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日中で共通通貨単位の創設を推進せよ

2010年06月07日 11時38分17秒 | 経済関連
これは、以前から出されていた話題であるから、特段目新しいものではない。古くて新しい問題、ということである。

08年12月>これはよい記事だ

09年1月>金融再生~J・スティグリッツ


拙ブログにおける重要な提案は、新設の「共通通貨単位を作るべし」ということである。この利点は、数々ある。ただ現実に導入するとなれば、これまでの「やり方の慣れた、便利な」取引が変わってしまうので、そうしたメリットを失うという不便はあるけれども、一度導入してしまえば従来と特別変わったことはなくなるであろう。


①米ドルの特権的地位を剥奪できる

何をおいても重要な点がこれだ。例えば中国とかに代表されるように、外貨準備と称して多額のドルを抱え込むことになるわけだが、ドルで仕方なく米国債を買ったら買ったで、「危機の一因は中国」と名指しで非難されたりするわけである(経済危機の一因は中国?)。

別に、中国だって、好き好んで米ドルを大量に保有したいわけじゃないのだ。しかし、「買わざるを得ない」というのが、米ドルの「特権的地位」ということなのである。これを解消できる。

こうした「厭々でも、米ドルを買わねばならない」というスタンスの国々は、中国以外にも多く存在している。日本、ロシア、イラン、ベネズエラ、…といくらでも挙げることができる。自国通貨管理の必要上、しかたなく米ドル買いを行わねばならないような、スイス、ブラジル、ベトナム、といった国々もあるわけである。そうした国々の悩みを若干ながらでも改善できるのが、外貨準備のドルをやめて共通通貨単位導入するという方法である。


②外貨準備のリスク分散ができる

米ドル頼み、という、一辺倒を改めることができるので、リスク分散になる。例えば中国や日本では、米ドルが下落すると膨大な為替損を食らうことになるが、共通通貨単位であれば下落幅は抑制されうる。


③米国が反対したらどうするか

最大の難関はここになるだろう。しかし、最悪の場合、米国だけ外せばいい、ということで解決は可能である。
特に、日本と中国が導入を強力に推進した場合には、欧州は米国側にはつくことはないはずだ。何故なら、米ドルに比べてユーロの地位は不当なまでに低く抑えられているからである。

日中が協同してサルコジを説得できれば、彼は元から通貨改革には賛成派なので、ユーロ圏の取りまとめに動くであろう。欧州と中国との貿易という点においても、メリットはそれなりに大きいはずである。
サルコジが独の賛同を得ることに成功すれば、欧州圏の意見はほぼ固まるだろう。何も優先的に米ドルを買い続けたいという欧州人はそう多くはないはずである。また、ロシアもまず賛成に回るだろう。

となると、主要国は固めることができるはずである。
ブラジルやインドにとっても、悪い話ではないはずであろう。新興・中堅アジア諸国にとっても、通貨政策上で米ドル依存脱却ができるので、反対するべき特別な理由というものはないだろう。

さて、残るは、イギリス、カナダ、豪州、産油国といった、過去の関係からみて賛成するかどうかは不明の国々が残るが、経済規模からみて日中欧+アジア諸国+露伯印の参加があれば、それで十分である。これら賛同する国々で共通通貨単位を用いて取引すればいいだけである。
極端にいえば、参加したくない国は別に参加しなくてもいい、というだけ。これまでの外貨準備で米ドルを買っていたのをやめて、共通通貨単位を準備しておく、ということになるだけである。


④実際にはどのような通貨単位とするか

以前にスティグリッツの研究なんかが発表されていた(新たな国際準備通貨、早期の段階的導入も可能=スティグリッツ教授 | ビジネスニュース | Reuters)と思うが、参加国中の主要通貨による経済規模、国際間取引高、貿易高などから基準を決定し、それ以後は共通通貨単位に対する為替変動として記録されてゆく、といったことでよいのではないか。
ここらへんの制度設計については、主要参加国の統一協議機関と運営機関を創設して、各国代表及び専門家たちが詳しく検討するとよいだろう。


⑤最後に

これをやるだけで、毎度毎度の米国あたりから「お前らの輸出が多すぎるんだ、もっと輸入しろ」と文句を言われるのに、「米ドルは強くなければならない、だからもっとドルを買え」と、全く矛盾する要求―大抵の場合には「不平不満」か「脅し」―をされるということは減るだろう(笑)。
ドルを買わずに売れば文句を言い、買ったら買ったで「危機を作った原因はドル(米国債)買いだ」と八つ当たりされ、もっと貿易黒字を減らせと怒鳴りこまれるということに、壮絶な徒労感というかウンザリして疲れ果ててしまったんですよ、日本人は。

だから、今後はそういうのを一切なくす努力をするべきだ。
外貨準備に100兆円も無駄にドルを積んでいる羽目になっているわけで、これをさっさと処分してしまえば清々するだろう。もっとユーロ、人民元やポンドを使ったっていいじゃないか、という話さ。イマドキ日本で、ガソリンを買う時に「ガロン」なんて単位は使わないんだよ(沖縄とかならあるのかもしれんが、よく知らん)。そういうのと一緒さ。


世界最大の借金帝国である米国の財政は、いつ破綻するか分からず、持続可能性について疑念がないわけではない。「大きすぎて、つぶせない」という象徴的存在が米ドルである。いつ彼らの通貨崩壊がやってくるかもしれず、そうなる前に別な通貨単位と取引を導入しておくことが、危機を回避するのに役立つはずである。


特権的な地位に安穏としてそれを利用しつづけ、これまで満足に借金を返済したことのない米国に返済努力をさせることのできる機関も勢力もない。ギリシャ1国でさえ、これほどの混乱を招いているのに、米国に「これ以上借金するな」などと矯正させられる国があると思うか?(笑)

唯一できることは、ドルから特権を取り上げること、だ。
中仏の賛成が期待できれば、日中欧連合で新通貨制度に移行することは可能である。世界中の取引の大半がそちらに移せるからね。


借金帝国に、これ以上の甘えは許さない。
それが、貸し手責任というものだ。




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