トロティニョン~エルマレックのお話の流れで,今日はエルマレックのお話をしましょう。デヴィッド・エルマレックは1970年生まれのフランス人です。10代を兵役で費やしたため,サックス奏者としての経歴は意外に浅く,1995年頃よりいくつかの賞を獲得し本国で注目されるようになったようです。現在までに,トロティニョンとのCo-leader albumを含め,4枚のアルバムをリリースしています。僕が所有しているのは,デビューアルバム以外の3枚です。彼のHPを見るとデビューは1999年にAgency Comoediaというレーベルからの『 Live au Café des Arts 』というアルバムらしいのですが,Discographyを見ると“marketing: not distributed”とあります。かなり手に入れるのは困難ではないでしょうか。ちなみにこのアルバムにもトロティニョンが参加しているようです。デビュー盤以外は容易に入手可能です。
Live au Café des Art (1999 Agency Comoedia)
Organza (2001 Crystal)
Talking Cure (2003 Crystal)
trotignon el-malek hall pallemaerts (2005 Naive)
『 Organza 』,『 Talking Cure 』は共にPrysmのピエール ドゥ ベトゥマン(p)が参加しています。『 Organza 』のM-1<Tora tsiva lanou moche>はまるでコルトレーンの<Crescent>のような曲です。音色も結構似てます。ふっくらとした暖色系の音で朗々と歌い上げます。全体にややスローからミディアムテンポの曲が多いのですが,M-9<Gentlman>はDrum'N Bassのリズムに乗せて,長尺なハード・ブローイングを披露します。これが意外にはまり,よく車を飛ばしながらリピートして聴いていました。彼のHPを開くとバックで流れています。ちょっと聴いてみて。どちらかと言うと『 Talking Cure 』の方が吹きまくっています。ありきたりの表現ですがブレッカー似です。フラジオ音域での歪ませ方など,泣きのフレーズがクゥ~ッ,たまらん。ちなみに両アルバムとも最後に隠しトラックがあります。でもこの隠しトラックでどういう意味があるのでしょうか。よくわかりません。
今,“Prysmのピエール ドゥ ベトゥマン”と言いましたが,現在彼はエルマレック,ミシェル・フェルバーバウム(g)らとIlium というユニットを結成し,既に2枚のアルバムをリリースしています。
Ilium ( 2003 Naïve )
Complexe ( 2005 Les Disques Deluxe )
僕は第一作の『 Ilium 』しか持ってませんが,Prysm の音を期待するとちょっとがっかりするかもしれません。やっぱりPrysmはベトゥマン,クリストフ・ウォーレム,ベンジャミン・エノックの3人のユニットでしか出来ないジャズだったのでしょうか。とにかくPrysmのような鋭い鋭角的インター・プレイ,ガチンコ勝負があまりありません。たぶん全曲ベトゥマンの作曲だと思うのですが,キメ,アンサンブル指向のカッコイイ楽曲ではあるのですが,いまひとつかなと感じます。まあ,全曲フェンダーローズを弾いているからキレがないように感じるのかもしれませんが。そんな印象なので第二作目は買っていません。
上の写真右はPrysmの第二弾です。彼らは仏Blue Noteと契約し,計4枚のアルバムをリリースしましたが,本作が一番カッコイイかな。とはいっても第一作は持ってないんですが。第一弾の『 Prysm 』は当然廃盤で,現在入手困難なんです。都内の廃盤セールで先日も出てましたが,廃盤セールに並ぶほど暇じゃないので,入手できませんでした。でもいつかは欲しいな~。
David El-MalekのDavidはダヴィだと思います。これは間違いないです。Benjamin Henocqはバンジャマンは確実なのですが、エノクかウノクかはっきりしません。私のブログによく来られるフランス人の方に聞くと、エノクではということです。因みにこの方はプリスムをご存知ないようです。Prysmはプリスムだと思います。英語と違ってsは前後母音に囲まれた時、音が濁ります。
ちょっと古くなりましたが,私の方からも逆TBさせてくだい。
なんでBenがバンで,minがマンと発音するのでしょう。
プリスムが素晴らし過ぎたため,解散後のメンバーの活動にはちょっと物足りないですね。
プリスムの復活を願いましょう