昨年、SAVANTに移籍しての第一弾 『 Tenor of The Times 』 (前項あり)を発表したばかりのジェリー・バーゴンジーですが、早くも第二弾が発売になりました。
前作は、当時のレギュラーメンバーであるピアノのレナート・チコ、ベースのデイヴ・サントロ、ドラムスのアンドレア・ミシェルティーと組んだカルテット編成でしたが、どうもバック・ミュージシャンが力量不足気味で、緊張感に乏しい作品であったので、それなり充実盤ではあったものの、なかなかその後、棚から引っ張り出して聴くほどの愛聴盤になりませんでした。
というわけで今回に期待を寄せて針を落としてみたのですが、とりあえずは合格点と言ってよいでしょう。メンバーはドラムスが盟友アダム・ナスバウムに変更になり、ピアノレスでその代りにジョン・アバークロンビーが参加したカルテット編成。バーゴンジーがソロをとっている間は、ジョンアバはほとんどバッキングらしいことはしないため、なんだかサックス・トリオを聴いているような錯覚に陥ります。当然、ジョンアバのソロの時は今度はギター・トリオになるわけで、なんとも不思議な音空間になっちゃうのです。バーゴンジーのソロが終わり、少し間をおいてジョンアバがふわーと浮かび上がるようにソロを始める、あの浮遊した空気感は好きですけどね。ジョンアバ・ファンにはたまらない1枚かもしれません。
ところで、バーゴンジーがギターと組んで制作した作品には、1998年のRAM Records からリリースされた『 On Again 』 があります。これには一部の熱狂的ファンに絶大なる支持をえているギタリスト、ミック・グッドリックが参加しています。そんなに騒ぐほど巧いギタリストとは思えないのですが、なかなか良い作品です。
Jerry Bergonzi 4et 『 On Again 』 1996年 RAM Records RMCD4527
録音数の少ないグッドリックだけに貴重な記録。凄くうま~いという感じはないけど、バークリーで講師をしていた時の生徒には、ビルフリ、ジョンスコ、マイク・スターンらがいたというから驚き。基本的に空間系のハーモニー感覚の斬新さで売っている人。
閑話休題。率直な印象として、前作もこの最新作も、どうもいまひとつ元気がない。そもそも90年代半ばに Double-Time Records に移籍して以来、『 Live Gonz! 』以外はあまり出来が良くない。やはり90年前後の 一連のRed Records に残した作品やBlue Note にリーダーあるいはサイドメンとして吹き込んだものに魅力的な作品が多いような気がします。
という訳で、新作のことはこれくらいにして、過去の愛聴盤をちょっと紹介しておきます。
Jerry Bergonzi 『 Lineage 』 1991年 Red Record 123237 2 CD
バーゴンジーは1990年頃、セルジオ・ヴェスキ爺に見初められて、REDに5枚もの作品を残すことになったのでした。この頃からバーゴンジーは欧州でも名が知られた存在となっていきます。この作品群の中でもマルグリュー・ミラーを迎えてのライブ盤である本作が、ベスト。
Jerry Bergonzi 『 Standard Gonz 』 1991年 Blue Note CDP709625602
当時、すでにマイケル・ブレッカー・バンドで脚光を浴びていたジョーイ・カルデラッツォを迎えてのスタンダード集。やはりバーゴンジー級の大物にはそれなりのピアニストが必要なんですよね。最近の作品がいまひとつなのは、サイドメンの弱さに起因するのではないでしょうか。バーゴンジーでとりあえず一枚、となれば本作あたりが良いのでは。
Joey Calderazzo 『 In The Door 』 1991年 Blue Note TOCJ-5287
ジョーイのデビュー盤には、なんとブランフォード・マルサリス、マイケル・ブレッカーらと共にバーゴンジーも参加しています。他の二人に比べてくすんだ音色で、うねうねと捻じたフレーズを連射しています。
Joey Calderazzo 『 To Know One 』 1992年 Blue Note TOCJ-5708
なんとなく、ブランフォード参加作品としてのイメージが強いジョーイの第二弾ですが、ここでも地味ながらバーゴンジーが顔を出しています。
Jerry Bergonzi / Joey Calderazzo / Lars Danielsson / Jukkis Uotila
『 Fast Company 』 1998年 Blue Jackel BJAC 5022-2
Sonora #2 ( Sonora Art Qartet ) 『 Meet Jerry Bergonzi 』 1994年 VVJ 003
Salvatore Tranchihi 『 Radio Suit 』 1998年 Red Records RR 123280-2 CD
Trio IDEA featuring Jerry Bergonzi 『 Napoli Connection 』 1994年 RED Records RR 123261-2
前作は、当時のレギュラーメンバーであるピアノのレナート・チコ、ベースのデイヴ・サントロ、ドラムスのアンドレア・ミシェルティーと組んだカルテット編成でしたが、どうもバック・ミュージシャンが力量不足気味で、緊張感に乏しい作品であったので、それなり充実盤ではあったものの、なかなかその後、棚から引っ張り出して聴くほどの愛聴盤になりませんでした。
というわけで今回に期待を寄せて針を落としてみたのですが、とりあえずは合格点と言ってよいでしょう。メンバーはドラムスが盟友アダム・ナスバウムに変更になり、ピアノレスでその代りにジョン・アバークロンビーが参加したカルテット編成。バーゴンジーがソロをとっている間は、ジョンアバはほとんどバッキングらしいことはしないため、なんだかサックス・トリオを聴いているような錯覚に陥ります。当然、ジョンアバのソロの時は今度はギター・トリオになるわけで、なんとも不思議な音空間になっちゃうのです。バーゴンジーのソロが終わり、少し間をおいてジョンアバがふわーと浮かび上がるようにソロを始める、あの浮遊した空気感は好きですけどね。ジョンアバ・ファンにはたまらない1枚かもしれません。
ところで、バーゴンジーがギターと組んで制作した作品には、1998年のRAM Records からリリースされた『 On Again 』 があります。これには一部の熱狂的ファンに絶大なる支持をえているギタリスト、ミック・グッドリックが参加しています。そんなに騒ぐほど巧いギタリストとは思えないのですが、なかなか良い作品です。
Jerry Bergonzi 4et 『 On Again 』 1996年 RAM Records RMCD4527
録音数の少ないグッドリックだけに貴重な記録。凄くうま~いという感じはないけど、バークリーで講師をしていた時の生徒には、ビルフリ、ジョンスコ、マイク・スターンらがいたというから驚き。基本的に空間系のハーモニー感覚の斬新さで売っている人。
閑話休題。率直な印象として、前作もこの最新作も、どうもいまひとつ元気がない。そもそも90年代半ばに Double-Time Records に移籍して以来、『 Live Gonz! 』以外はあまり出来が良くない。やはり90年前後の 一連のRed Records に残した作品やBlue Note にリーダーあるいはサイドメンとして吹き込んだものに魅力的な作品が多いような気がします。
という訳で、新作のことはこれくらいにして、過去の愛聴盤をちょっと紹介しておきます。
Jerry Bergonzi 『 Lineage 』 1991年 Red Record 123237 2 CD
バーゴンジーは1990年頃、セルジオ・ヴェスキ爺に見初められて、REDに5枚もの作品を残すことになったのでした。この頃からバーゴンジーは欧州でも名が知られた存在となっていきます。この作品群の中でもマルグリュー・ミラーを迎えてのライブ盤である本作が、ベスト。
Jerry Bergonzi 『 Standard Gonz 』 1991年 Blue Note CDP709625602
当時、すでにマイケル・ブレッカー・バンドで脚光を浴びていたジョーイ・カルデラッツォを迎えてのスタンダード集。やはりバーゴンジー級の大物にはそれなりのピアニストが必要なんですよね。最近の作品がいまひとつなのは、サイドメンの弱さに起因するのではないでしょうか。バーゴンジーでとりあえず一枚、となれば本作あたりが良いのでは。
Joey Calderazzo 『 In The Door 』 1991年 Blue Note TOCJ-5287
ジョーイのデビュー盤には、なんとブランフォード・マルサリス、マイケル・ブレッカーらと共にバーゴンジーも参加しています。他の二人に比べてくすんだ音色で、うねうねと捻じたフレーズを連射しています。
Joey Calderazzo 『 To Know One 』 1992年 Blue Note TOCJ-5708
なんとなく、ブランフォード参加作品としてのイメージが強いジョーイの第二弾ですが、ここでも地味ながらバーゴンジーが顔を出しています。
Jerry Bergonzi / Joey Calderazzo / Lars Danielsson / Jukkis Uotila
『 Fast Company 』 1998年 Blue Jackel BJAC 5022-2
Sonora #2 ( Sonora Art Qartet ) 『 Meet Jerry Bergonzi 』 1994年 VVJ 003
Salvatore Tranchihi 『 Radio Suit 』 1998年 Red Records RR 123280-2 CD
Trio IDEA featuring Jerry Bergonzi 『 Napoli Connection 』 1994年 RED Records RR 123261-2
またサックストリオ的な部分が多かったのもグッドです。
Napoli Connection とSonora #2がお気に入りでした。
つうても、2000年代になってから、聴きましたが。。
これを聴くのも、楽しみでございます。
やっぱり、凄いですね。こんなのまで持っているとは。napoli connection はともかく、Sonora なんてよく手に入れましたね。さすが。でも、こんなの買う人、普通はいませんよね。
この sonora のベースの人、エレべがうまかったような印象がありますが。
Salvatore Tranchihi 『 Radio Suit 』はファラオも参加の出来のイイ作品なんですが、イタリア語のナレーションみたい声が頻繁に挿入されていてちょっと萎えてしまうんですよ。
ところで、以前、バーゴンジーの作品で、「女体の逆さ吊」のジャケットって、いまだにわからないですが、red にはないですよ~。