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原発再稼働問題で足りないもの

2012年04月17日 17時55分06秒 | おかしいぞ
野田が総理になったのは、財界と霞が関の後押しがあってのものだろう。これを財務省が全面バックアップした、ということだ。
経団連や経済同友会をはじめとする経済界の意向をよく聞いてくれる操り人形として、野田総理は誕生したということだ。財務大臣時代から、為替介入をはじめとして、朝霞公務員住宅建設もそうだし、何でもハイハイと言いなりになってくれる人間だった。東電救済策も、そうした野田総理の存在あってのものだ。

野田は総理就任直後のWSJのインタビューで、原発再稼働の意向を答えていた。
>http://jp.wsj.com/Japan/Politics/node_309592

(以下に引用)

野田佳彦首相は20日、ウォール・ストリート・ジャーナル/ダウ・ジョーンズ経済通信とのインタビューで、現在停止中の原子力発電所を来年夏までに再稼動していく考えを示した。国民の間では反原発の機運が高まっているが、原発を再稼動しないことや、すぐに原発を廃止することは 「あり得ない」と述べた。

つまり、昨年9月から「原発再稼働」というのは規定路線であり、そうであるが故に、脱原発に向けた政策など殆ど行ってこなかった、ということでもある。


今年の1月、原発を再稼働しなければ、大幅に電力不足になる、という記事が出た。
その中で、特に予備率の低い電力会社が、関西電力と北電だったわけである。

>http://d.hatena.ne.jp/trapds/20120130/1327915171

>http://d.hatena.ne.jp/trapds/20120130/1327925440

当時、拙ブログでは、関電管内については調べなかった。面倒だったもので(笑)。とりあえず、北電についてだけ、数字を拾ってみたのだが、それでも提示されている試算とやらが、かなり胡散臭い、いい加減なものであろうというのがうかがえたわけである。
このような操作は、東電の出してきた数字でも大して違いなどはなく、電力会社なのか経産省なのか資源エネ庁なのか、どこらへんでこうしたことが行われるのかは不明だが、いつもの情報隠しや隠蔽という体質であろう。

もっともらしい数字を出してくるのが常道である、ということだ。

で、拙ブログでは、全原発停止という挑戦状を叩きつけた、というわけです。
2/20>http://d.hatena.ne.jp/trapds/20120220/1329740004


それでも、卑怯な手法を続けるのが、彼らのやり方だ。
4月になってからも、関電管内では最大で20%の電力不足に陥る、大飯3・4号機を再稼働しても不足する、と脅しをかけてきたわけである。数字について、信頼できる根拠や説明などなくても、出まかせであろうと何だろうと供給力が足りないと言わんが為に、情報を出してくるわけだ。ひたすら、再稼働を正当化する為に、そうしたことをやってくるのである。


どうせ、ウソ八百の出鱈目なんじゃないのか、とは思うが、”ご説明資料”とやらを出してきたわけだから、それを尊重しようではないか。
ということで、原発ゼロだと関電では供給力が2489~2574万kWに落ち込むらしい。

さて、ここで疑問が発生する。
今、政府は地元の同意を得るのを待っている、ということである。地元は地元で、専門家たちが精査するということらしい(それが、たとえヤラセみたいものであったにせよ、である)。政府は、再稼働してくれないか、とお願いしたわけだ。
ん?
昨日の記事でも、足りないよね、と指摘したでしょう。そう、足りないことがあるわけなんですよ。

 もし、地元が反対したら、どうするのか?

誰しも、そう危惧するのは普通なのではありませんか?
答えが判っていた場合ならば、政府がお願い→地元が判断で同意→再稼働に踏み切る、というシナリオが出来上がっていたであろう、ということになりますわな。
けれども、本来的には「地元の判断はこれからだ、未来のことなので誰にも分からない」というのが、当たり前なのでは?

(推測だが:
もっと以前から地元としては「動かすなら、早く決断して、きちんとやって欲しい」というような要望を出していることは珍しくないのでは。金が入ってこなくなるわけだから。原発依存の、麻薬みたいなもんなんだわ。原発によって地元の金も経済も回るという、依存体質ということさ。だから、最初から結論など決まっていたようなものなのではないかな、と。)

とすると、反対になってしまった場合の対策とかが何ら出されてないし、節電の措置とか、供給力を増やすような施策の公表とか、検討結果も出されてないのは、ヘンじゃないですかね?地元が反対したら、どうするの?再稼働ができないと、どうなるんですか?
これをまずやらないのが、本当に不思議。

昨日ヒントを出しておいてあげましたが、全くダメですな。
えー、ご説明資料によれば、原発なし時のざっとの供給力2500万kWで賄えるのは、6月半ばくらいまでしかないんじゃないですか?(笑)
それとも、出鱈目資料を出したとでも言いますかね?
そうすると、対策を講じるとしても、時期を逆算して取りかからねば到底間に合いませんよ。制限令の発動水準は何万kWなのか、需要家の制限はどう実施するのか、そういうのを決めなくて、どうするんですか?6月実施となれば、もう決めておかないと対策が間に合わないものも出てくるんじゃないですか?
例えば、各発電施設の定期点検時期は、全部把握してますかね?
前倒しで実施できるものは、5月中に全部終わらせておいて、6~9月に予定される点検は回避するとかしなくていいんですか?

そういう対策を一切持ってない、公表もされてない、というのは、明らかにおかしいんですよ。
まあ、ウソつきどもには、必要ないだろうけど。
対策なんかなくても、再稼働すればいい、というなし崩しがあるだけだ。


・元からシナリオができていた→再稼働はほぼ決まりなので、地元反対の場合を考慮せずともよい=要するに「ヤラセ」ってことだよね

・地元の同意は不明→対策が必然=対策が全く協議されてなくて公表もされてなくて企業等需要家にもお願いもされてないのはおかしい

で、野田政権としては、どっちなの?(笑)
初めから、答えは決まっていたんでしょう?
だから、何らの対策も考えずにこれたんですよね?


そもそも、原発廃止だの原発停止といった選択肢など、最初から存在してなどいなかった。事故直後から、日本の電力会社の中で、原発を止める、なんて言った会社はないし、財界の連中にしたって、原発廃止とか言ってた上の方の連中なんて、誰もいなかったんじゃないですか?
全銀協のお偉いさんも、自工会のお偉いさんも、大体同じじゃないですか?

どうして、原発は危険だから止めたい、と考えなかったと思うか?
恐らく、専門的立場の人間から見れば、福島原発の杜撰対応が「お粗末過ぎた」ということを感じていたからなのではありませんか?
東電があんな馬鹿な失敗をし、無様な事故を起こさなければ、「こうはならなかった」と内心思っていたんじゃないですか?
裏を返せば、福島原発事故は「津波のせいだ」といった単純な話ではなく、人災だった、と思っているからなんじゃないですか?
そうであれば、「あいつらみたいなバカなマネはしない」と思っているので、原発を停止したいだの廃止したいだのとは、考えない、ということなんだよ。人災だと知っていれば、対応の間違っていた部分がどこなのかというのは、判るから、だ。

だが、東電も経産省も責任逃れの為だけに、必死で事故原因について隠し、情報隠蔽を続けたのだよ。そのツケが、今になって、全国の電力会社に回ってきた、ということなのさ。まさに自業自得。東電を切って、責任を厳しく問い、事故原因究明に全力を注いでいたのであれば、ひょっとしたら他の電力会社は助かったかもしれない。が、一蓮托生の原発推進派たちは東電を守ろうと必死でもがき、更に傷を深くした、ということなんだよ。
愚かだな。



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