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監査指摘から知識創造企業へ・続“なぜなぜ分析徹底活用術”

“なぜなぜ解析”は審査員にとって重要なスキルのように感じましたので、前日の“ISOバカ日誌”に引き続き、もう少し標題の本“なぜなぜ分析徹底活用術”に沿って、書かせてもらいます。“なぜなぜ解析”に基づき 監査指摘にいたるプロセスを考えてみました。前には “なぜなぜ” を厳密に繰り返して行くと、FTA(Fault Tree Analysis)と同じ結果が出てくるのではないか、と書きました。

この本の著者によると “なぜなぜ解析”のアプローチには2つの方法があると指摘しています。①あるべき姿からのアプローチ②原理・原則からのアプローチです。この2つの解析事例を この本から引用した図を示してみます。

図1 あるべき姿からのアプローチ


図2 原理・原則からのアプローチ

原理原則からの図2は まさしくFTAです。これは フィールド・ワークの審査でのツールというよりも、机上での論理を厳密に実施する作業にふさわしい。むしろ、予防処置(未然防止)のツールと考えるべきかも知れません。

これらのアプローチでの注意事項は、論理の飛躍がないこと、同一の“なぜ”のレベルで 全ての場合を網羅していること。これはMECE(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive)を想起します。ロジカル・シンキングのプロセスですね。
http://www.toyokeizai.co.jp/CGI/kensaku/syousai.cgi?key=book&isbn=53112-2

この本“ロジカル・シンキング”では、論理の飛躍がないことをSo What?(それがどうなんだ?)/Why So?(どうしてそうなんだ?)の自問自答で確認・保証するとしています。
当然と言えば そうでしょうが、つまり ロジカル・シンキングができなければ、真の問題解決へのアプローチができないということでしょう。


審査の場合には、あるべき姿からのアプローチがふさわしいと思います。その図1を見ると、現場・現物を見ていれば すぐにOK,NGは判定できるように思われます。なので“なぜなぜ解析”作業は そう複雑ではなく、主原因は自動的に1つに絞られるという思考プロセスになります。この絞る作業は、現場での観察とインタビューに基づきます。つまり、審査員は現場でのインタビューを通じて 主原因にたどりつき、指摘の準備ができる訳です。
ただ、この場合も 論理の飛躍がないように注意するべきです。

その上で、不適合指摘は  “なぜなぜ解析”の“結果の裏返し”で表現する。つまり、“給油基準を作成する。”が 解析結果であれば、“給油基準がない。”が指摘事項となる。・・・“高い剛性の材料を使用する。” が 解析結果であれば、“材料の剛性が低い。”が指摘事項。
是正処置要求書には、基準を 示しながら  “[規定等で]・・・であるにも拘わらず、[観察した事実を]していた。”(または、“していなかった。”) という形式で 書くのが 良いとされています。つまり、“顧客の給油要求があるにもかかわらず、給油基準がない。”が 完成形となります。2番目の例の指摘は“製品は高い剛性が要求仕様であるにもかかわらず、使用した材料の剛性が低い。”となります。この場合、再発防止は“使用する材料の剛性を高く設定した基準書を制定する。”となるかも知れませんネ。

指摘を受けた後の組織は 厳密に“原理・原則からのアプローチ”で“なぜなぜ解析” つまり、FTAを行い、きちんと真の原因に迫り、再発防止策を考え、不適合指摘への回答とすれば良いと考えます。
そうしたFTAの蓄積が ある種 ノウハウの蓄積になるはずです。それが 発展すればFMEAへと発展し、限りない 未然防止(予防処置)への発展につながり、気が付けば 卓越モデルに到達していた、という風になると思うのです。

これこそ知識創造企業の一典型だと思うのですがいかがでしょうか。
コメント ( 2 ) | Trackback ( )
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コメント
 
 
 
理路整然 (ダイコクヤ)
2005-09-04 22:04:53
またまたお勉強になりました。頭の緩みが少し改善し、理路整然となったような錯覚を抱きました。でもやはり、頭がポーとしていることは否めません。ポーとしているほうが、人生がハッピー、かも知れませんね。最近そんな印象です。
 
 
 
独りよがりのブログで (磯野及泉)
2005-09-05 00:28:27
申し訳ないですかな。ソヤケド、ブログゆうもんは こんなもんデッシャロ!



また台風が来ヨリマ。

駅から自転車で20分の通勤はツライ。

上司が またエーヤンでしてなぁ。

(人工島の工場への橋から)“風で飛ばされておぼれんヨーニ、気ィツケナあかんな。”てな 暢気な台詞言いヨリマンネン。



ご本人は エェお車で 毎日昼寝のためにご出勤デスワ。会社で昼寝して 夜ヨウ寝られマスなぁ、って若い社員もゆうとりマ。



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