、オランダの制度だからねぇ、
IBだから可能だよね、
と最初から別物として読もうともしない、とか、

学校訪問や見学をする時に、〇〇の違いが大きいから参考にならない、
と割り切ってしまうとか、

こんな小さな拒絶も、自分の持つ前提認識が安定したものであればあるほど、
無意識に修正されるものではないようです。




意図的に旅に立たなければ。






 

 


 

 

 


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