Cabin Pressure(脚本:ジョン・フィネモア 出演:ベネディクト・カンバーバッチ他)

イギリスBBCのラジオ・コメディ CABIN PRESSURE について語ります。

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S1-6 フィットン(前)

2013-02-10 08:01:44 | 日記
シリーズ4も大詰めを迎えているCABIN PRESSUREですが、
ここでは時間を戻して、懐かしのシリーズ1をご案内します。

英語も日本語も素人の私による、超・超訳です。
あくまでも、「ご参考」までに。

 ↓

毎回のお願いですが、先に番組を聞いてからご覧くださいませ。

 ↓

では、どうぞ!!

 ↓


(ピンポン)
アーサー:こんばんは、みなさん。紳士淑女、貴族の皆様、女王様。こちらは機長です。機長で、空軍大佐の、アーサー・シャッピー卿が、これから世界一周旅行の世界記録に挑戦します。みなさんは機内のどちらの窓からも、素晴らしい、世界の景色を楽しめます。もし世界のどこかで興味がある場所を見つけたら、ぜひ小さいベルを鳴らしてください。キャビンクルーがみなさんにパラシュートをつけて外に放り出してあげます。機内でお楽しみの方には、シドニーに到着したら、シドニー・ハーバー・ブリッジに注目してください。僕が飛行機でその下を通ってみせます。
キャロリン:こら、空軍大佐。おしゃべりしてないで掃除機かけなさい!
アーサー:ごめん、母さん。


 (テーマ曲)
  今週は 「フィットン」


(雨の音)
マーティン:ここからも漏れてる。
アーサー:承知!マーティン。
(ドアの開く音)
ダグラス:外はひどい雨だ。それに、中も。
キャロリン:ダグラス、45分の遅刻よ。
ダグラス:私としたことが怠慢だったな。ゴッダード氏はご存知の通り時間に正確だというのに。彼をあまり待たせていなければいいが。
キャロリン:これは仕事よ、ダグラス。お金をいただいているんだから、時間は守りなさい。
ダグラス:申し訳ない。恥ずかしいよ。 アーサー、紅茶を!
アーサー:うん、ちょっと待ってて、ダグラス。この雨漏りを直してから、、
ダグラス:それならば。 アーサー、紅茶は?
アーサー:わぉ、きみが入れてくれるの?
ダグラス:たまには立場をひっくり返してみるのもいいだろう。
アーサー:やったね! じゃあたっぷりのミルクと砂糖4つでお願い。
(雨の音)
アーサー:ねえ、ダグラス。頭の中で何かがくるくる回ることってある?
ダグラス:うん。だがきみがそれを感じるとは少し驚きだな。
アーサー:歌がさ。
ダグラス:ああ、そうか。
アーサー:今はきみのが回っているんだ。
ダグラス:私のが?
アーサー:うん、この前きみが歌ってた曲なんだけど、出だししか分からないんだ。このあとはどうなるの?えっと、ア、ア~、ア、ア~♪  このあとは?
ダグラス:そのあとは動物病院に行って、安楽死させてやるんだな。
アーサー:曲の続きは?
ダグラス:まるで分からない。
アーサー:この前きみが歌っていた曲だよ。
ダグラス:マーティンが私の手をキャビンドアで挟んだときのことじゃないのか?
アーサー:違うよ、今週歌ってた。ア、ア、ア~♪
ダグラス:もしかしてこの曲かね? Summertime~♪
アーサー:ううん、こんな感じ。ア、ア~、ア~♪
ダグラス:毎回全然違う曲になってることに気付いているかい?
アーサー:違わないよ、聞いて。ア、ア~♪
キャロリン:アーサー、またやってる!
アーサー:ごめん、母さん。

マーティン:そうだ、ダグラス、今朝新しいのを思いついたんだ。
ダグラス:ほう?
キャロリン:今はどんなゲームをやってるの?
ダグラス:最後の1文字をなくしたら面白い題名になる本。
キャロリン:いままでに出たのは?
ダグラス:「Of Mice and Me」に「Three Men in a Boa」。
キャロリン:「Far from the Madding Crow」はどう?
ダグラス:うまいね、それはいただこう。 それで、新しいのってなんだい、マーティン?
マーティン:「The Hound of the Baskerville」 最後のsをとったんだ。
ダグラス:努力は認めよう。この前「The Mill on the Floss」からsをとったのに比べればましだ。
(なにかが壊れる音)
アーサー:よし!
キャロリン:アーサー、いったいなにしてるの?
アーサー:はかどってるよ。雨が入ってくる穴を見つけたんだ。
ダグラス:見つけたのか、それとも作ったのか?
アーサー:もともとあったのを、ちょっと、見やすくしたの。
マーティン:大きくしたんだな。
アーサー:ちょっとだけ。
ダグラス:まいったな、ポーターキャビンの中にも雨が降ってくるじゃないか。フィットンに行って、喫茶店で待つわけにいかないのか?
キャロリン:だめよ。もしゴッダードさんから声がかかれば、私たちは20分で全ての準備を終わらせないといけないの。飛行計画を提出、機体を点検、すぐ離陸。
ダグラス:声なんてかからないよ。もう28日間も音沙汰がない。我々のことなどとうに忘れているさ。
キャロリン:それは分からないでしょ。それに、スタンバイは航空会社の宝物よ。実際に飛ばなくてもお金がもらえるんだから。あなたたち3人によって破産させられたり、刑務所に入れられたり、山に激突したりする危険もないし。神様は私たちに微笑んでるのよ。仮にブラックネルの無礼なテレコム億万長者をその使者に選んだとしても、文句をいう必要はないでしょ?
マーティン:町に出ちゃいけないんだったら、せめて雨漏りのしない機内で待機しようよ。
ダグラス:まいったな、本当に?
マーティン:機内で過ごすか、雨に濡れるか。
ダグラス:車で過ごすか、バーで過ごすか。
マーティン:ダグラス!
ダグラス:すまない。即興で韻を踏んでいるのかと思ってね。


ダグラス:うん、ここは快適だ。
アーサー:ねえ、ジェスチャーゲームしようよ。
みんな:ダメ!
アーサー:どうしてさ?
キャロリン:なぜなら、前回の悪夢を私たちはまだ忘れていないからよ。あなたが25分もかけて「地獄の黙示録」のまねしてみせたときのこと。黙示録がなにかも知らないで。
(沈黙)
アーサー:ア、ア~、ア~♪
ダグラス:そうか、分かったぞ、これだろう。  {フィガロの結婚}♪
アーサー:僕が歌ってたのとは全然違うよ。
ダグラス:その点は喜んで認めよう。
マーティン:他にすることがなければ、せっかく機内にいるんだがら、業務手順書を確認しようか?
キャロリン:きっと一日が飛ぶように過ぎるでしょうね。
マーティン:法律で決められたことだし、我々はここにいるんだから。
ダグラス:だから機内に来たかったんだな。きみの古びた手順書を読み合わせるために。
マーティン:最新のものに書き換えたんだ、、
キャロリン:しかたないわね、付き合いましょう。
マーティン:もういいよ、やめよう。
キャロリン:そんなこと言わないで。
マーティン:いや。
ダグラス:マーティン、謝るよ。手順書を確認するのはよいことだ。是非頼むよ。
マーティン:分かった。じゃあ、通常業務手順書、「火災時の避難方法」を。
アーサー:ちょっと待って。それって僕も聞いていいの?
マーティン:もちろんだ。機密じゃないよ。
アーサー:そう。じゃ、続けて。
マーティン:駐機ブレーキをかけて、
ダグラス:ふむ、ふむ。
マーティン:エンジンを停止。
キャロリン:いい考えね。
マーティン:キャビンへアナウンス。
ダグラス:うん。
マーティン:副操縦士は近くの出口から脱出。
ダグラス:もちろん。それから近くのバーへ向かう。
マーティン:機長は帽子をかぶって、キャビンに入り、乗客を助ける。
(キャロリンとダグラスの笑い声)
マーティン:なんだい?
キャロリン:機長がなにをするって?
マーティン:乗客を助けるんだ。なにがそんなに面白いの?
ダグラス:その前だよ。
マーティン:機長は帽子をかぶって、キャビンに、、
(2人の笑い声)
ダグラス:帽子を?
キャロリン:機長は帽子をかぶる?
ダグラス:そりゃそうだ。火事のときはまず帽子をかぶらないと。
キャロリン:そうしないと火には誰が機長か区別がつかないから。
マーティン:乗客のためにだよ!
ダグラス:「少年は皆が避難した燃えるデッキに立っていた」
キャロリン:「彼の心臓はどっきどき、でもほら、帽子はしっかり頭の上に」
マーティン:もういい、忘れてくれ!手順書は僕1人で操縦室で確認する!
(ドアの音)
キャロリン:あら、まあ。
ダグラス:いまのは少し、、
キャロリン:ええ、少しね。ねえ、わたしたちのどちらかが、、
ダグラス:そうだな。
(ドアの音)
アーサー:2人だけになったね、母さん。知ってる?2人でもジェスチャーゲームはできるんだよ。
キャロリン:ダメ。
アーサー:オーケイ。 あ、そうだ、父さんから今朝電話があったよ。
キャロリン:かけてくるかもと思っていたわ。
アーサー:かけてきたんだ。
キャロリン:何て言ってたの?
アーサー:母さんのことを聞かれて、それから飛行機のことも。
キャロリン:そう。どの順で?
アーサー:さっきの順じゃなかった。
キャロリン:でしょうね。
アーサー:それから母さんに、、
キャロリン:興味ありません。
アーサー:うん、でも言えって言われて、、
キャロリン:あの人が言うことは分かっているわ。8年間、毎年11月12日に言ってることでしょう。興味ありません。
アーサー:でも言うって約束させられたんだ。ごめんね。
キャロリン:いいわ。さっさと言って。
アーサー:父さんの飛行機を買い戻したいって。
キャロリン:興味ありません。それにあの人の飛行機じゃないわ。ともかく、今回はいくら払うって?
アーサー:100ポンド。
キャロリン: 100ですって?バカげてるわ。去年は125,000ポンドって言ったのを断ったのに、どうしてさらに25,000ポンド安くなるの?
アーサー:100,000ポンドじゃないよ。100ポンド。
キャロリン:いえ、違うの。 あなたに全てを教えるには、正直いって、人生は短すぎるけど、あの人が100というのは、100,000ポンドを意味しているのよ。
アーサー:ううん。違うよ。
キャロリン:アーサー、あなたは自分のまだ短い人生という森を、全て間違った枝を使って作ってしまったのよ。どうして今回は当っていると思うの?
アーサー:書きとめろって言われたから。(紙を広げる音)「母さんに言え。そうだ、あの人は100ポンドと言った。100,000じゃない、正確に100ポンドだ。私は間違っていない。違う、アーサーと書くんだ。アーサーは間違っていない。詳しく知りたければ電話しろ」


ダグラス:あの、マーティン、
マーティン:なんの用?
ダグラス:謝罪だ、マーティン。ふざけすぎたよ。
マーティン:本当にね。
ダグラス:ああ。さきほどのは完璧な避難手順だった。
マーティン:まだからかう気かい?
ダグラス:いやいや、本気さ。帽子は混乱している乗客にきみが主導権を握っていると伝えることができる。
マーティン:その通りだ。
ダグラス:理にかなっているよ。
マーティン:機長であることをはっきり示しちゃいけないのかい?
ダグラス:いいや。
マーティン:きっと僕は額に口紅で“機長”と書いたところで、みんなには気づいてもらえないんだ。
(ダグラスの笑い声)
マーティン:今度はなに?
ダグラス:なんでもない。きみのことじゃないよ。ただ、それを業務手順書には書かないだろうね?
マーティン:(笑い)それってつまり、「副操縦士は近くの出口から脱出。機長は口紅で額に機長と書き、帽子をかぶり、キャビンに入って乗客を助ける」かい?
ダグラス:「万一、機長識別が不可能な場合は、機長は帽子をとり、口紅書きの銘字を示す」
(2人の笑い声)
マーティン:どうしてみんなはきみが機長だと思うんだろう、ダグラス?
ダグラス:その答えは簡単さ。私は気にしないんだ。機長は気にしない。私は副操縦士だった。そのあと機長になり、そしてまた副操縦士。どれも同じさ。自分が幸せなら、袖に何本の線が入っているかなんて気にならないもんだ。ところがきみは、いつも機長になりたいって態度でいるだろう?だから誰も本物だと思わない。その態度はやめないと。
マーティン:でも僕はずっと機長になりたかったんだ。
ダグラス:本当に?
マーティン:うん、6歳の頃からずっと。
ダグラス:へえ。で、その前は?
マーティン:飛行機になりたかった。
ダグラス:なるほど。
マーティン:きみは何になりたかったの?
ダグラス:ああ、その時々で変わったな。大学では医学を専攻していた。
マーティン:医者になりたかったの?
ダグラス:医学生になりたかったんだ。一番面白そうに見えたんでね。 医者になりたかったかどうかは疑問だな。魅力的だが、陰気だ。
(ドアの開く音)
アーサー:コーヒーだよ。
ダグラス:きみはどうだ、アーサー、大きくなったら何になりたい?
アーサー:え?
マーティン:子供の頃にさ。何になりたかった?
アーサー:実はスキッパーと一緒なんだ。僕もずっとパイロットになりたかったの。
ダグラス:本当かい?
アーサー:実現できなかったけどね。
マーティン:ふうん。
アーサー:でもさ、実は17歳のときにオックスフォード航空学校に面接に行ったんだ。母さんが誕生日のプレゼントとして予約してくれて。 それで、本当に行ってみて、ホールで待っていると、他の人たちが入ってきて、、その人たちが本物のパイロットみたいに見えたんだ。というか、、マペット・ベイビーズ知ってる?
ダグラス:見逃していたかもしれないな。
アーサー:アニメで、カーミットとかミス・ピギーとかの子供版なんだ。それで、さっきの人たちが、きみたちのようなパイロットのマペット・ベイビー版みたいで、あの、つまり、、
マーティン:分かっているよ。彼のような、だろう?
アーサー:うん。それでね、女の人が入ってきて、「アーサー・シャッピーさんの番です」って言って、マペット・ベイビーのパイロットたちは周りを見回して、、僕も見回して、、誰も立ち上がらないから、その次の人の名前が呼ばれたんだ。でもさ、時々考えるんだ。あのとき僕が答えていたらどうなっただろうって。
ダグラス:教えてあげよう、アーサー。きっときみはひどい目にあっていたさ。
アーサー:本当に?
ダグラス:絶対にな。きみはどうしようもないパイロットになって、教室中の笑いものにされていたよ。
アーサー:僕をなぐさめようとして言ってるんじゃなくて?
ダグラス:とんでもない。まるで望みはなかったさ。そうだろう、マーティン?
マーティン:残念ながらね。
アーサー:ありがとう。2人ともいい人だ!


  (続く)

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