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政府の経済対策と日銀利下げの雑感

2008年10月31日 19時39分15秒 | 経済関連
とりとめもなく適当に書きますので、論点整理とかは特にありませんです。
思ったことから順に。


①日銀の抵抗

最後は白川総裁の決断ということで、5対4の1票差だったということらしいです。まあ、決断といっても、市場からの催促がきつかったので、ここで見送りという「超ネガティブ・サプライズ」は許されない状況であったでしょう。

で、絶対に利下げには同意したくないぜ、という、日銀サイドの「ささやかな抵抗」を忍ばせておきましたぜ、ということかと。
「盗人にも三分の理」、もとい、日銀には日銀の言い分といいますか理屈があるようで、「どうせ利下げしても効かないぜ」という決め付けみたいなもんでしょうかね。
だったら、日銀の金融政策はイラネ、ってことじゃないですかね。だって、これっぽっちを上げても下げても「関係ねー」ってことなんでしょ?ならば、総裁はオレでもいいわけだ(笑)。どっちにしても同じじゃねーか、という程度のことを、桁外れに高額年俸を貰う連中が何人も集まって協議するのは、単なる無駄だわな。全員要らないんじゃないか?利下げはやってもやらなくても同じ、というのは、自ら自己の存在意義を自己否定するという、全くのマヌケということを証明しただけだ。

何だか知らないけれども、日銀としては、すんなり利下げには同意したくない、絶対に認めたくない、ということを、「怒りのコンマ05」に込めたということだな。今や「経済界の関東軍」という最高級の尊称(笑)さえいただく「天下の日銀」でありますので、「へそ曲がり」っぽい(?)、それとも天邪鬼的な心境を表したものでしょう。つまりは、日銀としては不快感を露わにした、ということかと。

前にも何度か書いたけれども、金融政策は日銀の為でも、政府の為でもなく、日本国民の為にあるのだ。そして、今や経済が世界的に連動した状態になっているからこそ、世界経済にとっても重要な意味を持つのだ。別に、日銀サイドの満足とか、委員連中がどう感じようと、そんなもんはどうだっていいんだよ。日銀の面子なんて、日本経済に比べれば、鼻をかんだティッシュみたいなもんだ(喩えが余計に判らんか?笑)。何を天秤にかけているのか、判っているのか。日銀のphilosophyよりも、日本経済や世界経済の方が圧倒的に重たいんだよ。
「よーく考えよー、お金は大事だよー」

つまらん見栄だか、カッコつけだか知らんが、余計なことをしてくれたお陰で、株価は再び大きく下げてしまった。0.25という事前予測を裏切って、0.2なんていう珍妙な数字を出したもんだから、良い方のサプライズではなく失望が広がった。日銀の発表後には急落してしまったんだよ。
ガイジンさんが報道する時にだって困るだろ?(笑)
下げ幅は、「4分の1」だとシンプルだし、感覚的にもすんなり「ああそうか」と思うけど、微妙な20bpです、みたいなのは、「あんたら、一体何したいの?」ってなっちゃうじゃん。20セントじゃ電話もかけられない。関係ないけど。25セント硬貨とか、感覚的なものが4等分なんだよ、多分。ピザだって、4分割は簡単にできるけど、5等分ってやり難いだろ?金利に関係ないけど。
要するに、そういうようなこった。

日銀の考えてることが、外国人には非常に伝わりにくい、ということだと思う。
何でそんな余計な真似をすんの?、と多くが思ったことだろう。日銀は依然として「緩和しようとは思ってないみたいだ」と、ガイジンさんたちは受け止めてしまう、ということ。日銀がいくら「いやいや、最低は結局0.1%水準と同等だから」みたいに言っても、マーケットに正しく理解されていなければ、政策効果はそれだけ殺がれることになるだろう。

期待が萎んでいったので、大幅反落となった、ということだ。


②効果の程はとりあえず措いといて~財政政策

ダメ出しが各方面から出されていますけれども(笑)、両面と考えています。

良かったことは、とりあえず「直ぐ動きます」という姿勢をどうにか見せたこと。

前の福田政権では、「ワレ関せず」の愚図でノロマな亀だったのですが、今回はそれよりもはるかに動き出しが早かった。まあ、こんだけ下げていて、何も手を打たないとなれば「●んだ方がマシだ」ということになってしまいますが。そうした雰囲気は市場にも好影響を与え、最低記録から反転してかなり値を戻すことに成功した。利下げへの要請工作?も、不十分ながら実施に踏み切らせたことは評価できる。どんな場面でも、「やるぞ」と直ぐに対処することは、心理的によい影響を与えることが多いかな、と。まずは、「対応する時間」を生み出せるように、初期対応をきちんとするということだと思う。そこでとりあえず踏み止まれば、次の対処をするのが間に合うようになるから。時間的余裕ができたら、その後にもう少しよい一手を考えればよい。


悪かったことは、これも散々酷評されていますが、「バラマキだ!」作戦ですかね。
効果が乏しい、というのがその理由だと思いますけれども、とりあえず気分を変えるということには、一役買っているかもしれませんよ(笑)。

そういうようなことはあるかもしれんが、金に色が付いているわけではないので、もらった金をとりあえず借金返済に回してしまうとかになったとしても、生まれた余裕資金は何かに使われる可能性はあるから。

面白いのは、まず野党の批判だな。特に民主党以外の社民とか共産あたりか。常日頃、「減税スレ、スレ」と口を酸っぱくして言ってたように思うんだけど、実際「減税するぜ」となった途端に「バラマキだ」に変わるのはどうなのよ、と思うな。じゃあ、バラマキませんか?ばら撒くのを止めたらいいんですか?つまりは、減税には反対ということですね?(笑)
多くの庶民が物価高で苦しんでいる時だからこそ、少しでも助けになるようにということで配るのですが、それはやるべきではない、ということですね?

どういうわけだか、こういう減税にはみのもんたあたりが大賛成してくれてもよさそうなんだけど。
「もっとやれ、庶民にばら撒いたっていいじゃないか」と賛成するのが本筋なんじゃないの?

今回、バラマキだ、と大反対していた連中は、とりあえず「減税に反対派」ということで区分させていただきとうございます。誠に有難うございました(笑)。


でもね、ホラ、経済学の初歩で出てくる式ですが、あれで見れば、
 所得=消費+投資+政府支出+純輸出
ということになっているわけですから。

消費が大幅に増額にはならないかもしれないが、政府支出は増大するわけなんですよ(笑)。つまり、GDP統計上では、プラス効果がきっとあるんでしょう。今年前半は原油高や材料高の影響なんかがあって、輸入額は大きく伸びたですが、輸出は低迷したのですから、純輸出はかなり減るんですよ。8月の赤字額は過去最大だったかと思いましたけれども、それくらい苦戦だったわけです。今後下半期で円高効果+原油材料価格低下の効果が出てくると思いますので、輸入額が減ることで輸出減速との相殺となる効果が期待できるでしょう。それでも、消費や投資は苦戦が予想されますし、既に前四半期はマイナス成長でしたので、今後政府支出で下支え効果を発揮するのが悪いとも思いません。

あの米国でさえも、減税を行い、金をばら撒いたではありませんか。
日本よりかは格段にガチガチの「小さな政府派」であるブッシュ政権が、政権末期にも関わらず苦渋の決断をして、金をまいたんです。確かに消費に向かう効果がどうなのか、とか言われますけど、手元の金が少ない場面では「何であっても金」なんですから、ないよりマシです。そういう効果もあって、とりあえず米国のGDPのマイナス幅は大きくならず、どうにか踏み止まっています。

GDP統計の数字がどうだって言うのよ、という批判はあると思いますけれども、上がるより下がるのは「心理的マイナス効果」が大きいと思いますし、同じ下がるのでもマイナス幅が「大きいより小さい方がいい」と思いますよ。だって、英国のマイナス成長だって、「ああ、16年ぶりにマイナスなんだ!」ってことで、大きなニュースになってしまい、そうすると心理的に冷え込むわけですから。それもあって、急激なポンド安となってしまったじゃありませんか。けど、そういう「マイナスだ!!」というのを知らないままであれば、実体経済が体感的に良くないな、と思っていたとしても、案外と不安心理は大したことがないと思うのですね。


でも現代は、情報の伝達速度が速いこと、そして世界中に拡散していくこと、これが「グローバル経済」の本質的な部分なのだと思うのですよ。昔よりも物理的障壁が緩和された(=世界が小さくなった、移動手段や速度とか…)という効果以上に、ことに金融においては情報伝達が物理的障壁以上の意味を持つのだと思います。株安だの市場崩落だののニュースは、瞬く間に世界中を駆け巡るんですよ。昔みたいに、伝書鳩で情報をいち早くゲットして、一財産作れた時代とは全く違うのです。世界の金融が情報によって連結されているからこそ、情報拡散がより大きな変動を生じるのだと思います。

部屋の中に人が100人いるとして、火事になった時のことを考えてみます。
火事だと判る人が10人だけだと、残り90人は火事なのに、直ぐには気付かず逃げようとしませんよね。ちょっと遅れて行動することになるでしょう。でも、100人全員が一斉に判る時であれば、出口に殺到しようとするでしょう。そういうようなもんだ、ということ。
世界経済というのは、昔は農業の作物みたいなものだったのですよ。北海道が冷害に遭ったとしても、九州では豊作だ、みたいに、分離独立的な動きだったわけです。だから、どこか一つの地域が冷害で不作となったり、台風被害で全滅したりしても、遠く離れた場所で豊作だったりすれば何とか大丈夫だった。

しかし、グローバル経済化が進むと、北海道で冷害になると九州で使う苗がなくなりこちらも全滅になってしまう、というようなことになってしまったのです。九州が台風被害で不作になると、北海道で肥料にするべき堆肥がなくなるのでやはり不作になる、というようなものです。つまり、何処かの地域に冷害や台風などの突発的出来事が発生すると、それは遠くの地域にまで「リスクが波及する」ということです。地域間の距離や作物構成はリスクを遮断する障壁とはなっていない、ということです。これがグローバル経済ということだろうと思います。


話が大きく逸れましたが、浮き沈みがあったな、と。





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