これから書く内容は記憶の話なので、間違っている事もあると思いますがご了承下さい。
夜からの出勤に向けて寝室で横になった。
「あ~今夜いけば明日は休みだ」
ひとりごちながら目を閉じると、枕元に置いてある携帯電話が着信を知らせる。
親父からの着信だ。
普段から電話など掛けてこないから、不安を感じながら電話に出る。
「章ちゃんが死んだってよ!」
嫌な予感はいつも当たる。
子供の頃は何も目標なんてなかったし、何かになりたいとか全く思わない少年だった。
ただ友達が興味を持つものに興味を持っていただけの少年で、友達がシールに興味を持てば俺も興味を持ち、友達がエアガンに興味を持てば俺も興味を持った。
何事にも自ら興味を持たなかったけど歌うことは大好きで、やはり友達が見ているアニメを観て、そのアニメのテーマソングを歌ったりしていた。
けど流行りの音楽を聴くことは無くて、クラスの女子からWinkの下敷きを見せられ「どっちが好き~?」って言われても困るだけだった。
しかしある日から音楽に対して見方が変わった。
「つー(俺)んちって音楽聞ける?これ聴いてみ!紅白歌合戦に出てたんだけど凄かったんだよ!」
と、親友の章介(仮名)から渡されたのはXの「紅」のカセットテープだった。
家のカセットデッキに入れて再生してみる。
静かなギターの調べに合わせるようにハスキーな声が重なる。
そして激しいメロディーになり怒濤の勢いで曲が進んでいく。
今も昔もXの代表曲となる「紅」とは知らずに素直な感想は「ふ~ん」って感じだった。
「紅」に対して何も衝撃とかはなかった。
それよりも2曲目である。
「20th Century Boy」を聴き始めたらコンサートの音っぽい。
そこで叫ぶTOSHIの「よっしゃいくぜー!自由にいくぜー!20th Century Boy」ってシャウトに激しく衝動を受けた!
そして流れるコンサートの躍動感に心が踊る。
「これはカッコ良い!」
という訳で少し斜めにXを好きになったのである。
そこからは周りの友人から色んなカセットテープを貰い聴いた。
BUCK-TICK、かまいたち、BY-SEXUAL、LÄ-PPISCH、 ZI:KILL、etc
色んなロックを聴いて心を踊らせた。
やがて中学生になり人生初めての「文化祭」を体験する。
学校中が生徒中心に盛り上がってて心踊る。
そこで親友の章介が「体育館に行こうぜ!先生たちがバンドやるんだって!」と誘ってくるから、当然のように一緒に体育館へ向かう。
体育館へ移動すると、そこでは3年生がバンド演奏してた。
しかし何を歌っているかサッパリわからないというか、ボーカルの声が聞こえない?
先生がマイクを確認するが何も問題ないらしく、どうやら先輩の声が小さいだけだったようだ。
緊張で声が出なかったらしく「なんか、人前でバンド演奏するのって大変そうだな」なんて思ってしまった。
転換で幕が閉まり次が先生たちのバンド「教員バンド」の出番である。
何となく観に来たので何となく待っていると幕が上がり「教員バンド」の演奏が始まる。
演奏が始まって俺の身体に衝撃が走る。
「か、カッコ良い!」
美人体育教諭の先生をボーカルにJITTERIN'JINNの「プレゼント」を楽しそうに歌い演奏する。
普段怖い先生達がノリノリでレスポールを弾いたり笑顔でドラムを叩いたり、寡黙な先生がやっぱり寡黙にベースを弾いたりして、その全てがカッコよく輝いて見えた。
そして親友の章介とお互いに顔を見合わせて叫ぶ、
「俺達がやるのはこれだよ!バンドだよ!」
と、俺が初めて何かを始めたいと思った瞬間だった。
続く
夜からの出勤に向けて寝室で横になった。
「あ~今夜いけば明日は休みだ」
ひとりごちながら目を閉じると、枕元に置いてある携帯電話が着信を知らせる。
親父からの着信だ。
普段から電話など掛けてこないから、不安を感じながら電話に出る。
「章ちゃんが死んだってよ!」
嫌な予感はいつも当たる。
子供の頃は何も目標なんてなかったし、何かになりたいとか全く思わない少年だった。
ただ友達が興味を持つものに興味を持っていただけの少年で、友達がシールに興味を持てば俺も興味を持ち、友達がエアガンに興味を持てば俺も興味を持った。
何事にも自ら興味を持たなかったけど歌うことは大好きで、やはり友達が見ているアニメを観て、そのアニメのテーマソングを歌ったりしていた。
けど流行りの音楽を聴くことは無くて、クラスの女子からWinkの下敷きを見せられ「どっちが好き~?」って言われても困るだけだった。
しかしある日から音楽に対して見方が変わった。
「つー(俺)んちって音楽聞ける?これ聴いてみ!紅白歌合戦に出てたんだけど凄かったんだよ!」
と、親友の章介(仮名)から渡されたのはXの「紅」のカセットテープだった。
家のカセットデッキに入れて再生してみる。
静かなギターの調べに合わせるようにハスキーな声が重なる。
そして激しいメロディーになり怒濤の勢いで曲が進んでいく。
今も昔もXの代表曲となる「紅」とは知らずに素直な感想は「ふ~ん」って感じだった。
「紅」に対して何も衝撃とかはなかった。
それよりも2曲目である。
「20th Century Boy」を聴き始めたらコンサートの音っぽい。
そこで叫ぶTOSHIの「よっしゃいくぜー!自由にいくぜー!20th Century Boy」ってシャウトに激しく衝動を受けた!
そして流れるコンサートの躍動感に心が踊る。
「これはカッコ良い!」
という訳で少し斜めにXを好きになったのである。
そこからは周りの友人から色んなカセットテープを貰い聴いた。
BUCK-TICK、かまいたち、BY-SEXUAL、LÄ-PPISCH、 ZI:KILL、etc
色んなロックを聴いて心を踊らせた。
やがて中学生になり人生初めての「文化祭」を体験する。
学校中が生徒中心に盛り上がってて心踊る。
そこで親友の章介が「体育館に行こうぜ!先生たちがバンドやるんだって!」と誘ってくるから、当然のように一緒に体育館へ向かう。
体育館へ移動すると、そこでは3年生がバンド演奏してた。
しかし何を歌っているかサッパリわからないというか、ボーカルの声が聞こえない?
先生がマイクを確認するが何も問題ないらしく、どうやら先輩の声が小さいだけだったようだ。
緊張で声が出なかったらしく「なんか、人前でバンド演奏するのって大変そうだな」なんて思ってしまった。
転換で幕が閉まり次が先生たちのバンド「教員バンド」の出番である。
何となく観に来たので何となく待っていると幕が上がり「教員バンド」の演奏が始まる。
演奏が始まって俺の身体に衝撃が走る。
「か、カッコ良い!」
美人体育教諭の先生をボーカルにJITTERIN'JINNの「プレゼント」を楽しそうに歌い演奏する。
普段怖い先生達がノリノリでレスポールを弾いたり笑顔でドラムを叩いたり、寡黙な先生がやっぱり寡黙にベースを弾いたりして、その全てがカッコよく輝いて見えた。
そして親友の章介とお互いに顔を見合わせて叫ぶ、
「俺達がやるのはこれだよ!バンドだよ!」
と、俺が初めて何かを始めたいと思った瞬間だった。
続く