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シリアに罪をなすりつける米国の卑劣

2016年09月26日 12時08分04秒 | 外交問題
シリアの停戦合意が崩れたことを受けて、安保理の緊急会合が要請されたらしい。

米露の非難合戦の様相となっているが、米国が意図的に戦乱をもたらしたことを隠蔽しているに過ぎない。ことの発端は、米国の政権転覆作戦にあったことは、拙ブログにとって疑いの余地がない。

15年10月

>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/63962ca183f51763db945386e1e4f669

>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/2876f10fb568f6facf7d3c426c84f7f5




これまでにも幾度となく出されているのが、シリアは拷問したり虐殺を繰り返してきたんだ、という情報である。これは、先代の父親が大統領時代から続いてきたものであるが、それぞれの国には、部外者からは簡単に言うことのできない理由というものもあるはずだろう。暴力はよくない、恐怖政治や独裁もよくない、不当逮捕や拷問や虐殺も許されない、それはそうだ。そんなことは分かっているのだよ。だが、今のように数百万人が死ぬよりは、ずっとマシだったのではないのか?

たとえ暴力的、独裁的な圧政下であろうと、今ほどに死んだ人が果たしていたのか?

力の均衡を破壊することで、戦乱を巻き起こしたい米国と戦争ビジネスで儲かる連中にとっては、望ましい結果だったことだろう。曰く、「必要な犠牲だった、民主主義は人々の血の代償の上に成り立つんだ」、そうとでも言いたいのかね?


シリアのアサド政権と政府軍のネガティブキャンペーンは、米軍や有志国連合軍の正当性を強調し、彼らの戦争犯罪を隠蔽する為に行われているものであろう。



>http://www.sankei.com/world/news/160522/wor1605220008-n1.html

シリア人権監視団(英国)のアブドルラフマン代表は21日、シリアが紛争状態に陥った2011年3月以降、アサド政権の刑務所内で少なくとも6万人が死亡したと明らかにした。政権内の情報を集計した。政権側による拷問や、刑務所での食料や医薬品の欠乏が原因という。共同通信の電話取材に語った。

 監視団はこのうち、1万4456人の氏名を特定した。110人は子ども。

 死者数が最も多いのは、首都ダマスカス北方のサイダネヤ刑務所。フランス公共ラジオによると、空軍情報部と国家治安部隊の施設でも多数が死亡した。

 アブドルラフマン代表によると、政権側は計50万人を拘束し、何千人もの行方が今も分かっていない。また反体制派やイスラム過激派の拘束下でも数千人が死亡した。(共同)

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あと、こういった情報もいくつも流されている。


14年12月>http://matome.naver.jp/odai/2141757794818362701


16年8月>http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/08/17000.php


16年2月>http://www.bbc.com/japanese/35529630



拷問は人道上の罪だ、というのは、誰しも知っている。なら、米軍は犯罪者ではないのかね?
そんなことは、真っ赤な嘘であることは、世界の人々が知っている。


グアンタナモ収容所の問題
>http://matome.naver.jp/odai/2140158811659246901



米国は、米国法が適用されてしまう場所では、違法行為をできないんだ。だから、彼らは「外注」するんだよ。戦争請負企業も同じようなものだ。日本においては、日本政府と権力層に「外注」して、日本を間接統治することに成功しているではないか。これを米国は長期的に望んでいるのだよ。


で、テロ収容とテロ捜査という名の拷問は、主にイエメンで行わせていたわけだ。それは判明している範囲において、だが。
イエメンも同じく、米国が支援するグループというのがあって、内戦の原因となっているわけだ。

これはシリアだって同じ。反アサドの武装勢力に軍事支援をして、政府転覆を図るわけだから、国際法上の犯罪でしかない。現実のテロそのもの、米国はテロ支援国家だ。

米国は、ベトナムでもカンボジアでも、これらと同じことをやってきたんだよ。まさしく映画『ランボー』の世界、そのまんま、だ。どちらの国でも、何百万人もの人々が死んだ。未だに、残留する地雷や爆弾で死亡する人たちだっているわけだよ。その罪の原点は、米国の過剰な介入の結果なのだ。現存している政治勢力を「倒させる為」に内戦へと導く。これが何十年と継続することで、戦争ビジネスは回ってゆく、ということだ。


シリアは、そうした米国の戦略の犠牲になっただけだ。


アサド政権がずっと極悪であったかのように言うわけだが、もしそんなに超危険で極悪国家に、何故日本人留学生が行こうと考えたのだろうか?


例えば、こういう日本人のシリア留学

>http://www.nic-nagoya.or.jp/japanese/nicnews/archives/16430


シリアが非人道的国家なのであれば、何故イラク戦争後に危険とされる地域に素人の学生さんが行くことができるのか?


日本政府は、2011年の混乱以前には、02年から10年間、ほぼ毎年のように無償資金援助をしてきた。国際的非難が集中しそうな、虐殺と拷問の独裁国家に対して、何故資金提供など続けたのか?そのような外務省の判断は、適切だったのか?


通常は、そういうことはない。


多くの人々は忘却の彼方と思うが、シリアは02年から2年間、安全保障理事会の非常任理事国に選出されていたのだぞ?
当時、過去の慣例というか、順番的には、日本にお鉢が回ってくるはず、と踏んでいた年だった。87年、92年、97年と等間隔で日本は非常任理事国に選出されてきていた。ところが、である。


02年改選では、日本はシリアに投票で敗れるという、想定外の事態だったのだ。何故だか分かるか?
米国が日本叩きの時代だったから、である。日本が定例的に非常任理事国の席に座れていたのは、米国がそのようにさせていたこともあるし、日本の国際社会での経済力という地位がそうさせていた、という面もあろう。


だが、日本は今世紀に入り斜陽の国へと転落していった。
国際政治の力学という点においても、弱体化したということである。


つまり、国際社会が選んだのは、日本よりもシリアだった、ということだ。極悪人の独裁国家を、多数の国々が支持したと?
日本よりも、拷問と虐殺の非人道的極悪国家を選ぶ程に、国際社会は評価する目を持っていなかったと?


本当に、そんなことを信じる人がいるものなのだろうか。


シリアが安保理理事国の2年間、米軍はイラク戦争からアフガン戦争へと戦火を拡げていった時期だ。当時、シリアはそうした米国の行動について、賛成の立場だったのだぞ?

安保理決議においては、全会一致で採択というものが多数あったが、米国がアフガンへ攻め込むことを認めたのだぞ?イラクでの戦闘やフセイン後統治についても、米国・米軍を支持していたに等しいのだぞ?シリアは、米国の「対テロ戦争」のテロ拷問などを肩代わりしていたのではなかったのか?そういう点でいえば、アサド大統領は米国に利用され、今度は処分される側へと回されたようなものかもしれない。イラクのフセインと同じ末路、ということだ。


アサド政権が何らの人道上の罪を犯していない、とも思わないが、少なくとも政府転覆工作が仕掛けられるまでは、普通に生活できる程度の国だった。統治権力を崩壊させたが故に、シリアの大量の難民と戦死者を生み出したんだ。


アサド政権は、反政府ゲリラを虐殺したのかもしれないが、それは他の国でも行われたことがあるものだ。
中国の天安門事件の後、人道上の罪を理由にして、米軍や有志国連合軍が攻め込んだか?


デモ隊に多数の死者が出たとして、それを理由に戦争を拡大し、もっと多くの犠牲者を生み出すことが、正義などと言えるのか。
厳しく糾弾されなければならないし、これを国際社会が許さないという姿勢は必要だが、たとえアサド政権が犯罪を犯していたとしても、これを転覆させるべく、米国が反政府勢力支援を正当化できる理由にも根拠にもならない。


アサド政権が殺害してしまったデモ隊の数よりも、その後の戦乱で犠牲になった人たちの数の方が圧倒的に多い。米国人の大好きなトロッコ問題は、どこに行った?


アサド政権が拷問した数より、イスラエルがパレスチナ人を虐殺した数の方が圧倒的に多いし、米国の無人機攻撃で何ら関係のない民間人を虐殺した数の方が断然多い。


真の犯罪とは、米国であり、イスラエルのような、まさしく非人道的無差別殺戮ではないか。
更に、戦争ビジネスの為に、国家転覆を図るという、その戦略こそが悪そのものだ。