日曜日の夜。今にも雨が降り出しそうな空。
ライトアップも控えめなケルン大聖堂の前を横切ると、
入り口が開いている。中をのぞいてみると、まばらな
参列者でミサをやっていた。
牧師の説教とパイプオルガンの音が、とぎれとぎれ
聖堂内に響く。体の奥まで優しく共鳴する、不思議な
空気の揺れ。外観の荘厳さは飾り。大聖堂たるゆえんは、
祈りを増幅させる、巨大な管楽器であること。
牧師の言葉は全く理解できない。
讃美歌が静かに大聖堂内を響き渡る。
震動が体内をやさしく、でも、確かに貫く。
誰のための祈りだろう?
大切な人が「元気で楽しく過ごせるように」と、
最後尾から静かに祈った。
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