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ニューロリハビリテーションの臨床応用を実践するリハビリ科専門医・道免和久の日記【CRASEED Rehablog】

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回復期リハビリ病院に入院できなかったら・・・(その2)

2006-04-12 19:08:07 | リハビリ
肺炎を乗り切った純子さんですが、介護療養型病床は「無駄」と厚労省に断じられたため、この病院もあと1年で閉鎖の予定です。リハビリも一切ありません。

発症後半年目には、見る見る海老のように身体が丸まり、関節拘縮が完成した状態。さすがに褥瘡はできていませんが、寝返りがやっと。食事のときには車いすに乗りますが、だんだん自分で食べられる量が減ってきました。

見るに見かねた息子の大泉純次郎氏は、厚労省のコネで入れる回復期リハビリ病院に移れることになりました。病棟全体の20%まで認められている、いわゆる「回復期対象外」の入院です。

さあ、かなりの回り道でしたが、やっとリハビリ病院で、本格的なリハビリ!

ところが・・・・そうなんです、発症後180日を過ぎているため、リハビリはできません。回復期リハビリ病棟に入院していても、「回復期リハビリ料」を算定できていない患者さんは、リハビリを受けられない制度を厚労省が作ったからです。実はこの仕組みは、純次郎自身の発案で作ったものです。表向きには関連協会の意見を取り入れたことにはなっていますが。

「何のために入院したんだ!」と怒る純次郎。「リハビリができないことくらいわかっていたでしょう」と返す主治医。基本的には廃用症候群なので、リハビリをすれば改善することはわかっているのですが、「算定日数上限」がありますから、どうしようもありません。純次郎は「医師が効果があると認めればリハビリはできるだろう!」と怒鳴りますが、そんな規定はどこにもないのです。

医師が必要と認めても、効果ありと認めても、そのような裁量を奪ったのが、平成18年の診療報酬改定だったのです。

厚生官僚の息子と二人暮らしだった純子さんは帰るところがありません。ケースワーカーは「息子さんが仕事をやめて介護してはどうですか」と皮肉たっぷりに言います。「だって、厚労省は家族に介護させる政策なんでしょう?」

純次郎には、返す言葉もなかった。
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